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この結婚は王命ですから。初夜で拒絶された花嫁です、それでは自由にやらせていただきます!  作者: 夏目みや
第二章 北部の発展を目指して

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 夕食の席に着くと、イザークの姿は見えなかった。


「イザーク様は魔物の討伐で、今夜は野営になりそうだと連絡をいただいております」

「そう。わかったわ」


 執事長が私に伝言してきた。

 やがて運ばれてきた料理を口にする。スープを一口飲んで思う。


 うん、私たちが昼間作ったスープの味も決して負けてはいないわ。むしろあっちの方が豪華で美味しかったかも。


 スープの味見をたくさんしたせいか、あまりお腹が減っていない。ふとイザークの席を見ると、そこにいないことを不思議に感じる。


 食事の時には彼がいるものだと、もう慣れてきているのかもしれない。

 そんな自分の変化にクスリと笑った。


 今日は街へ行き、炊き出しをした。その際、食糧を運んだことを改めて報告しようとしたが、残念ながら伝えられそうにない。


 いくら好きにしろと言われたからといって、ちょっと勝手しすぎかしらね。


 言ったらどんな反応をするのかしら? 


 呆気にとられるかしら? いえ、もしかしたら怒られたりして。


 私たちは夫婦になったばかりなので、まだどんな人なのかよくわからない。

 もっとも夫婦とは名ばかりで、一緒に過ごした時間も少ない。だから、どんな人なのかも、正直不明だ。


 それならば、よっぽどロゼールの方が仲良くなれた気がするわ。


 彼は陽気で人懐っこい。だけど、周りをよく見ていて親切だ。今回だって私の突拍子もない行動に呆れはしたけれど、最後には笑って手を貸してくれたもの。


 考えるとクスリと笑った。


 そうよね、こんな風にイザークとも仲良くなれたらいいのよ。そのためには共通のなにかがあれば、グッと距離が近づくんじゃないかしら。


 一人で考えていると、本日のメインと思われる肉が運ばれてきた。


 固い肉に苦戦していると、ふとイザークの顔が浮かぶ。


 彼は最初に私の肉を切って以来、必ず切ってくれるようになった。


 調理人に任せればいいのに、まるでそれが自分の仕事だと言わんばかりに、無言で手を伸ばす。皿を渡すと、食べやすいようカットしてくれる。


 いつの間にか、それが当たり前になった自分にも驚いてしまう。


 でも今日はなんだか、あまり食欲がわかないわ。疲れてしまったのかしら。

 そして早々に食事を終わらせた。

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