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異世界帰りのTS転生ロリババア、ひ孫のヒロインになる  作者: ひさなぽぴー/天野緋真
第一章 始まりの夏、TSロリなひいじいさんと

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第三話 お風呂場の攻防

 セティが目覚めた日の夜。僕、脇田優一は浴室でお湯につかりながら自分の胸をまじまじと眺めていた。


「……うーん。ここに装置が埋まってるはずなのに、全然わからない……魔法ってすごいな……」


 ちょうど魔石を叩き込まれた辺りを撫でさすってみるけれど、見た目だけじゃなく、触れてみた感じも普通に肌なんだよな。本当にここに、フィルターとなる魔導石を取り着けるハッチがあるのか疑うレベル。

 疑ったところで、ちょっと押し込めば肌の表現が消えて金属のフタが開くから、間違いなく現実なんだけれども。これは本当にすごいことだと思うよ。


 こういうタイプの技術は、まだちょっと現代でも実現はできていないんじゃなかったか。いや実現はできているかもしれないけれど、だとしても身近なところで聞いた覚えがないということは、少なくとも民間に普及しているわけじゃないはずだ。

 それができるっていうんだから、魔法ってのはやはりすごいものなのだなぁ。たとえそれが、悪魔によってもたらされるものであったとしても。


「そういう魔法式を刻んであるからな。魔石が生み出す魔力を自動でくみ上げて発動するから、面倒なことは何もないって寸法さ」


 浴槽の外、スポンジで身体を洗いながらセティが得意げに言う。

 きっと顔も、得意げなドヤ顔なんだと思う。絶対にかわいい。


 けれど僕は、今はそちらに目を向けない。何せここは風呂場で、今のセティは当然全裸だからだ。


 本音を言えば、見たくないわけがない。それが気になる女性ならなおさらだ。

 しかしだからと言って、それが免罪符になるはずがない。いくら彼女が実はひいじいさんだとはいえ……というかそもそもの話、異性であろうとなかろうと、他人の裸をじろじろ見るのはマナー違反だろう。


「うんうん、使う人間にも配慮した素晴らしい発明だ……僕は誇らしいよ」


 ともかくそういうわけなので、僕は天井を仰ぎながら、頷くようにリアクションをするのである。


 しかし真面目な話、この件に関してセティはもっと偉ぶってもいいと僕は思っている。何せ驚くことにこの魔石浄化装置、発明したのはセティらしいのだ。

 はっきり言って、偉大過ぎる発明だろう。これのおかげで僕は生きながらえているわけだからね。二重の意味で、セティには頭が上がらないぞ。


「まあ人間にとっては素晴らしい発明かもしれんが、悪魔どもにとっちゃ逆に、連中の意思を消滅させる殺りく兵器だ。おかげでここ十数年、あちこちで命を狙われててかなわん」

「ああ……研究所を襲撃されたって言ってたのは、そういう背景があったんだな……」


 魔石のせいで大きくなった好奇心で始めたのが魔石の研究で、それが魔石に対する乾坤一擲じみた装置の発明に繋がったっていうのは、皮肉なものだなぁと思う。


 というかここ十数年は人付き合いをあえて絞っていたと言っていたけれど、それってもしかして……。この分だと、単純に日本に戻るための身辺整理をしていたってわけじゃなさそうですね?


 うん。なんというか、いきなりお労しさが上がってしまった気がするぞ。

 これ以上この話をしていると、地雷原でタップダンスをしてしまいかねない。僕は話を切り替えることにした。


「ところで、現代の風呂を実際に使ってみてどうだい? 使いこなせそうかな?」


 我ながら強引な話題の転換だったとは思うけれど、これは純粋に気にしていたことでもある。


 なぜなら一人で風呂のあれこれがわからないとなると、今後僕はずっとセティと混浴をし続けなければならないから。

 それ自体は非常に魅力的なことではあるけれど、何事も越えてはいけない一線というものはあるわけで。


 一応風呂に入る前に、一言声はかけたんだがねぇ。セティは子供の身体にそこまで魅力があるとは思っていないようだったし、何より生前は見たこともなかった内風呂に興味津々だったからあまり強く出られなくてね。

 案の定、あれこれとやって見せるのも普通に気まずかった。やはり裸というのは、心理的な壁を高くするのだなぁと改めて思うなどしたとも。


 ……まあ気まずかった理由の八割くらいは、僕の僕(・)を見たセティが「……へぇ」って言ったせいだとも思うけれどね?


「ああ、大体わかった。マジで生活の隅々までが、ものすごく発展したんだってことも含めて」


 僕のそんな葛藤をよそに、セティはそう答えた。彼女は同時に桶を浴槽に伸ばして中のお湯を汲もうとしたので、桶を受け取って代わりに汲んで渡してあげる。

 そうして身体を洗い流しながら、セティは続きを口にした。


「けど、おかげで気になることだらけだぜ。この風呂場全体の仕組みはどうなっているんだとか、それぞれの材質はなんなのかとかさ」


 ざばり、と桶から流されたお湯が身体や床を叩く音がする。もう一度桶が差し出されたので、先ほどと同様に応じる僕である。


 んで、セティに改めてお湯を渡しながら、なるほどなぁなんて思う。


 セティは……中の人であるところの光太郎ひいじいさんは、元々理系の人だ。戦前のあの時代、帝大の理工学部を卒業した人だから、それはそれは優秀な人だったのは間違いない。

 そんな人が時代を飛び越えれば、あっちこっちに好奇心が向くのも当然なのかもな。何せ生まれて初めてペットボトルを見て最初に注目するのが材質、次いでフタと口部分のネジって人だし。


「悪魔どもは絶対に退治する。するが……全部終わったら、改めて勉強してぇなぁ。きっと俺の知らないことだらけなんだろうなぁ」


 桶をそっと置きながら、セティはそう締めくくる。ちらりと横目に見てみれば、彼女の横顔はニコニコしていてきらめいていた。

 その様子があまりにも美しく感じられて、思わず顔をそちらに向けてしまう僕である。見惚れる、というのはこういうことを言うんだなぁ。


 うーん、なんというか不思議な感覚だ。恋愛をする機会が巡って来るなんて、もう二度とないと思っていたんだけれど。

 異世界から人間がやってくるのもそうだけど、本当に人生って何があるかわからないものだなぁ。


 ところがどっこい、そんな感慨もすぐに吹き飛んだ。セティが何食わぬ顔で浴槽の中に入ってきたからだ。


「邪魔するぞー」

「ああうん……滑らないように気をつけてね……」


 伸ばしていた足を畳む形で動かしながら、慌てて真逆のほうへ顔を向ける。


 危ない、本当に危なかった。どことは言わないが、丸っと見えそうだった。

 しかしあまりにも勢いよく顔をそむけたものだから、何か嫌な音が首から聞こえてきたような気がする。気のせいだと思いたい。


「……そこまで大げさに配慮しなくていいんだぞ。過ぎたるはなお、って言うだろ」


 その様子が滑稽だったからか、セティは呆れるように小さく笑ってそう言う。


 わかってる、わかっているとも。僕が大げさであるってことは。

 けれどもだ。


「セティの裸が視界に入ると、下心が自然と湧き上がってしまうんだよ……そんな目で君を見たくないから、これはしょうがないことなんだ……」

「お前も難儀なやつだな……」


 深いため息をつかれた。

 うん、自覚はしている。


「ってことは、あれか。昼間暴走しかけたとき、俺に向けて『好みど真ん中』って言ったはマジのマジなやつなのか?」


 してはいるけれど、それを当の本人にストレートにぶちかますのは話が違うと思うんですよ。僕は反射的に両手で顔を覆い、再び天井を仰いだ。


 確かに言った、言いましたとも。記憶にもばっちりある。

 でもできればそれは、忘れていてほしかった……!


「ああこれはマジなやつだな。そうかぁ、そんなに俺の今の姿はお前のお気に入りか?」

「それはもう……。今まで見たことのある異性で、正直ダントツですね……。すごい好き……」

「好……ッ、何を言い出すんだバぁカ! ったく……この小さな身体のどこが評価できる部分なのか、俺にはよくわからん。ま、まあ、そこまで褒められるのは、悪い気はしねぇけどよ……」


 救いはセティに引いた様子がないことか。それどころか、咎めつつもどこか照れた様子を見せている。


 あれ? これ、もしかして脈あるのでは?

 手術中の会話から、異世界で女に転生はしても結婚はしていなかったことはわかっている。もしかして彼女、TSモノにおけるお約束の一つである心の変節やそれに伴う各種イベントを終えていない可能性が、ワンチャンあるんじゃと思っていたけれど……このまま押したら行けるか……?


 いやしかし、僕とて恋愛経験が豊富というわけじゃない。高校生の頃付き合っていた子とは、思春期特有の照れとかであまりそういうことができなかったし、そもそもお互い夢に全力すぎて顔を合わせる機会もそこまで多くなかったから……。


 と、とりあえず、まだ慌てるような時間じゃない。紫乃ばあに報告もできていないし、もうしばらく様子を見よう。うん、そうしよう。そうすべきだ。


 ……にしても、よさがわからないという点には少し首を傾げてしまうな。女として長年生きていたことで諸々が女性として定着してしまっていても、前世の記憶があるならそうした趣味嗜好の点でまったくわからないということはないんじゃなかろうか。


「わからないって、本当に? 僕はセティ……いや、ひいじいさんは同類だと思っていたんだけど」

「なんでそうなるんだ。さすがに子供相手にそうはならねぇよ」

「いやだって、結婚したときひいばあさんは十五歳だったって聞いてるぞ。僕ほどではないにせよ、セティにだってそういうケはあるはずだと思って……」

「……? 十五は婚姻適齢だろ……何言ってんだ」

「そうだった時代が違うんだった!」


 現代だと十八歳からだけど、時代が違えばそこら辺の基準が違うのも当然だろう。

 ましてや当時は、女は結婚して子供を産むことが第一だった時代。そりゃあ法律に定められている婚姻適齢も、現代に比べれば低いのも当然ですわ。


「というかそもそもの話、紫乃と結婚したのは俺に赤紙が来たせいで急いで子供作る必要があったからだぞ。俺はもう少し待つつもりだったんだ」

「あっ、すいませんそのエピソードは初耳です……。僕が悪かったですすいませんでした……」

「え、いや、何もそこまで卑屈にならずとも……」


 そして追撃と言わんばかりに繰り出される、ジェネレーションギャップの剛速球。カスみたいな勘違いしていたことも相まって、僕は小さくなることしかできなかった。


 ただのジェネレーションギャップなら耐えられたけど、戦争絡みとなるとさすがに罪悪感が勝る。

 迫る軍靴の音に追い立てられて、急いで結婚して子供作って……しかも最期は出征先で戦死だろ? 知らなかったとはいえ、それを茶化すのはダメだろ……人として……。


「……ったく、しょうがねぇなぁ」


 僕が罪悪感でしょんぼりしていると、向かいでセティがそう言った。

 そうして彼女は、お湯をかき分けながら僕のほうに寄ってくる。さらに彼女の小さい手が、折りたたんでいた僕の足を伸ばすように促してきた。


 ……え?


「ふむ……椅子としてはまあまあか」


 僕が何か言う間もなく、セティは胸を背もたれにして身体を預けてきた。伸ばされた僕の太ももに座る形で。


「せ、セティ!? ちょっと!?」

「ふふん、俺の身体がイイんだろ? なんでそう落ち込むのかわからんが、これで勘弁してやるから。な?」


 薄くて細いのに、びっくりするくらい柔らかい肌の感触が僕を襲う。その事実が僕の心を大いに狂わせる。

 何をされているのか理解したのに、いや理解したからこそ、僕は反射的に身体を動か……そうとして、セティが転がり落ちやしないかを懸念して硬直した。それでも慣性によってばしゃばしゃとせわしなくお湯の水面が波立つ音が、浴室いっぱいに響き渡る。


 大慌ての僕に反して、セティはなぜか得意げだ。僕の胸元に頭を預け、ぐいと上を向く形で僕の顔を見ながら、笑って見せたのである。白い歯を見せながらのそれに、にひひというオノマトペが付随して見えた。


 ぐうーーッ! やめてくれ、そんな僕の性癖に全力で会心の一撃を見舞うのは!!


 しかしおかげで、おれはしょうきにもどった! いや、一周回って冷静になったと言うべきかな。


 僕は目を閉じて一度大きく深呼吸をすると、壊れ物に触れるようにそっとセティの身体を持ち上げて、俺の太ももの上からどかした。


「セティ……正直言って素晴らしいご褒美だけどね。あんまりこういうことはしないほうがいい。もっと自分を大事にするべきだ」


 そして心底真面目にそう言ったのだけれど、セティは見返り美人よろしく振り向いた体勢で、どこか不満げに唇を尖らせる。


「なんだよ、からかいがいのないやつだなぁ」

「お生憎様。これくらいのことでうろたえるほど、子供じゃないんだよ」


 まあそれはつまるところ、子供だったら……具体的に言うと十代の頃だったら、どうなっていたかわかったものじゃないわけだけれども。

 今ここでセティと相対している僕は、二十七歳の大人なのである。この程度で動揺はしない。


 正確に言うと、動揺が収まったわけじゃない。ただそれを、表に出さない程度の人生経験はあるということだ。

 恋愛経験ではないところがミソ。でもそういうのは、言わなければわからないからね。これも駆け引きの一環さ……!


 内心でそんなことを言い放ち、勝ち誇るように笑みを浮かべる僕である。なんで駆け引きをしているのかは気にしたら負けだ。


 ところがそんな僕に向きなおりつつ、セティは視線を下に向けた。


「……息子をおっ立ててなきゃ、説得力あったんだがなぁ」

「セティも元男なんだから、単純な物理的刺激でも元気になり得ることくらい知ってるでしょうがぁ!」


 そうして出てきた言葉に、僕は股間を隠しながら浴槽の隅に逃げるように身を引いた。もっとも浴槽は決して広くはないから、ぎゅうぎゅうと浴槽の壁部分に身体を押し付ける形になったけれど。


 というか、文字通りの急所にぶっこんで来るのはルールで禁止スよねぇ!?

 そもそもまだ完全体じゃないし! 五割も行ってないくらいだし! 本当だし!


「そりゃあ知ってはいるが、どうだかなぁ~? 俺はお前の好みど真ん中らしいからなぁ~??」


 ところがセティは笑みを増すばかり。それどころか、その顔でずずいと迫って来る始末。


 その瞬間、僕の中のブレーキは吹き飛んだ。こっちは専守防衛に努めていたのに、それでも引かずに押しかけてくるというのであれば、こちらにも考えがあるぞ。

 必ず、この邪知暴虐なロリババアをわからせてやらねばならぬと決意した。目には目を、歯には歯を。からかいにはからかいを。


 だから僕は迫ってきているセティの身体を逆にぐいと抱き寄せると、胸中に収めた彼女の子供らしくまろい頬に手を当て、今は役者の幼馴染からかつて教わったイケボの出し方を思い起こしながら、耳元でささやく。もちろん、顔もできる限りキリッとしたものを作ってだ。


「ぉわっ!?」

「まったく、君はいけない子だ……。自分が魅力的な女の子だということが、まったくわかっていないようだね?」

「お、おおお、おうっ!?」


 するとセティは、目に見えて動揺し始めた。入浴中で血の巡りがいいから普通に顔は赤いんだけど、それ以上の勢いで顔が真っ赤になっていくのが見える。


 ふっ、やはりこの手の押せ押せタイプのキャラは、押されると弱いのが定石……!


 僕はこの手ごたえに気をよくして、さらに攻め込むことにした。


「そんな子にはお仕置きだよ。この小さな身体に目いっぱい教え込んであげるから、覚悟しなさい」


 そうして僕は、セティの唇に顔を寄せ──思いっきり横っ面をぶん殴られて壁に顔から突っ込んだ。


「おぐぇ!? な、何をするだァーッ!」


 恐らくは魔力が込められていただろう一撃は重く、僕の頬は普通にバチクソ痛い。壁に顔面をぶつけたのも痛いけれど、こっちのほうが痛い。


「そ、それはこっちのセリフだ! いきなり何しようとしてんだこのドスケベ野郎が!」

「直前まで自分がやってたことをよーく思い返してみようね!?」


 自分を棚に上げてなんという言い草だよ。僕は悪くない! これには天国の紫乃ばあもそうだそうだと言っているはず!


「そ、それはその、ええと、そのぉ……あー……」


 ただそこは自覚があるのか、しどろもどろになるセティ。しばらく大して意味なさげに両手を左右にぱたぱた動かし、目を泳がせて黙り込んでしまう。


「も、もういい! 俺もう上がるからっ!」


 やがてそれも気まずくなったのか、彼女は大げさな動きで浴槽から上がろうとして。


「ひゃっ!?」


 浴槽の外の床に足をつけた瞬間、見事に滑って転んでしまった。漫画だったら、かなりのデカ文字で「つるんっ」と書かれているやつだコレ。それも見開きとかでバーンと描写されるような。


 ……って、漫画家目線でアホなこと考えている場合じゃない! 浴槽の縁で、後頭部を直撃するコースだコレ!!


「危ない!」


 幸いなことに、僕が手を差し伸べるのが間に合って事故は避けられたけど。相互の体勢の関係で、互いの視線が至近距離で絡み合うことになってものすごく気まずい。

 セティのほうも似たようなものらしく、僕たちはしばらく動けないまま視線を合わせて無言で見つめ合っていた。心臓の音がうるさいのは、さてどういう意味合いでだろうか。


「ええと、その……セティ? 君は合計で百年以上生きてるんだから、もう少し落ち着きというものをだね……」

「お、おう……面目次第もねぇ……」


 その状態から先に言葉を発したのは、僕だった。これをきっかけにして、セティものろのろと体勢を戻してこちらに向きなおる。


「……その、悪かった。俺がやりすぎだった……」

「いやうん、僕も僕で返し方がちょっとアレだったし……」


 ここでそれはそう、と言い返すことはできるけれど、それじゃあセティも気分悪かろう。なので僕も僕で悪かったよね、と言うことでこの件は手打ちにしようと思う。


「殴っちまってすまねぇ。痛くないか?」

「痛いは痛いけど、これくらいどうということはないよ。僕よりもセティにケガがなくてよかった」

「お……おう、支えてくれて、ありがとな……ウン……」


 セティもそれは理解できたのか、もう一言二言謝りあって、僕たちは仲直りした。

 いやまあ、仲たがいというほど反目したわけでもないんだけれどね。そこはなんというか、気分の問題というか。


「んじゃ、その……俺、先上がってるから……」

「わかった。バスタオルは覚えてるよね? きちんと身体はふくんだよ。服も用意してあるからね」

「わかってらぁ」


 その後セティは宣言通り風呂から上がり、浴室には僕だけが残された。


 短時間に色々あったなぁ……と思いながら、ずるりと尻を滑らせて肩まで湯につかる。思わず出たため息が、お湯の表面をゆらりと波立たせた。


 そうして改めて思う。やっぱり僕はセティのことが好きだなぁと。

 先ほどはやり返すために気取ったことを言ったけれど、あれはほとんど僕の本音なのだ。だから演技のつもりなんてなかった。


 我ながら業が深いと自覚はしているものの、彼女の見た目だけでこんなことを言っているわけじゃない。


 魔力がろくに残っていないのに守ってくれたカッコいい姿や、不可抗力なことでも自分が悪いと思ったら謝れる誠実で律儀なところとか。

 案外ノリがいいところとか……絵と科学技術という対象は違えど、僕と同じく好きなことになると前のめりになるところとか。


 僕はそういう、彼女の内面にも惹かれたのであって……。きっと紫乃ばあもそうだったんじゃないでしょうか……。


「おーい優一、ふんどしはどこにあるんだ?」


 などと考えていたところ、戻ってきたセティがそんなことを言うものだから、うっかり脱力した僕は一瞬湯船に沈んだ。

 この後慌ててショーツという下着の説明を、よりにもよって好きな女の子にする羽目になった僕の心境を、どなたかわかっていただきたいものである……。

どうもこんにちは、ロリババアは攻めに弱ければ弱いほどいい派閥のものです。

いやまあ、攻めっ気抜群なロリババアもそれはそれでおいしくいただけるんですけれども。

まあ要するに、かわいくてえっちなら大体イケるってことございます。


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