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異世界大使館はじめます  作者: あかべこ
27:大使館は喧嘩を買う

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27-1


「……お土産をください」


冬休みが終わり、大使館に戻ってきて一番に夏沢が口にしたのは俺達の伊豆土産への要求だった。


というか何故関西イントネーションでそれを言った?お前確か関西圏の人間じゃなかったよな?


「言うに事欠いてそれかよ」


「大使に名探偵津田モノマネ通じてませんよ」


深大寺の指摘でこれが流行りネタのモノマネだという事は察したが、どっちにせよ俺が知らないコンテンツなので意味はない。そういうのは通じる奴に通じる文脈でやってくれ。


「通じないかー、同期にはウケたんですけどねこのモノマネ」


「そんなこと言われても分からんものは分からん」


「で、お土産あります?」


そう言って手を出してきた夏沢に用意した紙袋を手渡すと、よっしゃー!と言いながらさっそく中身を確認し始める。


「お、いいですねぇ」


みかんワイン・地ビール・わさびやサクラエビのスナック3種類というお土産チョイスは正解だったようだ。


「じゃあ私ちょっと呑んできます!」


「先に予算申請手伝って欲しいんだが?」


「嫌でーす!」


さっさと逃げ出していった夏沢への突っ込みたさと、しかし本人からすれば休みを削ったのだから大目に見てやるべきか?という気持ちが脳内で天秤にかけられる。


そして、夏沢の性格上無理矢理休みを返上させられたことへの不満はデカい。ここで無理に手伝わせてキレられるよりは大目に見てやる方が後々響かないで済みそうだ。


となると他に手伝ってくれる人員は?と周囲を見渡すが、嘉神は溜まっているルーチンの仕事を片付けに行っている。外務省メンバー以外も他の仕事に追われているようだ。


「石薙さんは外務省だっけ?」


「そうですね。僕らの方で追加の予算申請書作ったらすぐに工事に取り掛かれるように動いてくれてるみたいです」


「……深大寺、手伝ってくれるか?」


「わかりました」




****




申請書を届けて3日ほどで大使館の監視カメラの交換および大使館内の新しい電気設備の追加が行われ、監視カメラの設置とともに長らく放置されていた太陽光パネルと大型蓄電池の設置と館内配線工事などが行われることになった。


「だいぶ今更感ありますよね、太陽光パネルの設置……」


嘉神は上から聞こえてくる太陽光パネル設置工事の騒音に愚痴をこぼすが、設置してくれるだけありがたいのも事実だ。


異世界と日本の交易の本格化に伴い大使館での自家発電の必要性が上がり、ようやく上の人たちにも理解されて来たからこそできる事になったと言う側面もある。


「足漕ぎ発電機を併用しながらワードやエクセル使わなくても良くなるだけマシだけどな」


「もう少し早く予算が降りて欲しかったですよねえ」


この話をするとどうしても愚痴っぽくなってしまうが、なんせ5年以上放置されて来た案件なのだからそりゃあ文句のひとつも言いたくなるのが人情だろう。


今回設置される太陽光パネルだけで大使館内部の電力が全て賄えるかは怪しいが、大使館内で使われる照明・パソコンやスマホ・印刷機の稼働に必要な分は賄える見込みだ。


「これで電力足りなくなったらどうします?」


「そもそも最初から足りないだろ、だってエアコン無いんだぞ?」


金羊国は夏暑く冬寒い気候で、大使館メンバーたちは皆夏は暑さに文句を垂れ・冬は寒さに震えながら仕事をしているのが現状だ。


しかし今回エアコンの設置は見送られている。


「……確かに」


「実は提出した申請書にエアコンも入れたんだが『別に冷暖房がないと死ぬ訳じゃないので業務に不要』ってそこだけ却下された」


「現地を知らない人は遠慮がないですね……」


「本当にな!」

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