プル子の姿が変わる
2026/05/10日にて、第一章へ冒頭シーンを追加しました。
配信者として成功している様子を、少しだけチラ見せしています。
ストーリーに大きな変更はないので、もしご興味があれば、見ていってください。
17時までひたすらプル子をメインにスライムと戦わせ、黒宮がトドメを刺すスタイルで戦った。
あいかわらず良心が痛んでしまうも、せっかくのテイムスキルなのだ。
主人の安全第一で行動するのが安定だろう。
現にプル子のおかげで、危ない場面はなくダンジョンを出た。
受付の大きな機械に魔石を入れると、自動でお金が出てくる。
スライムが落とした魔石は合計で60。
金額は6000円であった。
「まあ、ちょうど飯代になる」
体を動かして、モンスターを狩って、金を稼ぐ。
そして強くなる。
まだLV2だが、夏休みはまだ長い。
黒宮は充実した気分で、スーパーへ寄った後、家へと帰った。
マンションの一室。
部屋の中には誰もいない。
中学時代は両親に渡された金で、適当に弁当を買って飯を食った。
今は自分でバイトをして、メシを食うようにしろと言われている。
両親はいつも家にいなくて、各々好きにしている。
父親はギャンブル依存。
母親はホスト狂い。
どちらも子供のいる大人とは思えない、尊敬のできない両親であった。
「おし。明日もダンジョンへ行くか」
☆
朝の8時に家を出ようと、玄関へ行く。
すると眠そうな顔をした、化粧をしていない母が現れた。
「なにアンタ、もう出かけるの? 夏休みでしょ?」
「ダンジョンへ行く」
「ダンジョン? ふうん」
興味なさげな声。
「儲かっているの?」
「昨日はこれ」
機械が出した査定書を見せる。
「6000円……すくなっ」
「駆け出しだからね」
「アンタこれで、月2万円入れられるの? こんなのやるなら、派遣バイトとかやりなさいよ」
メシ代を自分で出すのと、携帯の通信費、そして家へ2万円入れるのがルールであった。
「大丈夫だよ」
「まあいいけど。ダンジョンで大けがしても、治療費は出してあげないわよ」
その言葉に、胸のどこかが冷たく沈む。
昔なら傷ついたかもしれない。
でも今は――もう期待していない。
(こんな両親なんだ。俺は俺の力で、早く生きられるようにならないと)
そう思うと、むしろ心が軽かった。
黒宮は玄関のドアを開けた。
☆
そんなことがありつつ、今日もひたすらプル子をスライムへぶつけまくった。
プル子は文句ひとつ言わず、それどころか黒宮にスリスリしたりして、とてもよく懐いてくれている。
忠誠心も着実に上がってきているので、戦わせまくっていることに、疑問はもたないのだろう。
ダンジョンで戦い、プル子を鍛える感覚に、作業感はなかった。
充実感。
暗い家族の部屋とも、ウザいやつがいる学校とも違う。
ここでの戦いは、黒宮にとってパラダイスであった。
そして――17時になって、そろそろ帰ろうかと思った時。
プル子のレベルが上がった。
――――――
プル子 LV2→3
攻撃 3→4
防御 3→5
魔力 3
精神 3→5
俊敏 3
忠誠心 19/100
――――――
プル子が震えた。
体が波打ち、内部から赤い光が漏れ始める。
「プル子……?」
返事の代わりに、光が一気に弾けた。
眩しさに思わず腕で目を覆う。
光が収まった時、そこにいたのは――
赤いゼリー状の、身長一メートルのスライム。
ぷるん、と重たげに跳ねて、黒宮へすり寄ってくる。
「でか……いや、進化したのか……?」
触れると、ほんのり温かい。
青い頃よりも弾力があり、内部の魔力が渦巻いているのが分かる。
ステータスを開くと、数字が跳ね上がっていた。
そしてプル子が変わらず、足元へすり寄ってくる。
ただ結構大きくなったので、少しだけ迫力と重量感がある。
ステータスをオープンすると、プル子の数値はさらに伸びていた。
――――――
プル子 LV3
攻撃 4
防御 5→9
魔力 3
精神 5→9
俊敏 3
忠誠心 20/100
スキル 硬化
――――――
「スキル……? なにか出来るようになったのか」
新たな可能性に、黒宮はテンションが上がった。




