プル子と共同戦線
再び遭遇したスライムへ、プル子を戦わせた。
ただし今度は、途中で退却させる予定だ。
お相撲のごとく、どすんっ! どすんっ! と迫力満点に3回ぶつかり合ったあと、声を上げる。
スライムはゼリーで表情もないので、危険な状態なのかどうか、イマイチ判断がしづらい。
だが先ほど、5回ほどぶつかり合ったあとに、ぐったりしていたような気がしたので、3回で下げようと判断した。
「プル子、下がれ!」
プル子はダメージを負った様子で、ズルズルと下がる。
戦っていた相手のスライムも、似た感じでズルズルと体を引きずりながら逃げた。
両者共に、弱っている様子だ。
先ほど人懐っこくしていたプル子が、脳裏をよぎる。
(うっ。なんだか、罪悪感がわく)
戦闘不能にさせていたのもそうだが、少しでも可愛がってしまうと、戦わせることに心が痛む。
ましてや今、黒宮が弱ったところを安全にもっていくという、ご主人様安全スタイルだ。
(ご、午後からは俺が前に……いやいや、俺は死んだら終わりだ。対してスライムは復活する。心を鬼に……心を鬼に……)
しかしそれでも、胸の痛みは消えなかった。
とりあえず、プル子が身をていして弱らせてくれたスライムへ近づく。
「逃がさん」
ナイフを取り出し、弱ったスライムを難なく撃破した。
ダメージを負ったプル子はどうしたらいいかわからないので、とりあえずカード化させてみる。
『プル子 完全回復まで 0/500』
どうやら、500秒待つようだ。
「ううっ、ごめんな。ダメージ大きいよな……」
聞こえているかわからないが、謝る。
そしてレベルは上がらず。中々に育成が大変そうである。
そもそも、本当に戦わせてLVが上がるのか。
「いや。諦めずに続けてみよう」
そんな独り言をこぼしながら、再び歩き出す。
あとは同じことの繰り返しであった。
スライムと出会い、プル子を戦わせ、黒宮がトドメをさす。
心が痛む。
夢中で戦い続けると、時刻はあっという間に13時となり。
10体目のスライムを撃破した時、システム音が告げた。
念願のレベルアップである。
――――――
黒宮 健 LV1→2
攻撃 4→7
防御 4→7
魔力 4→7
精神 4→7
俊敏 4→7
スキル:捕獲
――――――
――――――
プル子 LV1→2
攻撃 1→3
防御 1→3
魔力 1→3
精神 1→3
俊敏 1→3
忠誠心 5→7/100
――――――
「おお、仲間に出来る上にレベルが上がるのか。なんかこうやって一緒にいると、愛着湧くな」
足元へすり寄ってくるプル子を、しゃがんで軽くなでてやった。
「うし。この調子で次も……の、前に。昼飯食いにいくか」
腹が減ったので、適当にチェーン店でなにか食べようと思い立った。




