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神様からのいらない贈物  作者: ケンケン
戦いの終わりと闘いの始まり
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第96話

 これまでと変わらず突撃を掛けてきる優樹。


 真は今度は油断も慢心もない。仕掛けてくる突撃をなんとかギリギリのラインで躱していく。それでも優樹は愚直に何度も突撃を掛けてくる。

 そんな突撃を何度も躱しているうちに真は気が付く。


 優樹は基本的には突撃を掛けてくるだけだ。突撃以外を仕掛けてきたのは一度だけだ。その一撃はあまりにも不意を突かれてまともに食らってしまったが……。


 食らったことを思い出し真の心の内は悔しさが滲み出てくる。


 (くっそー思い出したら余計に腹が立ってきたじゃないか)


 (それは慢心だから仕方がないんじゃない)


 不意に掛けられた声に真の動きが多少ではあるがぎこちなくなる。実力の差があるのであれば大したことではないのだが、実力が拮抗している相手だとそうはいかない。

 その一瞬を突かれ真は優樹の突撃をまともに食らってしまいそのまま二人は床に倒れこんでしまう。


 真は掛けてきた人物に文句を言いたい衝動をそこそこに、組み付いてくる優樹を今度は関節等を極められないようにしっかりと捌いていく。

 優樹は組み技には自信があるのだろう。真に難なく裁かれていくにつれ表情がどんどん険しくなっていく。

 それに伴い優樹の行動もだんだん雑味を帯びていく。そうなってくると真としては好都合になってくる。


 真は一瞬のスキを突いて優樹の鳩尾に拳を添える。そして溜めた力を一気に開放する。

 

 俗に言う寸勁と言う技だ。


 知識としてなかったのであろうまともに食らった優樹は胃液をぶちまけ真から離れ床で悶えている。

 

 真はすぐに立ち上がると追撃を掛ける。それにはすぐに優樹も反応する。足で踏みつけてきた真の足を寸でのところで何とか転がりながら躱し優樹も立ち上がる。


 だが優樹の方のダメージは深刻のようで今は胃液の代わりに口の端からは血が流れてきている。


 真の方は優樹の様子は気に留めていなかった。なぜなら真の視線先の観客席に先程の原因となる人物がいたのだ。

 真はその人物を睨みつけ


 (邪魔すんじゃねーよ)


 (あら。ごめんねー)


 返ってきた言葉に真はイライラを募らせていく。


 だがそこだけ構っている訳にはいかない。すぐに気持ちを切り替え優樹に視線を戻す。その時にようやく優樹の状態を確認する。


 確認した瞬間、真はすぐさま行動を起こす。

 今度は真の方から突撃を掛けていったのだ。それには優樹も面を食らったようだ。驚いた顔を見せる。


 そんな表情も一瞬だ。


 優樹は先程のダメージは抜けきっていないのであろう。真の突撃を躱すことは出来ずまともに食らってしまう。先ほどとは逆の光景だ。


 そして仕掛ける技もまったく逆の立場になってしまってる。

 真はなんと寝技を仕掛けていったのだ。


 打撃技を気を付けていたのであろう。勇樹はあっさりと真に腕を捕られてしまう。そして真はそのまま関節を極めようとするのだが、そこで真にとって予想外の事態が起こった。


 真は流れる様に腕を極めたのだが優樹の表情を確認することができたのだが、その表情から痛がる様子が全くなかったのだ。

 真はさらに極めようと優樹の腕に更に力を掛けるのだが優樹には全く変化がない。

 そして優樹から発せられた言葉に更に驚くことになる。


 「残念だったな。俺に関節技は効かないんだよ」


 優樹はそう言葉を発すると同時に何事もなかったかのようにするりと真の腕から逃れて行ってしまった。


 そのまま二人は立ち上がり向かい合う。真は動揺を隠せないようで、それは表情からしっかりと読み取れるのが解るほどだ。


 「あっはっはっはっはっ。そうなってしまうのもしょうがねーよな。けど事実だから諦めてくれや」


 真の表情から察したのであろう、面白そうな物を見つけた顔で真に言ってきた。


 その言葉に真は言葉を失ってしまう。

 まあ、言葉自体を言うことは無いのだが。

お読みいただきありがとうございます

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