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神様からのいらない贈物  作者: ケンケン
戦いの終わりと闘いの始まり
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第95話

 すぐさま真は考えを修正する。もちろんこんな最中にゆっくり考えるわけではなくほんの一瞬でだ。


 優樹の方はすぐさま真の懐に飛び込もうと身を屈め突っ込んでくる。

 真は最初の飛び込みを横によけて躱し、そして躱しざまに回し蹴りを放つ。しかしその回し蹴りは優樹には読まれていたようでしっかりガードをしていた。

 そして優樹はすぐさま方向転換すると再び真に突っ込んでくる。

 今度は流石に真も躱しきれないと悟り受け止めようと腰を落とし待ち構える。


 だが、優樹の次の行動は真に予定外の物であった。

 なんと優樹はそのまま体当たりでもしてくるかと思いきやその行動は違った。

 身体全体を全店させて踵落としをしてきた。前転踵蹴りだ。


 全く予想していなかった優樹の打撃の攻撃。それには真も油断と言って間違いないだろう。その蹴りを顔面にモロに食らってしまう。


 蹴りを食らった真はそのまま前から床に倒れこむ。勇樹も出した後なので床に倒れているがその後の行動は優樹が素早かった。

 倒れている真に飛びかかるとすぐさま真の腕を掴むと関節を極めようと寝技に持ち込もうとする。

 痛みがある中真も優樹の行動にすぐさま反応し、腕を捕られながらも関節だけは極めさせまいと必死に拳を繰り出し抵抗をする。

 

 だが優樹は真の拳など意に介さない。なんとしても腕を極めようと何度も試みてくる。

 真も殴っていては埒があかないと感じ、捕られている腕を外すことを試みる。力だけではなく態勢を少しずつではあるが取れやすいポジションにもっていく。

 

 そして優樹の腕の掴みが一瞬緩くなったと感じ、今度は拳ではなく優樹に届く足で膝蹴りを身体に叩き込む。

 それには流石に優樹も痛かったようで苦悶の症状を浮かべる。それにより優樹も力が緩んだところで真は今度は力で捕られていた腕を引き抜く事に成功する。

 そしてすぐさま優樹から離れ立ち上がる。

 外された優樹の方もすぐさま立ち上がりお互いスタンドの状態に戻る。


 両者が立ち上がった段階で会場からはどよめきが起こる。

 

 何に対してかと言うと……


 真の額の所から大量の血が流れているからだ。勇樹が繰り出した前転踵蹴りによって額の皮膚が切れたようでそこから血が流れているのだ。

 真の顔の三分の一ほどが流れる血によって染まっていく。


 なぜここまで会場がどよめきが起こるのかはという答えは簡単だ。今まで真は傷らしい傷を負うことなく相手を倒してきたからに他ならない。

 それがいきなり傷を負ってしまえばどよめきも起こってしまうのは必然であろう。


 真と優樹は会場の様子など関係は無い。

 優樹はすぐさま再度飛び込みを計ってくる。今度は優樹だけではなく真も優樹に向かって飛び込んでいく。


 真は優樹の打撃にも備えながらも拳を繰り出し牽制していく。勇樹も今度は真のどこかを掴もうとはせずに打撃技で応戦する。 

 お互い拳や蹴りを繰り出しながらもガードし躱しながらお互いの隙を窺っていく。


 真と優樹の乱打に会場はどよめきから一変大歓声が巻き起こる。


 何発もお互い繰り出すが決定打になる様な打撃は出ることは無く、優樹が右回し蹴りを繰り出したところで真は距離をとる。

 そして、真は額から流れてくる血を目に入らないように拭う。


 「なかなかいい面になったじゃねーか」


 優樹は真の血が流れているところと同じ場所を自分の顔で指さし言ってきた。


 「…………」


 真は憮然とした態度で切れている額を再度腕で拭う。そんな真を優樹は笑いと驚きが混然一体となった顔で再度話しかけてくる。


 「それにしてもお前との殴り合いはやっぱり分が悪いな。まさかアレを出して何ともなさそうに戦うなんて驚きだぞ。痛くないのか?」


 アレとはもちろん前転前蹴りの事だ。


 (痛いに決まっているんだろう―が)


 真は内心痛いことは痛いのだがそれを表情に出すことは無い。どうやらそれが優樹には何もなかったように見えてしまっているのだろう。

 そして真は優樹の問いかけには応えるつもりは一切なかった。


 話しかけてくる間は優樹にとってもいい休憩になるが、今の真にとっても願っていないことなのだ。応えるつもりがなくても真は内心ではもっと話しかけて来いと願っていた。


 「相変わらずだんまりか…………。まあいい言葉じゃなくてこっちで語ろうか」


 そう言うと優樹は再度突撃を掛けてくる。


お読みいただきありがとうございます

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