聯合艦隊解散之辞ー弐
12月24日、
恐らく、
いや、世間一般ではクリスマス・イブというべき日である
日本史上最悪の経済状況で迎えたこの日は
不景気には似合わない程に市区町村、都道府県は盛り上がっていた
戦後の日本の闇市の様な賑わいを見せる商店街
新造された当時のようにお客で溢れかえるデパート、モール、
それぞれがそれぞれの思いで過ごすクリスマス・イブ
そして、彼女たちもそれぞれの思いで過ごす
我々は、
現在、哨戒任務を終わらせたばかりの空母 翔鶴 を見てみよう
停泊地を目指し東京湾を奥へ奥へと進むこの空母は
世界に類を見ない自衛成長をした日本の空母である
そんな空母の一室に彼女たちはいた
「最近、岩本はんとはどやねん?」
リンゴの皮をむきながら赤城が言う
「先輩のおかげで順調ですよ」
冷蔵庫からラムネを取り出す翔鶴
「せやなぁ、とりあえず、ケーキ持ってくるから待っとてぇな」
リンゴをむき終わった赤城は自艦へケーキを取りにもっどた
「リンゴのうさぎかぁ、」
シャリッと一つ口に放り込む
その時、
「ふぅ~、飛行甲板の雪で冷やしたワイン持ってきたぞ」
雪まみれの岩本が入ってきた
当然、びっくりした翔鶴はそのままリンゴを飲み込んだ
「!!ッ」
そして、見事にのどに引っかかった
しかも、口の中と喉の中途半端なところに引っかかる
ちなみに、その部分は指を突っ込むとオエッ!となる部分
ここで、赤城がナイフとケーキを持って登場
「どしたん?」
そう言って岩本から事情を聞く
そうするとやるべきことは一つ
「岩本はん、合図任せるで」
そう言って、翔鶴の口を無理やりこじ開ける赤城
「いいですか、赤城さん、トツレッ!!」
メガホンを使う岩本
「ト連送用意ッ!!」
流石に意味がわかった翔鶴は最後の足掻きに入った
「大丈夫や!うちなんて金剛に日本刀呑まされたやで!」
慌てて説得する赤城、あまり説得できていない
「・・-・・、・・-・・、・・-・・、・・-・・、・・-・・、」
ホイッスルをモールスに見立てて吹く岩本
「デヤィッ!!」
ブスッ!!
「ガホッ!!ゲホゲホ!」
丸ごと飲み込んだが、何とか一命を取り留めた翔鶴であった
「ヤッター!!取れたで!!・・-・・・・・、・・-・・・・・、・・-・・・・・、」
何故かホイッスルを吹き始まる赤城
「殺す気かぁーーーッ‼岩本ッ‼」
胃の中に違和感を覚える翔鶴
「俺じゃないッ‼赤城さんがやれってッ‼」
濡れ衣を着せられる岩本
「関係ないッ‼とりあえず殺すッ‼」
流石の岩本も殺気に気がつく
「あんたら、お似合いやで」
ケーキを切りながら赤城が言う
「赤城先輩もッ‼人ののどに指を突っ込まないッ‼」
そう言うと部屋を飛び出した
「あの子、昔と変わったなぁ」
そこへ、岩本が食い付く
「特に何処が?」
素朴すぎる疑問である
「明るくなったんよ、ちなみに、あの子ああ見えて恥ずかしがり屋なんよ」
いわゆる、ツンデレと赤城は言った
「まあ、あんたに任せたわとりあえずケーキ用意して待っとるで」
そう言うとケーキを切りだす赤城
さて、
翔鶴は何処に行ったんだろう?
真冬の艦橋は冷え切っていた
停泊中の為に誰一人いない、その為暖房器具は切ってあった
そんな、冷め切った部屋に一人の女性が居た
「うわ、寒ッ‼」
今思えば、厚着してくるべきだったと、後悔する翔鶴
「日本酒持ってくるか」
そう言って艦橋を出ようとしたその時、
「いや~、飛行甲板は寒いなぁ」
艦橋に雪だるまが現れた
「ん?岩本?」
目の前に立つ翔鶴が言う
「ほれ、日本酒だ」
ポケットから小さなボトルを取り出した
「かたじけない、」
一礼して日本酒を受け取る翔鶴
「はは、東京は輝いてるな」
輝く東京を見て岩本が言う
「そりゃ、クリスマスだからな」
ボトルの日本酒を飲みながら翔鶴が言う
「何か欲しいもんはあるか?」
翔鶴の横に腰をかける岩本
「......貴殿のkiss」
頬っぺたを赤くさせて翔鶴が言った
「...こんな老いぼれでよければ」
その瞬間、
翔鶴の顔の前には岩本の顔があった
そして、二人のシルエットは東京の明かりに祝福されるように重なった
作者:う~ん、
翔鶴:雑すぎないか?
作者:いや、ちょっと、自分でも始めての書き方だったんだよね
翔鶴:編集をいちいち使うから忘れるんだよ
作者:ごめんなさい
赤城:水城の士官先生からリクエスト~
作者:ん?どれどれ、
赤城:次はうちやで~
作者:そうみたい
武藏:では、また今度、Have a nice day




