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星を一緒に見ていたい  作者: 電気の土星
第一章:一番星
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第22話:休日の終わり

先輩と流星群を見たあと、私は床に敷かれた布団で横になる。ほんとは先輩と一緒に寝たいけど、私にそんなことを言う勇気はない。

「ねえ恵那ちゃん。」

「はい。どうかしましたか?」

先輩は少し恥ずかしそうに口を開いた。

「恵那ちゃんが良ければなんだけど、一緒に寝ない?つま先とか冷えちゃって。」

「良いんですか?もちろん一緒に寝たいです。」

考えるより先に答えた。私が言おうか迷っていたことを先輩の方から提案してくれたのだから、この機会に乗らない手はない。

「じゃあお邪魔するね。」

そう言って先輩は私が横になっている敷布団に潜り込んでくる。

「こっちで寝るんですね。」

「恵那ちゃんが落ちたらいけないし。」

優しい。私がしたかったことを汲み取って言ってくれるだけじゃなくて、私のことを気遣ってもくれる。たぶん私は今、人生で一番幸せな時間を過ごしていると思う。

「じゃあおやすみ。恵那ちゃん。」

そう言うと先輩はすぐにすぅすぅと寝息を立て始めた。私は先輩に聞こえないくらいの声で

「おやすみなさい。」

と言うと、しばらく先輩の寝顔を見てから目を閉じた。


先に目が覚めたのは私だった。時計を見ると朝の10時。5時間とちょっとしか寝ていない。私は先輩を起こさないよう慎重に立ち上がった。

先輩は気づいているだろうか。いや、気づかれていないことを願っている。実は先輩が寝たあと寝顔を見ているとどうしようもない欲望と愛おしさに負けてほっぺたにこっそりとキスをしてしまったのだ。気づかれているなら私はもうまともに先輩と関わることはできなくなるだろう。仕掛けたのは自分だが、絶対に気づいていないでほしい。

一階の洗面台で顔を洗って歯を磨き部屋に戻っても先輩はまだ気持ちよさそうに寝ている。普段の疲れか、それとも昨日あんなにはしゃいでいたからだろうか。一向に起きる気配がしない。

(何回見ても寝顔まで綺麗だな…)

そんなことを考えながらまだ少し眠い目を擦った。


私が片付けでカバンをゴソゴソしていると、ようやく先輩が目を覚ました。

「恵那ちゃん…もう起きてたんだ。今何時?」

すこし掠れた声で聞いてくる。普段は寝起きの先輩を見ることなんてないから、すごく新鮮な気分だ。

「今は10時30分です。」

「もうそんな時間?恵那ちゃん何時くらいに帰るんだっけ。」

「私はお昼すぎに帰るつもりです。」

そう答えると先輩は体を起こした。

「恵那ちゃん、おはよう。」

「おはようございます。先輩。」

なんだか少し恥ずかしい。なぜだかわからないけど、それでもすごく心は暖かくて満たされている。

「先輩ってもしかして朝苦手ですか?」

「うん…」

眠たそうに返事をしてきた。私は平日も休日も関係なく7時に起きているから朝はそんなに苦手じゃない。今だってもう完全に目が覚めて、眠気なんて少しも感じていない。

「恵那ちゃんはすごいね…」

「眠いなら寝てて良いんですよ?」

「いや、起きる…。恵那ちゃんもいるし。」

そう言うと先輩は立ち上がって体を左右に何度か捻った。

「顔洗ってくる…」

そう言ってふらふらとした足取りで洗面台へ向かっていった。普段私が学校で見ている先輩はもっとしっかりしていて眩しいけれど、今の先輩はなんだか子供っぽくてそれはそれで可愛くて良い。

そんなことを考えていると先輩が戻ってきた。どこか表情はシャキッとしているように見える。

「恥ずかしいとこ見せちゃったね…」

「そんなことないですよ!むしろ嬉しかったです。」

「嬉しかった?なんで?」

先輩は少し首を傾げた。

「だって、先輩にもそういうところあるって知れたので。」

先輩は恥ずかしそうに顔をぷいっと逸らした。そういうところも可愛い。


私はこの2日間でもっと先輩のことが知れて、それと一緒にもっと先輩のことが好きになった。

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