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護国防衛隊 1


都市を守るための護国獣とスケール4の妖閃禍呑とのにらみ合いは唐突に終わりを迎える。


護国獣に遠目に包囲されスケール4は攻撃するために丸い体の半分ほどまで口を開き、そこへ待ち構えていた遠方から重聖射光が砲撃を加えた。

スケール4のエネルギーは内側から眩い閃光ともに爆発し爆心地を残して跡形もなくなり、護国獣たちはその場に立ち尽くし光となって消えていく。


潰れた草と捲れあがった土の匂いを大きく吸いルツキはその場に膝をついた。


「慣れた護国獣じゃないと……うまく動かせないわね……。ユウスイになんて伝えようかしら、きっとどんな感じだったか聞いてくるでしょうね。はぁ、目がかすむわ。ああそうだユウスイ、連絡しなきゃ」


アースライトの欠片が光となって消え敵が居なくなり静かになった土地へと防衛隊の車両が向かう。

遠くでは数機の戦闘ヘリがスケール1の残りがいないかを警戒のための飛んでいるのが見え戦闘が終わりに護国獣化を解きルツキもその場に座り込み無線機に手をかける。


「ユウスイ終わったわ他はどうなっているの全部終わったのかしら、ユウスイ? もしもし隊長? ねぇメノウ誰とも連絡が繋がらないのだけど? どうしたんだろう、通信ができない。もしもしお姉さま? お姉さま? ……近くにいても通じないわね、どうしたんだろう」


無線機の不調に首をかしげながらもルツキは向かってくる車両の一両に乗せてもらい基地へと向かう。


「通信機を貸してもらえないかしら? 私のサポートチームと連絡が取りたいの」

「すみません、なんかわからないのですが皆の通信機がうまく機能していないようでこの車両の無線もつながりません」


運転手以外に二人防衛隊員が乗っているが基地や仲間と通信できないと皆が首を振る。


「ヘリは飛んでいるようですけど? 通信もなしに大丈夫なのですか?」

「あれらは発光信号で連絡をとっています。もちろん戦闘は行わず上からの目として隠れているスケール1などがいないかを探しているだけです」


「そうなんですね」


ルツキは軽傷だが一緒に回収されたエイアは気を失っており担架に乗せられ呼吸器をつけていた。


「エイアお姉さま」


額に大粒の汗をかき眉間にしわを寄せる彼女の汗をぬぐう。

護国獣化を解き力を失い地面に倒れた拍子に付いたであろうエイアの赤い髪に付いた落ち葉を優しく払うルツキ。


基地へと帰る途中で別の護祈が暴れており怪我をさせないよう複数の防衛隊員にさすまたで取り押さえられているのを見た。


「これで全部終わったのね、しばらくは戦えるお姉さまが減ってしまうだろうしまた頑張らないと……ハクマ君はちゃんと治療受けられたかしら。カヅキは早く怪我を完治してもらわないと困るわねぇ」


大きく息を吐き硬い背もたれにもたれかかるとルツキは破壊された車両や建物があげる黒煙を眺め、空を流れる雲へと目を向ける。

疲労からウトウトし始め基地に着くまで少しの間ルツキは目を閉じようとすると急に車両が減速し始めた。


「民間車両!? 止まれ、ここはまだ立ち入り禁止だ」


車両は停車し運転手は拡声器を使って民間車両に注意を呼びかけようとするが、都市の方角から向かってくる車両は何十台とやってきていた。

制止を振り切りとても速い速度で車線もお構いなしに車両の横を通り過ぎていく民間車両。


「なんだ、大桜山都市からきているのか?」

「まだ、保護できていない護祈がいるかもしれない。止めなきゃまずいんじゃないか?」


多くの車両が隣を走っていき道路の隅を入って後続が追いつてくる。

後ろから人が降りてやってきて運転席の窓を叩いた。


「これは何だ何が起きてる?」

「わからない、都市の方からきているようだが。そっちは基地と連絡はついたか?」


防衛隊員の話を聞いているルツキの胸がざわつき無意識に借りてきた変換機を握り都市の方を見る。




半透明のオレンジ色の巨躯の回転を止めようとするハクマの影刃青輝。

動く隙間もなく作り出したバリアで囲まれてもなお、ゆっくりとではあるが回転を続ける。

楕円の球体に棘が生えたような巨躯はオレンジ色の半透明の体の中に複数の球体が入っているのが見え透明な体の中でそれらが中で更に速く回っていた。


「全くダメージを与えられていないな」

「ああ、大怪我してたように見えたけど大丈夫なのか? なんであれ護国獣になって戦ってくれているおかげで吹いていた風が少し弱まったな。今なら逃げられそうだ、どうする?」

「破壊された砲台も再起動すれば作り直されてまた攻撃できるよな」


「護国獣は巨躯を食い止めるので精一杯の様だし攻撃手段が必要だよな」

「まじかよ? そりゃスケール4を迎撃するための砲台らしいから出力は都市から送られてくるエネルギー次第。遠距離砲撃型の護国獣にも匹敵するらしいが初手で弾かれてただろ」

「でも本部とも連絡が取れない俺らに今できるのはこれぐらいだろ、向こうの砲台の下にも別の班の誰かいる声かけてやるぞ」


メノウを安全な場所に映し防衛隊員たちが砲台の建物の外へと出て弱まった風の中を走りだす。


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