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冴えない兄が妹の友達とシていることを、妹は知らない  作者: 川坂藍斗
プロローグ

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1/6

妹の友達とシてること

「やっ……これすごい……あっ……」

「……声、抑えろって。妹が、隣で寝てるんだから」


 妹の明美あけみは、隣の部屋で昼寝をしている。

 そのすぐ隣。壁一枚挟んだ俺の部屋で、俺たちは身体を重ねてしまっていた。


「だって……やんっ……お兄さんの、気持ちいいからぁ……んっ」

「俺のせいにするな……」


 俺は大学二年生の田町たまち真人まさと

 明美のクラスメートである瀬川せがわ夏希なつきちゃんに押し切られて、いつもこうなってしまう。

 今日も、気付けば彼女に押し倒されてしまっているのだ。


 セーラー服に包まれた少女が、俺のベッドの上で乱れている。

 その跳ねるような腰使いに、俺の身体は支配されてしまう。


 制服の上からでもよく分かる、スタイルの良さ。下から眺める双丘が、俺の心までかき乱してくる。

 甘酸っぱい香水が、汗と混ざってふわっと香る。やばい、くらくらしてきたな。


「お兄さん……アタシ……もう……あっ……!」


 俺の上で果てた彼女は、しばらく身体を震わせたあと、俺の胸の上に突っ伏した。俺に身体をあずけ、ゆっくりと呼吸を整えている。

 

 茶色に染め上げられた髪に、長いまつ毛の大きな瞳。学校帰りなのにバッチリ決まったメイク。とろけた口元は、ややオレンジ色のグロスで妖艶に光っていた。


「キレイな顔……」


 俺は、思わず声に出してしまった。


「お兄さんさあ……たまにドキっとさせること言いますよね?」

「あっ、いや……そういうつもりじゃなくて……。メイク、上手だなと思って」

「ふふっ。ちゃんと大人っぽいですかね?」


 夏希ちゃんは、俺の胸の上ではにかむ。鼻息がかかってくすぐったい。


「うん……夏希ちゃんのクラスメートには、まだ早いんじゃないかな?」

「それ、どういう意味ですか?」

「え?」

「アタシが学校でモテてないか、心配なんですか?」

「あっ……いや別にそんなことは……」

「アタシが他の男の子に取られちゃわないか、不安なんですね?」

「そ、そんなこと言ってないだろ」

「取られちゃわないように、がんばらないとですねっ」


 夏希ちゃんはそう言うと、また俺の上で腰を振り始めた。

 俺は、いつもこんな調子で彼女に押し切られてしまうのだ。


 ——何かと少し大人っぽく、背伸びをしている彼女。

 歳の離れた大学生である俺に寄ってくるのも、大人への憧れの表れなのだろうか。

 かといって、なんで俺なんかに……とは思うが、据え膳食わぬはなんとやら。悪い気になる男がどこにいるだろうか。


 普段は、「夏の希望」と書いて夏希と呼ぶにふさわしい、爽やかで元気な女の子。


 明美が高校に入学してすぐ、こんなに可愛い女の子を友達にして家に連れてきた。当時は、純粋に兄として誇らしかった。でも、こんなことになってしまうなんて。


 妹にこんな姿は見せられない。そんなことを思う理性が、わずかに俺に残っていた。


(……やばい。今、何時だ?)


 俺は仰向けのまま、枕元の置き時計に目をやる。


 あと十五分か。明美は「午後六時まで寝る」とアラームをかけたらしいので、それまでには終わらせないと。


「夏希ちゃん、そろそろやめにしないか」

「えー……まだ寝てますよ、大丈夫ですって」

「アラームより先に起きるかもしれないだろ?」

「じゃあ、あと一回だけ……ねっ?」

「いや、もうやめとこうって」

「え〜……あと十分『も』ありますよね? いいじゃないですかぁ」

「十分『しか』、だろ」


 夏希ちゃんは俺の胸の上でうつ伏せになったまま、上目づかいでこちらを見てきた。

 茶色い瞳で真っ直ぐに俺の目をとらえ、俺の心までをも射抜こうとしてくる。



 セーラー服の胸元からは、ふっくらとした谷間がのぞく。俺に押し付けられた豊満な膨らみ。布越しでもしっかりと感じられる弾力に、俺の下半身は敗北した。


「……仕方ないな。あと一回だけだからな」

「やったっ♪」


 夏希ちゃんは嬉しそうに笑って、俺の首に腕を回してくる——

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