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私をあなたの番(運命)にして下さい  作者: ゆきもも


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28/49

㉘近付く2人の距離

その夜私は怪我と疲労のせいで高熱を出し寝込んでしまった。


熱で朦朧としていたが殴られた頬が酷く痛むため浅い眠りを繰り返していた。汗で顔が湿って気持ち悪い…そう思っていたらヒヤリと冷たい物が顔にあてられる。


その冷たさがとても心地よくてふぅ、と息を小さく吐く


うっすらと目を開くとそこにはアラリオン…リオンが心配そうな顔で見ている。少し驚いたものの側にいてくれる安心感の方が勝り笑みを浮かべた。


「リオン…冷たくてとても気持ちが良いわ、ありがとう」

「すまない、夜に女性の部屋へ入るなど良くないのだが…心配でたまらなくて」

「いえ…本当は心細かったので、嬉しい…です」


普段ならそんな事恥ずかしくて言えないのに、頭にモヤがかかってる今なら何でも素直に言えそうな気分だった。愛称呼びのせいかところどころ砕けた口調になっていたが本人達は無意識で喋っていた。


「そ、そうかっ、ならば朝まで側にいても良いだろうか…」

「嬉しいですが、リオンもしっかり休まないとダメですよ。明日も忙しいんですから」

「わかっているが、ならもう少しだけ、頼むっ」

「ふふ、ではお願いします。リオンがいればちゃんと眠れそうな気がします…」


ずっと浅い眠りの連続だったのに何故か今にも深い眠りに落ちていきそうだ


「ゆっくりお休み、ルリスが眠るまで側にいるから安心して」


その言葉が子守唄のように私を包み込み瞼が自然に落ちて深い眠りへと誘われていった…


2人の間には既にお互いを想い合う恋人のような空気が流れていた。



***


エイルリスが眠りに落ちて少し経ってからアラリオンは部屋をでて仮の自室へと戻った。

部屋へ戻るとそこにはジュノーがお酒の入ったグラスを傾け寛いでいる。


「兄上、いらしたのですか。ですがもう遅いのでご自分の部屋へ戻って就寝した方が良いかと」

「なんだよ、冷たいねぇ~、優しくするのは()()()だけ?」


空気がピリッとしアラリオンがジュノーを軽く睨む


「兄上…彼女の愛称を口にしないで下さい」

「えーー?何それ?嫉妬してんの?」


ジュノーがふざけて煽って言うと


「…………………。」

「…え?図星、え……?」


何も言わないアラリオンだがそれこそが肯定と示していた。


「いやあ…嘘でしょ?まさか、本当?」

「事実です、俺は彼女にとても…惹かれています」

「あー、、そう。リオが?ちょっと意外だな」

「何故意外なんですか?」

「だって、彼女人間だよ?それだけだって可能性低いのにさ、兄弟の中で一番冷静で任務最優先のリオが恋愛に目覚めるとは」

「俺にだって人並みに恋愛感情はあります…」

「まあね、それはわかってるよ。でもさ、もしお前の番が見つかったらその時はどうするの?」

「…俺とジュノー兄様は生涯番を認識出来ない阻害薬を飲み続ける予定ですので心配いりません。それにもし彼女以外が番だったとしても今あるこの気持ちが変わる事はありません」

「おいおい、お前だって知ってるだろ?番への強制力は。番を見つけてしまえば他の女など目に入らなくなるだろ」

「とにかく、慣例通り19歳になれば長兄であるオリオン兄様だけが薬を止め番を探す、その手助けをするだけです。俺が番を探す事は一生ありません」

「わかっているけどね…運命の番を探せない人生なんてなんか虚しいよな…」

「?それは、どういう…」

「ああ!嘘嘘!何でもないよ、それよりさアンリはどうすんのさ」

「は…?アンリ、彼女が何か?」

「うっわ!酷いね!これだから無自覚モテ男は困るっ」

「………。」

「アンリが知ったら泣くよ、いやそんな可愛いものではないかも」

「すみません、何を勘違いされているのかアンリとは全く無関係です」

「はぁ、そう思ってるのはお前だけだよ…まぁ、彼女達が会ったら一悶着、いや一騒動起きるかも」

「勝手に思ってて下さい、さぁ、もう出ていってもらえますか?俺ももう休みたいので」

「はいはい、お休み可愛い弟よ」


言いたい事だけ言うとジュノーは満足したのか大人しく出て行った。


何だか疲れた…

そのままベッドへと倒れ眠ろうとしたがふと、昼間の事が頭に浮かんだ。


『ならば私の事はルリスとお呼びください』


「ルリス…」

アラリオンは寝ようとする度にエイルリスの事を思いだし体が火照り、結局寝れないまま朝を迎えたのだった。


***


少しずつ意識が浮上する

窓から入る明るい日差しに目を細めると頬にズキッと痛みが走る


「つっ……!」


そっと手で撫でてみるとぷくりと腫れているのがわかった。うう…きっと酷い顔になってるはずだわ…今日は1日部屋から出ないで休ませてもらおうかしら、この顔をリオンには見られたくないし…。


ベッドの上でどうしようかと考えていると、窓の外が何だか騒がしい。


何かあったのかしら?

気になってベッドから降り窓へ近づいて外を見みると、なにやら人だかりが出来ている。


その中にはアラリオンとジュノー、オリオンもいて獣兵達も皆笑顔で何だか楽しそうだ。


いったいなんなの??

すると、見慣れない人達が数人混じっていることに気が付く。


え?あの人達はいったい…。


その時1人の若い女性が走って来たと思ったら、勢い良くアラリオンに抱きついたのだ…



は……………?










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