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悪党転生  作者: えこーと
1 王国編
13/26

説回─王国剣術 魔活法と硬剣法

タイトルどおりの説明回です

 これは顔合わせの前、エルゲンとギュンターの話し合いから少したったある昼のこと。

 エルゲンはリジェンダから魔活法と硬剣法を教わっていた。

 その二つはギュンターから教わるように言われている。

 リジェンダは騎士学校に通っているため、このように昼の時間にいることはあまりない。

 だがもう一人の教え主候補のカインはギュンターの仕事とやらにつきあって当分屋敷を留守にするらしい。結局の所、あいている時間にリジェンダに教わるしかなかった。


「魔活法と硬剣法はどちらも魔力を使った技術で、特に硬剣法は王国剣術の必須事項です。魔活とか、硬剣とかだけ言われる事もありますね。魔活法は身体能力をあげることができて、硬剣は剣の強度をあげることができます」


「この王国の剣が、やたら細くて長いのも硬剣法が浸透しているから、だったな?」


 これは以前、武器屋から聞いた話だ。


「はい。では魔活法からお見せしましょう」


 リジェンダは、深呼吸をし、集中していく。

 エルゲンはリジェンダの様子を、眼だけではなく、自身の魔力を使って感じる。

 魔力というのは眼に見える物ではない、だが自身の魔力で相手に触れれば、その流れを感じ取ることができた。

 リジェンダの魔力は、まるで鎧のようにその身を包んでいる。


「ふっ!」


 そして走りだし、ジャンプする。

 なるほど、たしかにリジェンダの年齢を考えればかなりのジャンプ力だ。しかし──


「地味だな」


「うっ、申し訳ありません」


 ぶっちゃけた話、効果のほどは大きくない。

 これならばオリンピックの走り幅跳びの選手のほうがよほどジャンプ力がある。

 魔活を使ってないリジェンダに比べても、その能力の伸びは2割といったところだ。


「まあいい。やり方はわかった」


 エルゲンはリジェンダのように魔力で身体を包み込む。

 それでけではなく魔力を細胞一つ一つに送り込み、強化していく。


「はっ!」


 そしてダッシュ、およびジャンプ。

 その走りはリジェンダより速く、そしてジャンプは長かった。

 元々エルゲンの身体能力がリジェンダより大きく劣る事を考えれば、魔活による強化のほどがわかるだろう。

 確実に倍以上に強化されている。


「さすがエルゲン様・・・・・・うう・・・・・・」


 リジェンダはエルゲンを褒め称える一方であきらかに落ち込んでいた。


「そう気を落とすこともあるまい。張り合おうとすればはなから俺が勝つに決まっているのだからな」


「というか、どうやってそんなに強力な魔活を使っているんですか?」


「護衛の男がたまに使っていたからな、そちらのほうを真似した」


「ぐぐぐ・・・・・・」


 実の所、魔活という名前はギュンターとの会話で知ったものの、その存在自体はリジェンダと護衛の男の訓練によって知っていたのだ。

 故に分かるが、リジェンダよりも護衛の男の法が強力な魔活を使用している。

 真似るならばリジェンダではなく護衛の男というわけだ。


 やはりショックを受けていたリジェンダだが、笑顔を作って話を続ける。


「き、気をとりなおして硬剣法を。硬剣法は魔活よりも簡単で――」


 ズボッ


 リジェンダが説明している最中に、エルゲンは訓練用の案山子を木の枝で突き刺していた。

 細く、脆いはずの枝はしっかりと案山子にめり込み、引き抜いても全く折れる気配はない。


「これが硬剣法というものだろう?」


「はい・・・・・・そうでございまする・・・・・・」


 ショックのせいか口調が変になっていた。

 ようするに硬剣法は字の通り、剣に魔力を流し込み強固にする術。

 体感としては魔力を剣、この場合は枝だが、とにかく得物に流すだけである。

 なるほど、たしかに魔活法に比べて簡単だ。

 ちなみに木の枝でも有効かは知らなかったが、しっかり硬度は上がっているらしい。


「うう・・・・・・せっかくエルゲン様に何かを教えられると思ったのに・・・・・・」


 魔活のほうは実のところ、まったく練習もしたことはないというわけではない。

 それでもあっさりと、それこそ30分足らずで魔活と硬剣法の修練は終わってしまった。


「あきらめろ」


 とりあえずリジェンダを抑えようとしたが、むしろうつむいている顔をガバリと上げて迫ってくる。

 こいつも大概、人の話を聞かない奴だ。


「エルゲン様!何かわたしにできてエルゲン様にできないことってありませんか!?」


「そんなものは……そうだな、王国剣術は使えないな」


 脊髄反射でそんなものはないと言いそうになりつつ、エルゲンは答えた。

 今のエルゲンは魔活もあってリジェンダと近接戦をしても負けはしない。

 だが、それは格闘術を使った場合であって、剣を使って戦えば――それでも負けないが多少面倒だ。

 つまりそんな程度には剣は苦手、というかエルゲンは剣を本格的に振るったことはなかった。


「ではそれにしましょう!」


 リジェンダは気合たっぷりに迫ってきた。


----------


 そうしてある日、エルゲンはリジェンダから王国剣術の概要を教わっていた。

 まずは座学ということらしい。


「前回も言いましたが、硬剣法は王国剣術の必須技能です。魔活はなくてもなんとかなるんですが」


「そうだろうな。硬剣がなければ王国の剣などほとんどゴミ屑だ」


 王国の剣は、細く、薄く、長い。

 切れ味は抜群で、リーチは長く、軽いため速く振ることができ、予備を持っていける程度に重量の余裕がある。

 ただし代償としてひたすら脆く、実戦ではとても使えない欠陥品だ。

 しかしその弱点は硬剣法によって補うことができる。

 王国の剣は硬剣法を合わせることにより、最強の武器と化すのだ。

 強いていうならば、それでも長すぎるリーチが乱戦に不向きといった弱点もある。

 だが王国の剣にはしっかりとリーチの短いフットマンズソードもあるらしい。これも王国の剣らしく薄く、軽い。そして軽いから予備の武器として気軽に携帯できる。


「王国の剣はとにかく脆いですからね。剣を振るときは絶対に硬剣法を使ってください。もう無意識で使っちゃうぐらいに、癖にしてください。硬剣法は硬くできても一度欠けたり折れたりした剣を治すことはできませんからね」


 というわけで、俺は木製の剣に魔力を込めつづけている。座学中はバテるまで硬剣法を使用しろとの事だ。

 合理的な訓練法ではある。


「では。王国剣術はだいたい4つのスタイルがあります。小剣、片手剣、二刀、両手剣ですね。私は二刀と片手剣、小剣の心得があります。特に二刀が得意ですよ。お父さんは全部使えますがいつも両手剣ばかり使ってますね」


 それから各剣について説明していくリジェンダ。

 小剣は主にリーチが邪魔だったり、武器が破損した場合のサイドアームだ。そのため、乱戦を見越して狭い空間でも使えるように鍛錬するらしい。

 片手剣は元いた世界におけるフェンシングのような技術を使う。また小剣のような使い方もすることがあるようだ。

 二刀は片手剣を両手にもって振り回すスタイル・・・・・・などではなく防御用の短剣と片手剣を組み合わせたスタイルだ。短剣で相手の攻撃をいなして片手剣で致命傷を狙う。

 両手剣は身の丈ほどもあるリーチと、王国剣の攻撃力を活かし、手数を重ねていく剣術だ。元より一撃の攻撃力は十分なので、連撃で攻めていくという思想らしい。


「王国剣術をやるならまず小剣です。というわけでまずは小剣から始めます」


「異論はない」


 元より個人的にも小剣があっている。

 というか小剣以外を扱うつもりは今のところはさらさらない。


 魔法などと違い、さすがに剣術は1日や2日でものになるわけはなく。

 エルゲンはそれからしばらくリジェンダに剣を練習するように迫られた。

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