禁断の調味料、その名は
「禁断の調味料とはどう言う事ですか?」
ルートが冷や汗をかきながら聞いてくる。
うん、俺も冷や汗をかいているよ。
とりあえず俺はその調味料を読む事にした。
「その調味料の名は、マヨネーズ、説明文には異世界の調味料作りと言ったらマヨネーズ、大体異世界ものの作品で出て来る超便利な調味料、これの作り方さえわかっていたら異世界転生しても一儲けできる最高の調味料」
「異世界ものの作品?」
「異世界転生?」
ユーリとミスチーが首を傾げる。
うん、俺も首を傾げたいよ。
「また異世界と言うわけのわからない言葉が出て来ましたね」
フレイアが眼鏡を上げながら言う。
うん、まただよな。
「しかも今度は転生と言う言葉も出て来ましたね、転生って確か生まれ変わりって意味ですよね?」
「ああ、多分それであってると思うぞ」
カリーナの問いに俺はあっていると答える。
「気になる言葉はありますが、このマヨネーズが禁断の調味料と言われている方を優先すべきではないかと」
確かにルートの言う通りだ。
気になる言葉はあるけど今はこれが禁断の調味料と言われている理由だよな。
俺はマヨネーズの説明文の続きを読む事にした。
「えーっと、このマヨネーズは万能な調味料などと言うが禁断の調味料でもある、その理由はマヨネーズの味がくせになってしまい、何にでもマヨネーズをかけないと気がすまなくなってしまう、サラダだけでなく米の上に大量にマヨネーズをかけたり魚や肉にも大量にかけたりして食べる、酷い場合はマヨネーズがなければ生きていけない状態になってしまうほどマヨネーズを愛してしまう、通称マヨラーになってしまう危険性がある、まさに禁断の調味料とも言えるだろう、ちなみにトマトケチャップを愛してしまう通称ケチャラーと言うものもある、こちらもマヨネーズと同じように大量にトマトケチャップをかけて食べるのであるって書いてあるぞ」
「何にでも大量にかけて食べるって、それだと全部そのマヨネーズやトマトケチャップの味になっちまうんじゃないのか? それって大丈夫なのか?」
リックの言う通りだな。
大量にかけたら料理本来の味じゃなくてその調味料の味になってしまうな。
「でもそれって単に異常なまでに好きってだけでしょ? 本当に禁断の調味料なら失われたもの図鑑に載せたりしないわよ、好き過ぎてたくさん食べてしまうってだけだし、酒好きな人が酒をたくさん飲むみたいなものじゃない? あれも見ている方は心配になるし」
確かにユーリの言う通り、本当に禁断ならわざわざ載せたりしないか。
好き過ぎてどうしようもなくなってしまうんだな。
好きなのは良いけどそれで人に迷惑を掛けるのはダメだけどな。
「とにかくこのマヨネーズを作ってみないか? これで子供達の野菜嫌いが少しでもなくなれば良いじゃないか」
俺が言うと皆確かにと頷く。
と言うわけで作る事にするのだった。
この禁断の調味料? と言われているマヨネーズを。
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本日二話目の投稿です。
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