米と海苔
リックの実家の店で東国の品物を手に入れたので、ジョルジュに頼んで後日カホさんにリカード家に来てもらう事にした。
「ケイ坊の家に来るのも久しぶりじゃのう」
そして今日、カホさんは我が家に来てくれたのだった。
「よく来てくれました、先生」
「おお、ライ坊、相変わらず元気そうじゃのう」
「ご無沙汰しております、先生」
「アイシャお嬢も元気そうで何よりじゃ」
「その呼び方はさすがにもうやめてくださいよ、もう二人の子を持つ父親なんですから」
「儂からすれば、お前さん達はいつまで経ってもライ坊とアイシャお嬢じゃよ」
「がっはっは!! これは参りましたな!!」
「まあ、公の場ではちゃんとするがのう」
カホさんと親父達は楽しそうに話している。
「ケイネス、お前の父上と母上が先生と呼んでたが?」
「ああ、カホさんは親父達が若い頃にちょっとした先生をしていたんだよ、まあ、その辺は説明する機会があったら説明するけど、とにかく先生だったんだ」
「そうなのか」
「ちなみに俺や使用人達の先生もしていたんだ」
「一体何の先生なんだ?」
エドウィンは首を傾げる。
今は別に話す事でもないしな。
「カホさん、いらっしゃいなのです」
「おお、アニスお嬢も元気そうじゃのう」
カホさんは笑顔でアニスの頭を優しく撫でる。
アニスもカホさんに懐いてたからな、とても嬉しそうだ。
「それでケイ坊、何やら東国の品が手に入ったと聞いたんじゃが」
「そうなんだ、厨房に置いてあるからカホさんに見てほしいんだ」
「なら、早速行こうかのう」
俺達はカホさんを連れて厨房へと行く。
厨房には使用人のルート達がリックの実家の店で手に入れた袋を用意していた。
「カホさん、この袋の中に入っているんだ」
「ほほお、どれどれ」
カホさんは袋の中を見る。
「これは驚いた、米ではないか」
袋の中身を見てカホさんは目を輝かせて言う。
中には白くて小さい粒がたくさん入っていて何なのかわからなかったがカホさんは見た瞬間に答えた。
やはりカホさんならこの袋の中身が何なのか知っていたようだ。
「カホさん、コメって何だ?」
シルがカホさんに問う。
「東国での主食じゃよ、こっちで言うパンのようなものじゃ」
「なるほど」
カホさんの答えにシルは納得したように頷く。
この白くて小さい粒が東国の主食なのか。
「カホさん、もう一つあるんだけど、これは?」
俺はカホさんにもう一つの品を見せる。
見せたのは黒くて紙みたいな物だった。
それを見たカホさんはまたもや目を輝かせた。
「何と、海苔ではないか」
「ノリ?」
「これも食べ物じゃ、米に巻いて食べるとまた美味しいのじゃ」
この黒い紙みたいなのって食べ物だったのか。
カホさんがいなかったらこれが食べ物だなんて絶対思わなかったな。
「米と海苔、この二つがあれば、おにぎりが作れるのじゃ」
「おにぎり?」
「東国で仕事をしている者がよく休憩時間に食べている和食料理じゃ、サンドイッチと同じで片手で食べられる物じゃ」
「なるほど、失われたもの図鑑に載ってるかもな」
「必要になるかと思い持って来ています」
フレイアが失われたもの図鑑を渡し俺はページをめくっていく。
おにぎりのページは、あ、あった。
「おにぎり、米を手で握って作る料理、塩や海苔でさらに美味しくなる、おむすびとも呼ばれているが地方で呼び方が違うだけでどっちも同じであるって書いてあるな」
「おにぎりを作るのなら、まずは米を炊かないとのう」
こうして、おにぎり作りが始まるのだった。
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本日二話目の投稿です。
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