頃合い
訓練場で今日もエドウィンはドラゴンと戦えるようになるための基礎体力作りの特訓をしている。
「少しはマシになって来ましたね、クソザコ体力からザコ体力に昇格です、エドウィン様」
「クソザコ体力からザコ体力への昇格おめでとうございます、エドウィン様」
そうルティとレティが言う。
エドウィンはクソザコ体力からザコ体力になったようだ。
「結局ザコ体力に変わりないだろ」
エドウィンは不満げだ。
まあ、確かにザコ体力に変わりはないか。
「そう不満げに言うな、最初に比べたら大きな成長だ、ルティとレティは厳しいが嘘は言わないからな、そうだろ二人共?」
「はい、嘘は言っておりません」
「最初に比べれば成長しております」
そうシルが言うとルティ、レティも答える。
うん、ルティとレティは嘘は言わないからその二人が言うならエドウィンの基礎体力は上がってるって事だ。
「ほっほ、頑張っとるのう、エド坊」
訓練場にカホさんが来る。
「ふむ、ルティお嬢、レティお嬢、エド坊はどんな感じじゃ?」
「クソザコ体力からザコ体力に昇格しました、先生」
「最初に比べれば少しはマシになったところです、先生」
カホさんの問いにルティとレティは答える。
「ふむ、どれどれ」
カホさんはエドウィンをじっと見つめる。
「おお、体力も十分ついとるのう、少しずつじゃが確実に強くなっておる」
「最初の頃は本当に目も当てられないくらい酷かったからな、これでシェフィーネとの婚約は大丈夫かと思っていた頃が懐かしいな」
「く、何も言い返せないな」
シルの言葉にエドウィンは苦い顔をする。
本当に目も当てられないくらいだったからな。
あの頃に比べたら成長したもんだ。
「ほっほ、ジョルジュから聞いておるぞ、シェフィーネ姫との婚約のために竜を倒すそうじゃないか」
「りゅう?」
「おっと、こっちではドラゴンじゃったな、竜とは東国でのドラゴンの呼び名じゃよ」
「なるほど」
カホさんの答えにエドウィンは納得する。
国が違うと呼び名が違うものも多いからな。
「ふむ、ケイ坊、儂を呼んだと言う事は、エド坊に教えるつもりじゃな?」
「うん、基礎体力がマシになって来たから、頃合いかと思って」
「なるほどのう、確かに頃合いかもしれんのう」
「一体なんの話をしているんだ?」
エドウィンが疑問に思って質問する。
「ああ、お前の基礎体力がマシになったから、そろそろ教えても良いかなと思ったんだ」
「教える? 何をだ?」
「お前が俺やシル、それに他の皆の強さに感じていた疑問の正体についてだよ」
そう俺が言うとエドウィンは目を見開いて驚く。
「お前が前にドラゴンを倒した時に私が感じた疑問の答えについてか?」
「ああ、その答えだ」
「良いのか? 前に聞いた時は私の基礎体力が中途半端だから教えるわけにはいかないと言っていたのに」
「ああ、その体力も中途半端からマシになったからな、だったら教えても良いと思ったんだ、ルティとレティもザコ体力と言っても教えて良いくらいにはなってるんだろ?」
「確かに、教えて良いくらいには基礎体力がついたと思います」
「それでもギリギリ教えて良いってくらいですが」
そう二人は答える。
厳しいが教えても良いくらいには基礎体力があると言う言質は取れたな。
「と言うわけだエドウィン、カホさんにしっかりと教えてもらうと良い」
「カホさんに?」
「ああ、カホさんの方が教え方が上手だからな、頼むよカホさん」
「任せるのじゃ、エド坊、行くぞ」
「行くって、どこへ?」
「モンスターの出る森じゃよ、今から行くぞ」
「え!?」
驚くエドウィンだがカホさんは気にせずに俺達はモンスターのいる森へと行くのだった。
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