過去話 大会当日
大会当日。
俺は馬車に乗り王都へと向かって行く。
「王都って広いなぁ、この広さに度肝を抜かれるよ」
俺は馬車から見える王都の景色を見て言う。
「まあ、お前が王都に来る事なんて滅多にないからな、来るとしたら学園に通う時くらいだろう」
「それももう少し先の話だな」
「がっはっは、さあ、そろそろ会場に着くぞ」
俺達は会場に到着する。
「あそこで受付をするみたいだな、行くぞ」
「わかった」
俺は親父と一緒に大会の受付に行く。
「こちらに出場する選手の名前を記入してください」
受付の人に言われて俺は自分の名前を記入する。
「はい、これでエントリー完了です、こちらの係員が選手の控室に案内します、頑張ってください」
「はい、頑張ります」
俺は受付の人が紹介した係員について行くと選手の控室と思われる部屋に着く。
中に入るとたくさんの出場者と思われる俺と同い年の子供とその家族と思われる人達がいた、
「ほお、かなりの人数が参加しているな」
「皆気合十分って感じだな」
「それはそうだろ、この大会は王家主催の大会、当然陛下と王妃様も見ておられる」
「あー、貴族からしたら自分の息子や娘が将来有望だってところを王家に見せるチャンスって事か」
「その通りだ、それに騎士団や魔法師団も見ているからな」
「なるほど、騎士や魔法使いの家系からしたらそこにスカウトされるチャンスでもあると言ってたな、昔は女性の騎士や女性の魔法使いへの当たりが強かったみたいだけど、今は普通に女性でも実力があれば騎士団や魔法師団に所属できるもんな」
「そうだ、だからその手の令嬢達も多く出場している、大会で当たるかもしれないな」
「男性女性別々じゃなくて一緒にやるみたいだな」
「おやおや、これは辺境のリカード男爵ではありませんか」
親父とそんな話をしていると誰かが声を掛けて来た。
誰だ?
「まさか、辺境の男爵まで来られるとは驚きましたな」
「これは侯爵、何か用ですかな?」
親父が侯爵に問う。
親父が敬語で話すところ初めて見たなぁ。
「なに、まさか田舎の方の辺境に住んでいる貴族とこんな所で見かけるとは思ってもいなかったのでちょっと挨拶をしにね」
「そうでしたか、私の息子が十歳になってちょうどこのような大会が開かれると聞いたので腕試しにと思いましてな」
「なるほど、ですが私の息子と当たったら早々に帰る事になりそうなので今の内に祈っておいた方が良いかもしれませんぞ」
うーん、明らかにこの侯爵は俺達をバカにしているなぁ。
めっちゃバカにしたようにニヤニヤしてるし。
侯爵の隣の息子を見るが、うわぁ。
息子もニヤニヤしながら明らかにバカにした顔をしているよ。
辺境の男爵だから爵位が低いからって理由で見下す貴族もいるとは聞いていたが、実際に目にするとこんな感じなのか。
何て言うか、人をバカにして何が楽しいのかよくわからないな。
「これはお気遣い感謝いたしますが、息子は強いので心配ご無用ですよ」
「そうですか、では我々はこれで失礼しますよ」
そう言って侯爵親子は去って行く。
「親父、あの侯爵親子完全に俺達の事バカにしていたよね?」
「ああ、そうだな、あれはバンダ侯爵だ、自分よりも下位の貴族や平民を見下したりする男だ」
「あー、だからあんなバカにしたようにニヤニヤしてたのか、息子も同じだったなぁ」
まさにこの親にしてこの子ありって感じだな。
「自分より下の人間を見下してるからな、おそらく反王家派だと思うな」
「今の陛下が実力主義にしたから平民でも認められればそれなりの地位が与えられるから、ああ言う奴からしたら認めたくないって事か」
「そうだ、陛下や国のためにも反王家派はどうにかしなければならないが、確固たる証拠がないから性格だけで判断するわけにはいかない」
「なるほど、だから反王家派は秘密裏に好き勝手動けるってわけか」
証拠がなければ捕まえる事ができないからな。
「まあ、今はそんな事はどうでもいい、お前は大会に集中するんだ」
「わかったよ」
そして大会開始の時間になるのだった。
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