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フェルト様視点
フェルデナンドが、
『私の養女にならないか?』
と、エリザベス、いや、エベスに言った時
きっと、断ってくれると思った
我々には、勝算があった
もう一つの条件が、『修道院に入る』という事だったからだ
それは、思い過ごしだったのか?
エベスは、考える素振りを見せながら、笑ったのだ
あのハゲのフェルデナンドには!ずっと勝っていたはずだ
それなのに
言ったこともない言葉を、フェルデナンドに言ってしまう
「どんな風に、彼女に擦り寄ったのだ⁉︎」
分かっている、彼女はそうではない事に!
フェルデナンドは、
「そうですね…」
と答える
「きっと…、同じ事を思っていたのだと思いますよ」
「ただ、僕が、少しだけ自由だった…というだけですか?」
彼は、いつも淡々としていて、達観していたのに今とても嬉しそうだと感じた




