『他人の物はその人の物』(ジャイアンじゃねーんだから)
基本
『他人様のものを羨ましがったら目ぇ噛んで死ね!』と教わった私にとっては、嫌な衝撃
これは、祖母の教えだが、『自分を弁えろ』という以上に
『他人を羨む前に、自分の周りの中にある幸せを見つけてみせろ』という事だったのではないかと思う
なので、予想はしていたが…これまでにないムカつく?思いが渦巻く
「あの、フローレンスさん?その方は今?」
どうなさっているのだろう
まだ何か現実的ではないが
『何をしやがった』という思いの方が強い
「そうですね」
フローレンスさんは、淡々と話し始める
「所謂、派手な『婚約破棄騒動』にはなりましたね」
うんうん、それは聞いた
その方は、幼い頃に両家に…以下略
「今は、第二王子の婚約者となっております」
…予め謝っておく『よっしゃ、ラッキー‼︎』叫ばなかっただけ、許してくれ
心の叫びだ
お妃教育が、国家の事業であるなら国の予算が費やされているという事なら
無駄にすんなや‼︎
「そして…婚約破棄とともに、第二王子派の勢力が強くなりました」
えっと、それならフローレンスさん?
「何で、クソピンクに繋がる人が、偉そうにあの場所にいたの?」
売ったんだろうな
「ごめんね、これは私の個人的な思いだから聞き流して…」
と、私はつぶやく
「構いませんよ」
と、フローレンスさんは、それでも髪を切る手を止めて聞いてくれる
「あのね『悪気はなかった』とか『そんなつもりではなかった』という人嫌いなの…」
フローレンスさんは、黙ってうなづく
「私は、その言い訳こそが、その人の本質だと思っているの」
フローレンスさんは、本当に手を止めて私の話を聞いてくれるようだった




