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空気は読むものではなく、吸うものだが

「お話中申し訳ありませんが、仕事を進めさせて頂きたいのですが?」

フローレンスさんの冷たい声


αβが我にかえる

「すまなかった!続けてくれ…」

αが答え、βも名残惜しそうに引く


フローレンスさんは職人の顔になっている

もう1人の助手の若い男の子は、準備を整えたのか両手をワキワキしている

ワクワクではなく、準備運動の最後の締めみたい


フローレンスさんは、シャキン、シャキンと素早く髪を切り、

助手の男の子は、その一束一束を受け取って、その中から数本を抜き取るとクルッと纏める

シャキンと切って、サッと受け取り、スルッと抜いて、クルッと纏める

その繰り返し、稲刈りみたい?長さが大概なものだけど…


しばらくして、刈り取りは終わったみたいだ

フローレンスさんが、長くため息を吐いて終了


「この後の髪はどうされますか?」

鏡で、今の状況を確認させてくれたフローレンスさん

心なしかドヤ顔

然もありなん

私は、素敵なショートヘアになっていた


『うーむ、これ、文句言ったら気分悪くさせるやつ?』

この、一瞬の間にフローレンスさんの顔が曇る

さすが、職人

「いえ、次回はもう少し短くして頂いても…ゴニョゴニョ」


フローレンスさんは、フッと笑って

助手の男の子に告げた

「次回という、言葉を頂きました

というわけで、私はここで、この方のお髪のお世話を致します!

よろしいですね⁉︎」


「姉上…」

そうでしたか

ご姉弟さんでしたか?一子相伝とかですか?

「本来なら、僕が行くべきですが、今回ばかりは容認するべきなのでしょう」

「理解してくれますか?」


何そのαβはだけではなく、フェルト様あたりまで、納得していく感じ?

一応見るけど、

ハリーく、何か言いたい事ある?

目を閉じたハリーくんに、まぁ仕方がないかと腹を括る

色々な柵があるのだろう

知らんけどな!

 

「エベス!」

うるさいな、今大変なんだよ!

絶対色々読めなくて来る奴を1人だけ知ってる

あいつだ、


「わ!私に稽古をつけてくれ!」


「断る!」

私は、武士の如く宣言する

ダリウス、大概にしとけよ?



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