012
ブックマークありがとうございます! にぱっ!
おはようございます。スカーレット・バイロン、3歳です。
昨日は泣き疲れて眠ってしまいました。
転生してから泣いては寝て泣いては寝てな気がします。
でも、おかげさまで幸せな日々をおくらせていただいております。テンプレ神様ありがとうございます。
いやぁ、まさか3歳にして転生の秘密が暴かれようとは。
前も言いましたけど、展開早くないですかね。
13歳で死んだ前世より早い気がします。
テンプレ的には、もっと大きくなってから発覚するものではないのでしょうか。
ペース配分大丈夫でしょうか。
今世では展開を左右するほどの能力はありませんから、私にはどうすることもできませんが。
本当にテンプレ神様大丈夫ですか?
まさかノリで展開決めてませんよね?
どうも早死にする予感がします。
昨日私が眠ってしまった後、両親とセーラはお酒を飲みながら、さっそく動画鑑賞会をしたそうです。
セーラが教えてくれました。
「その時に『スカーレット嬢を愛でる会』が発足しました。ちなみに私は会員番号000000003を頂戴しました」
セーラが自慢気に眼鏡クイします。
「ええっ!? なんですか、その恥ずかしい会は! それに会員番号の桁数が多過ぎでしょう。一体何人入れるつもりですか!」
衝撃的事実発覚です。
ここ数日、連日なにかしら発覚している気がします。日刊実話です。
それにしても、うちの人達は皆、私を辱めるのが生き甲斐なのでしょうか。
「恥ずかしくなんてございませんよ。
『スカーレットを愛でる会』にするか、『スカーレットちゃんを愛でる会』にするか論争が続きましたが、将来的に全人類が加入すると考えられる国際団体ですから、いくら会名とは言え、下々から呼び捨ては恐れ多いことですし、ちゃん付けでは魔法少女スカーレットちゃんを愛でる会と紛らわしいですから、最終的に『スカーレット嬢を愛でる会』となりました」
頭が痛くなってきました。
聞きました? 全人類らしいですよ。どうりで桁が多い訳です。
人民番号みたいで嫌ですね。
宗教じみてくる予感がします。
お父様とお母様でスカーレット教の宗教国家を作り上げそうで恐いです。
せめて報告せずにコッソリやってください。公認なんてしませんよ!
「まさか、『魔法少女スカーレットちゃんを愛でる会』もあるのでは・・・」
「ありますよ」
「やめてー!」
「大丈夫ですよ、お嬢様。こちらは魔法少女スカーレットちゃんを存じ上げている方のみの会ですから、この世界では大公ご夫妻しか入会資格がございません。
あ、私は名誉会員にしていただきました。会員番号189785642です」
「番号! 多い! 憶えてるの怖い!」
戦慄しました。そんな番号よく憶えてますね。
「いえいえ、こちらの会は向こうの世界の人口の八割しか入会していないと、奥様が嘆いておられましたよ。
ちなみにどちらの会も会長は奥様です」
「怖い! お母様の愛が怖い!」
「怖いとはなんですか、スカーレット。母は悲しいですよ」
「ひっ! お母様、いつのまに!?」
「あらあら、うふふっ。スカーレットあるところに母ありです」
なんだかお母様の愛が前より重くなっている気がします。
「まあ、冗談はさて置き、セーラの会員番号は正式なものですよ。
世界を跨いで会長を続けるために、召喚魔法を改良して向こうとの通信魔法を開発してありますからね。まあ、手紙を送るだけなんですけど」
「ええっ!?」
魔法の真理に至った私でもそんな魔法は知りませんけど!
「わざわざ宮廷魔術師団に開発させましたからね!」
そんな暇があったら魔王軍と戦ってよ!
『無駄死にすることはありません。危ないことは私達に全て任せて、あなた達は家族を守っていればいいのです』とかカッコつけて言ってしまった私の馬鹿!
厨二心がそうさせたのですよ!
戦線に出させてそんなことする暇がないようにしてやれば良かった。
くそう、あいつら相当暇だったな!?
「だから私達を除く、全会員189785639人には会報最新号『魔法少女スカーレットちゃん、異世界転生!』で、私達の娘として転生して幸せに過ごしていると告知されます。
会員外の愚かな人民にも、会員達から伝えられ、やがて全ての人民が会員となることでしょう」
「重いっ! お母様、重いよっ! 何気に辛口だし!」
この会長、宗教団体の教祖みたいです。
「何を言っているの、スカーレット。世界を救うために殉死したスカーレットは本来の意味でアイドルであり、元々聖人扱いですよ?
生前に勇者を導き、たった二人で魔王と魔王軍を撃退して世界を救うという奇跡を起こし、死後も転生復活の奇跡までを起こした救世主なのですから、もはや現人神扱いになるでしょう」
くっ、客観的事実を並べられると説得力がある。
「スカーレットちゃん教は偶像崇拝を認めていますから、スカーレットの写真は向こうの世界に沢山焼き増しして送ってありますから、向こうの信者達も安心することでしょう」
もう、教とか信者とか言っちゃってます。転生カミングアウトが動画で撮られていたのも、向こうに送るためもあったのですね!
お母様、恐ろしい子!
影のフィクサーは私ではなくて、お母様だったのですね!
「今頃分かりましたか、スカーレット」
「また心を読んだ!」
「読んでません」
「お嬢様、漏れてますよ」
「ぐぬぬっ」
「まあ、フィクサーは冗談です。私のスカーレット愛は両世界で一番だというだけです」
そ、そうなの? そうなのかな? なんか誤魔化された気がします。
「ドント・フィール、シンク」
「えっ?」
「えっ?」
「あっ、間違えた。ドント・シンク、フィール。考えるな、感じろという意味です」
いや、意味は知っていますけど、お母様適当に煙に巻こうとしていますね。騙されませんよ!
「私の写真をばらまくなんて酷い! ぷらいばしーの侵害なんだから!」
プンプン幼女を教祖様はすかさず抱きしめます。そしてぷくっと膨れた頬に頬刷りしてきました。
あん、気持ちいい!
違う! そんなことで絆されないんだから!
お母様は愛しそうに微笑んで頬に口付けしてくださいました。
うん、許します! ママン、大好き!
はっ!? またうちのチョロインが!
ま、まあ、向こうの世界のことは諦めます。心配したり悲しんだりしてくれていた人達に申し訳ない気持ちもありますから。
でも、こちらの世界はダメですよ!
会員番号は三番で終了です!
会長、副会長、書記で終了です!
増やさせませんからね!
ついに出ました『スカーレット嬢を愛でる会』
数話前の後書きで『スカーレット嬢を愛でる会』のことを書いてしまいましたが、まだ本編に出てきていませんでしたね。フライングでした。てへぺろ
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