チャンピオンの座
コロシアムいきたいなー
コロシアムの町はなんと町の機能自体がすっぽりコロシアムの中に収納されていた。外壁を入ればそこは全てがコロシアム。町全体をオレンジの明かりが包んでおり、夜だというのに大都会でもかくやと言わんばかりの灯りにあふれていた。
そして夜の格闘大会が行われていた。何組もの拳闘士の戦い、化け物と人間のデスマッチなど、すべての試合に賭けが行われていた。
そして俺達はモヒーを飛び入りエントリーさせたのだった。
「モヒー、てめえ負けやがったらただじゃおかねえ・・・・・・」
俺は全財産をモヒーに賭けてみた。指や肩、首をボキボキならしながらモヒーは対戦相手に向き合う。
「俺の名前はモヒー、ゼロ様の一番の舎弟にして右腕よ。ここがお前の墓場となるだろう」
誰が右腕だ・・・・・・と思いつつもそれっぽい雰囲気を出しているモヒーに対し、相手は120勝無配の拳闘士。
「く、できるな。だが我が拳は刹那!受けてみよ奥義・極正拳を」
そういうと拳闘士は踏み込み、強烈な打撃を開始した。
「お、お?おお!?」
モヒーはその乱打に何もできず棒立ち、いたるところを打ち据える猛攻に観客は大盛り上がりだ。何してんだあのバカ、殺すぞ。
「止めだ、青竜拳!!」
まるで竜が昇るかのような強烈なアッパーがモヒーの顎を打ち抜いた。崩れ落ちる愚か者。
「うぎゃあああああああああ」
絶叫し転がる愚か者を踏みつける勝者・・・・・・モヒーの姿があった。
「くすぐってえんだよバカ野郎!!ヒャッハアアアアアア!!!!」
全てクリーンヒットしていたが、モヒーの強靭な骨格、筋肉を抜くにはいたらなかった。というか並の拳法家では殴った方が粉砕骨折を起こすことだろう。
『勝者モヒー!!衝撃!!強すぎるぞモヒー!!』
煽るレフェリー兼アナウンサー。次のチャレンジャーがモヒーに挑む!
「誰でもかかってきやがれえええ!!俺がゼロ様親衛隊長、鋼鉄のモヒー様だああ!!」
だからどこからそういう設定がつくんだこのバカは。おい、客共、ゼロ様って誰だとか言ってるんじゃねえ、探すな、それは反則だ。
『勝ち残った鋼鉄のモヒーに挑むのは150勝の猛者、コロシアムの処刑人、ワーウルフだあああ!!』
そう言われて出てきた男の頭は犬?狼だった。
「クソ犬畜生がああ、てめえはお座りでもしてなあ!!」
そういって先手を取ったのはモヒーだった。モヒーのタックルを真正面から受け止めたワーウルフはそのまま押し込まれて背骨を折られてリタイア。
『強すぎる!モヒー強い!!さあ、次はコロシアムの切り札、ミノタウロスだああああ!!!これはでかい、強いぞ!!』
モヒーに対峙したのは5人がかりで連行されてきた6mはあるだろうミノタウロスだった。
「お前は俺の晩飯だああああ」
「ぶもおおおおおお!?」
牛肉が食えるとか言い出したモヒーによってミノタウロスは一撃で腿をもぎ取られてしまったのだった。
『強いぞモヒー!!この男を止められる奴はいないのか!?はい!あの人を呼んでみましょう!!チャンピオンどうぞー!!!!』
『わああああああ!!!!』
ひときわ派手な歓声と共に花火が炸裂、スモークの向こうから登場した男はモヒーよりも遥かに小さい優男だった。
「ヒャハ!そんな細い野郎が俺に勝てるとでもおもってやがるのかああああ!ぶっつぶれろっすよおおおおおお!!」
モヒーの豪腕が闘技場を砕くがチャンピオンは軽く回避する。追い討ちでラッシュをぶち込みまくるモヒーの拳は鋭く重くそしてえげつない。チャンピオンに確実に迫るそのラッシュは当たれば一撃で再起不能だろう。しかしそうはならなかった。
「なかなかの腕前だがここまでだ」
それだけ言うとモヒーの背後に瞬間移動し、延髄を一撃軽く打つだけでモヒーの動きが止まってしまった。
「レフェリー、カウントはいらないよ。彼はもう気絶している」
『チャンピオンつよおおい!!さすがチャンピオン、拍手だあああ!!!』
『わああああああああああああ!!』
「なんだそのクソみてえな技は!!!」
元気なモヒーのフルスイングがチャンピオンの顔に炸裂。優男の甘いマスクがグロイマスクに変わるのをしっかり見てしまった。笑える。グヘ、グヘヘヘヘェ!!
『あ・・・・・・えと、新チャンピオンはモヒーさんです!!』
あっさりとモヒーは闘技場の王者になってしまった。
小娘の日記
モヒーの活躍がすごい。性格はともかく本当に腕っ節の強さはゼロの右腕と言っていいかも。
でも私いつまでクソ女呼ばわりされるのかしら。ゼロも小娘って呼ぶし・・・・・・私にも本当の名前が・・・・・・。
※ちょこっとキャラ紹介
ゼロさん・・・・・・モヒーに賭けて大もうけ。あとでガムを買ってあげることを約束した。
小娘・・・・・・未成年なので夜の部は見れず。宿で大人しくしている。
モヒー・・・・・・最強の王者に君臨する。コロシアムで活躍した彼は襲撃される可能性特大。
120勝の男・・・・・・ただの人間にしては強い。ただしモヒー相手ではゴミのようなもの。
150勝のワーウルフ・・・・・・かなり強い。しかしモヒーが強すぎた。
ミノタウロス・・・・・・かなり強い。しかしモヒーの敵ではなかった。むしろ飯。
チャンピオン・・・・・・武道の達人だったが、モヒーがやばすぎた。
ピカレスクマッチ風になっていきそう




