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無血革命

「商会の権限を廃止する!」


「我ら貴族は王家と手を取り、市民の生活を守ると誓う!」


雲間から光が差し込む中、ペルジェ王国は新たな歴史を刻んだ。




「ただいま戻りました、サブリナ様。」


「あら、おかえりさない。申し訳ありませんけど、私ももうすぐ舞踏会ですの。」


アレンとの決闘の後、ハンスはポリニャック家の代表として西へ東へと大忙しだった。


「全く、無血革命後はお互いに時間がとれませんな。」


「あら、嬉しい悲鳴じゃありませんか。」


ポリニャック家が代替わりすると、サブリナも社交界に本格的に顔を出すようになった。

貴婦人の悩みを聞き、たわいも無いことに花を咲かせ、時には便宜を図ることでポリニャック家の地位を磐石にした。


「しかしよく思いつきましたな。商会から貴族に宝石などの高価なものを勧め、代金の3分の1は税として徴収するなど。」


「3分の1は商会の利益になりますから、皆様喜んで貴族相手に商売をしますわ。物価も下がって市民も大喜びじゃありませんの。」


「……大したお方だ。」


早い話が、富を巡らせる仕組みですわ。使えるものはなんでも使うものですの。


「あなたが殿下と手を取り合い、広場で宣言したことが効きましたわね。我がポリニャック家の評価も上がりましたわね。」


「あなたが描いた絵ではありませんか……。言っておきますが、あのまま続けたら私は殿下に勝利していました。」


「まあ、嫉妬?ポリニャック家に婿に入っても変わらないわねえ。」


「い、いけませんか!?殿下は私の仇のようなもの!!」


サブリナは思わず吹き出したまま高らかに笑った。


「しかし、これからです。サブリナ様。陛下への支持は高いですが、今のあの方には奥方もご子息もいない。

今の状態が続けば、納得しない貴族も出てくるでしょう。」


「そのうちお相手を紹介しますわ。あの方はよりどりみどりですもの。」


「……心配、しないんですね。」


サブリナはふ、と僅かに笑う。


「あの方は……もう殿下ではないから。」


枯れ落ちそうなコスモスから最後のひとひらが落ちる。


――その時。


「サブリナ様!フローラ嬢が……!」


サブリナは一瞬だけ目を細め――


「……連れてきなさい。」


第3部、完


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