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スッポンポンな骨の身体、狼の粘液を添えて

タイトルにはこうありますが、大人の内容ではありませんよ?



はむはむはむはむはむーー


 あれからナージャさんが俺の泊まる部屋に案内してくれたんだが、何故かそこで俺は狼さん...いやアスタだったな。とまぁそのアスタさんに甘噛みをされている。一応優しく噛まれてるため体力を削られる心配はないんだが如何せん口が自分よりもでかいから飲み込まれそうで怖い。それにヨダレでベトベトだ。


〈【粘液耐性Lv.1】を会得しました。〉


 そんなにベトベトしてんのか俺は。


ーーアスタさん一回止めてくれないか?え、アスタさんはやだ?わかったアスタって言うから。ふぅ、ちょっとやらなきゃいけないことがあるから離してくれる?


 そう言うとアスタは案外潔く俺を離し、身体をその場でくるませた。だがそのまま俺はアスタの尻尾で身体の方に引き寄せられ、尻尾とお腹の側面の間に優しく押し付けられた。

 心地が良いので俺はそのままステータスを確認することにした。


ーーステータスオープン


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

【骸骨:頭欠損】(個体名:ネクト)

Lv.1     職業:未定

障壁89/100

魔液:50/50

力:40

守:10

精:100

敏:20

技:30

運:10


保有スキル

【魔力感知】【魔力操作】【魔液急流】【魔力念話】

【移動速度上昇Lv.1】【鎌術Lv.1】【鑑定Lv.1】

【粘液耐性Lv.1】【頭変換Lv.1】

固有スキル

【首刈りの才Lv.1】【骨吸収】【首切衝動】

《弱体化スキル》

【打撃脆弱】【光脆弱】【核軟化】

信仰スキル

【魔女神の祝福】

称号

【タラシボーン】

世界旅者(ワールド・トラベラー)


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


  そう呟くと目の前にこのUIがでてきた。しかもオプションで大きさと色を変えられるらしい。って、障壁減ってんじゃねえか!舐められただけで減るとか...まぁ取り敢えずそれは置いといてスキルの確認だ。

 そういえばサナさんから貰ったっぽいスキルもあるんだよね。またいつぞやの《 》もあるし...見るのがなんか怖い。


【魔力感知】

 身の回りに漂う魔力を肌で感じとることができる。

《慣れれば生き物の魔力を感じられるようになる。》


【魔力操作】

 己の魔液中に流れる魔力を操ることができる。

《慣れていくほど魔力を上手く扱うことができるようになる。》


【魔液急流】

 己の魔液の流れを強制的に活性化させる。

《多用しすぎると魔液が暴発し、一定時間魔力を扱えなくなる。》


【魔力念話】

 魔力を相手に繋げて念話できる。その距離は魔力がある所であれば関係がない。

《このスキルは【傍受】の影響を受けない。》


【粘液耐性Lv.1】

 粘液による体への影響を減らす。


【頭変換Lv.1】

 己の手で刈り取った頭の持ち主の能力をその身に宿すことができる。

 《登録できる数は(レベル量)×2個》



 ナニコレ、そのまま相手の能力を使えるってかなりやばくないか?最初は数に制限があるにしろ、上げてけばその上限も上がるだろうし。

 他のは、まぁ一般的かな?ほっ...。

 取り敢えずサナさん、ありがとうございます。これで一層楽しむことができそうです!


 そう心の中で俺はガッツポーズを取った。


 と、次は弱体化スキル?これもまた魔力のおかげで見えてるのか。打撃脆弱、光脆弱...まぁ、骨だしアンデッドだししょうがないよね。だが核軟化ってのはイメージできないな、どれどれ?


【核軟化】

 自分の核が脆くなってしまう、その脆さは赤ちゃんの攻撃で壊れるほど。

《進化でこの弱体化を軽減させることができる。》


 赤ちゃん...それは弱体化しすぎるだろ、敏捷に振ってるとしても。進化で固くはなるらしいが、

早く進化しなきゃな...

 さて、お次はっと。


【魔女神の祝福】

 魔女神に特に気に入られた者を証明するスキル。

 魔物にとってこれは極上の代物であり、人間にとってこれは害悪でしかない。

 また、持っていることの証明として身体の一部に紋章が現れる。

《魔物の友好度上昇率大

人型との友好度減少率大

レベル増大時ステータス上昇率大》


 まぁ人型と俺が魔物の時点で仲良くする気はさらさらないから別にいいんだけど。でもステータス上昇率大は強い。普通の魔物とは一線を超えた強さになれそうだ。てかこれって人間の場合も書いてあるってことは今までに貰ったことのある奴がいたんだろうか?もしくは今も...考えてもしょうがないか。

 ちなみに紋章は俺の核に現れていた。デフォルメされたドラゴンの模様が描かれていた...かっけぇ。

 さて、称号は


【タラシボーン】

 骨の有様で異性をたらしこもうとした証明。

《君のおかげでこっちは心が傷ついたんだからね!まあ楽しんでね!byサナ

異性の魔物との友好度上昇率小》


 おう...、隠しステータスまでにもメッセージを残してくるとは大胆な。というかサナさん口調ってやっぱりこれが素なのか?だとしたらさっきのはかなり無理してたのか...今度あったら労わろうかな。

 あとこの称号は絶対見られないようにしないと。称号までに浮気者扱いされたら泣いちゃう。


世界旅者(ワールド・トラベラー)

 プレイヤーで初めて他世界に渡った証。この称号を手に入れたものは浮気性の疑いあり。

《旅先の幸運度up》


 余計なお世話じゃ。それにしても幸運度?また新しい隠しステータスか...このゲーム隠し要素多いなー。まぁ探索好きな俺にとっては望むところだがな!


ーーさて、ここら辺でステータスの確認は終わりかな...あとはこの効果を試したいんだが。アスタ、ここで暴れてもいい庭とかないかな?


 ここに来る途中庭みたいな所があったはずだ。迷惑でなければ体を動かしたい。


はむ


 あっ、やっぱり咥えるのですね。

 アスタは俺を咥えたままその部屋を駆け足で走り去った。どうやら庭に連れていってくれるようだ

 や、やめて。走りながら俺をぺろぺろしないで

ー!


ーーーーーー○


〈【粘液耐性】のレベルが上がりました〉


 あれから庭に連れてこられたのだがいきなりアスタに地面に組み敷かれたと思ったら骨に思いっきりしゃぶりつかれた。もう身体がヨダレでベットベトである。これは、早急にレベルをあげる必要がでてきた。大きくなれたらまずはアスタに仕返ししてやる...もふもふもふ、ぐへへっていかんいかん。

 というか、初めてのレベルアップがよりによって【粘液耐性】とは...複雑だ。

 ではこれから技だめしとでも行こうか!

 まずは装備を変更してと...今気づいたらずっと骨の体のまんまだった。現実だったらスッポンポンと同じだ、恥ずかしい。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

装備

 体:なし

 腕:レザーバングル

 腰:レザーズボン

 足:レザーブーツ

 装飾品:ボロボロのマント

 武器(利き手):ウッドサイズ

 武器(サブ):ウッドナイフ

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 よし、装備完了っと。近くの水場で自分の姿を見てみると浮浪者みたいでザ・アンデッドって感じがする。武器の性能も...まぁ初心者ようだしまずまずかな。


【レザーバングル】

 何かの動物の皮で作られたバングル。

守+1   破壊不可


【レザーズボン】

 何かの動物の皮で作られた半ズボン。

守+1   破壊不可


【レザーブーツ】

 何かの動物の皮で作られたブーツ。

守+1   破壊不可


【ボロボロのマント】

 黒い生地で作られた見た目は汚れているマント。

《この武具は進化する可能性を秘めている。》

敏+5   破壊不可

【オートクリーン】機能


【ウッドサイズ】

 雑木で作られた大鎌。大した切れ味はない。

力+3   破壊不可


 全部破壊不可...初期装備だからか?まぁありがたいことこの上ないが。

 それとマント意外は普通だとして、進化?それにクリーン機能なんてのもついてるし。まぁ十中八九サナさんからの贈り物だと思うがありがたく頂いておこう。

 そのお礼と言ってはなんだが、これを進化させられるよう努力することで返そうか!


 さて、お次は訓練だ!


 まずは基本の型からだ。大鎌という現実では重さがネックにほとんど使われない為あまり学習してこなかったがここはVRのため高いステータスに任せてある程度扱うことができる。戦闘でうまく扱うためにも慣れなくてはいけない。

 一応鎌術があるため基本の動き方は分かるが応用がきかない。


 そこから一時間、俺はひたすらに大鎌を振り下ろし、その重さに振り回されて地面に刺さらないように気をつけて繰り返した。

 その結果【鎌術】も二度レベルアップして上手くなったことを自覚できた。


 はぁはぁ、そうだこの武器に魔力を纏わせることはできないだろうか。マジックサイズ...なんかワクワクするぜ!


 ということで物は試しと取り掛かることにした。一度目は試しに武器全体に行き渡るように強く強く魔力を纏わせて振り下ろしてみたが、予想以上に重くなっており、そのまま地面に激突させてしまった。武器に刃こぼれはないみたいだが刺さった瞬間地面に流れた魔力が暴発し地面が少し抉れてしまった。

 強く纏わせれば纏わすほど重くなるようで、敵に当たれば内部からダメージを与えられそうだ。スプラッタみたいになりそうで怖いけど...


 次は魔力の量を減らして薄く刃に纏わせてみた。その状態で振り下ろすと刃から青い線が放たれ、目の前にあった岩に少し傷跡をつけて消え去った。適当に纏わせたからか威力は余りないみたいだが牽制には丁度良さそうだ。

 その後繊細に薄くまとわせて振り下ろして出た青い線は先程の岩にたどり着く前に消えてしまった。魔力が少ないほど消える時間は短くなるようだ。


 その後服にも魔力を纏わせたりして試した結果わかったのは...

・込められた魔力が多いほど武器が重くなり破壊力が大きくなる。また、余剰分の魔力が対象の内側に入り中からダメージを与えることができる。

 尚、防具の場合は大鎌の刃が通らなかった。一応素の状態で木ぐらいは切り倒せる。

・武器に纏わせられる魔力には限界がある。

・刃に薄く纏わせた魔力は武器の切れ味を高め、振り下ろすと魔力の刃を打ち出すことができる。

・魔力の消耗が激しい。


の4つだ。

 魔力が回復したあと自分に魔力を纏わせて動いてみたのだがその状態に身体が耐えられないようで、全身からきしむ音が聞こえてすぐに辞めた。

 この魔力を纏う、そうだな【魔凱】と呼ぶか。

これは切り札として使った方がよさそうだ。


 そうだ、これはどうだろうか


ーー【魔凱】、からの回転!


 俺は魔凱を鎌にまとわせてその場でぐるぐると回ってみた。目論見通り魔力が渦となりあたりを巻き込んで上に上がっていった。


〈【魔凱】を会得しました〉


 お、スキルに至るまでになったようだ。これで発動が楽になる...


〈初めてオリジナルスキルを会得したものが現れました、これよりオリジナルスキルの詳細を開示できるようになります〉

〈是非個人だけのスキルを手に入れられるよう皆様にはより一層の努力を望みます〉


〈初めて会得したプレイヤー[ネクト]様には称号【スキルメイカー】【進撃の攻略者】が与えられます〉

〈運営からメールを受信しました〉


 毎度の事ながらやらかしました。ただ自重はしない、魔物だもの。来たら返り討ちにできるよう努力するのみだ。

 運営からのメールも気になるが、まずは称号の確認から。


【スキルメイカー】

 プレイヤーで初めてオリジナルスキルを手に入れたものに与えられる称号。

 これを最初に会得したものは真の努力者である。

(オリジナルスキル会得率up小)


【進撃の攻略者】

 短期間で多くの初めてを奪ったものに与えられる称号。(早すぎる。だがそこがいい byサナ)

(イベントに巻き込まれる可能性up小)


 なんだかうまく行きすぎて怖いな。称号ってオープンβじゃトッププレイヤーでも1つ持ってるだけ運がいいて聞いたんだが...まぁ、嬉しいのだが。

 てかサナさん、またですか...神様って忙しいイメージなんだけどなー。


ーーさて、次は実戦したいのだがいい場所はあるか?アスタ。


「ちょっといいかの?ネクト」


 その前に何か相談があるようだ。ってこの人何気に俺の魔力念話盗み聞きしてないか?


筆者は将来VRMMOがでたらこんなふうに試行錯誤してロマンを見つけることが夢です。


皆さんはロマンを追い求めたことがありますか?


(2018/11/01)

 文の最後に『。』を付け加えました。

また、[狼さん]→[アスタ]に変更

(2018/11/23)

 後の話に支障をきたすため初期装備の耐久力を破壊不可に変更。


直しが多くてすいません!



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