初進化!されど問題は山積みである...
さぁ、強制的にリアルへと戻された主人公。
ここで主人公のプライベートが明かされるか?!
ん...ここは、そうかリアルに戻ってきたのか。
先程溶かされる感触を味わいながら戻ってきた景色はいつも見慣れた自分の部屋。
ベッドがひとつに木製の机がひとつとすこし裕福な家庭でよく見る部屋の様式だ。ここは自分の安心する場所であり、悲しさを思い出す場所でもある。何故かって?それは...
『よぅ、相棒!やっと戻ってきたか。ゲームの中で並列思考を使うとすぐに強制的にこちらに戻されるらしくてな?俺様先に戻ってきてたわ!』
こいつが脳内にいたからだ。
今の時代、幽霊や霊現象などは全て信じられなくなってしまった。科学によって全てのことが証明され、オカルトや魔法なことは無いとニュースでも取り上げられた。
そんな中僕の頭の中で誰かの声が聞こえるとか言ってみろ。家族や周りの人に奇異の目線で見られちまう。いや哀れみだな。何故なら俺の身に起こったあの事件があるからな。それのせいなのだろう、可哀想にと見られちまう。
『おーい、どうした相棒?返事しろー!』
『すまん、すこしボーッとしてた。』
『そうか!まぁしょうがないわな...あんなことが起こったんだからな!』
だがこいつがいて、まぁうざいと思うことはあるが。それよりも助けられてる時が多いからな。
『相棒調子悪いならすこし休めよ?相棒にぶった倒れられたら俺も同じ経験を味わっちまうからな!!はっはっはっ!』
・・・まぁこれがこいつの優しさってもんだ、多分な。それよりも...
「やっぱり凄いな、ユッカは...。まだ一時間ぐらいしか経ってねえとはな。」
そう、机の上に置いてあるデジタル時計は先程INした時から一時間ぐらいしか経ってないのだ。
これはユッカ独自に機能する【スローターシステム】によるものだ。このシステムのおかげでユッカの中で四時間過ごしても現実では一時間しか経っていないのだ。とまぁ、これこそが世間に莫大な人気が出た理由だろう。
通常はゲーム内で二時間すごして現実で一時間だったので助かる人も増えている。
ただ時間が開きすぎると他プレイヤーとの差がとてつもなくなるので不満も一応はいっているが...
『感傷に老けるのもいいがそろそろ飯食いに行けよ?俺様も腹が減っちまった。』
『ああ、そうだったな。あとさっきから気になったんだが何で俺の体調と同じなんだ?幽霊は腹は空かないんだろう?』
『俺様にもよくわからん。だが多分俺達の秘密を知ったことで俺様との絆が深まって共有することになったのだろう。不便ったらありゃしないな!』
そうか、あれが原因で。多分あの場にノーシェがいなかったら俺らはこんな関係ではいられなかっただろう。ノーシェにはまた後でお礼を言わないとな。
『んじゃ、取り敢えず飯食うか!』
『おう!』
そして俺は身体をほぐすためにストレッチをして夕飯を食べに階段を下って、下のリビングへと向かっていった。
「今日の飯はなんだろなー?」
『もしかしたらうな重とかあるんじゃねえか?!』
『んな祝い事でもないのにないって...』
ガチャ
そうキチと馬鹿なことを話してリビングに入ると、机の上に真空ボックスと誰かからのメモ書きが。
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翔へ
ごめんね、今日もお客さんが多くて帰れそうにないの。だからこっちで作ったものを運送システムでそっちに送っておくね?その真空ボックスには保温機能もあるから火傷しないように気をつけるのよ?あと多分の朝には帰れるから、夏休みだからって夜更かしするんじゃないわよ?
母より
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『相棒、気を落とすんじゃねえぞ?いつもの事じゃねえか。』
『あぁ、分かってるよ。母さんは忙しいしな。』
俺の母親はある地区でレストランを経営している。今の時代食事は機械が作ることが多いため人の手によって作られた料理は貴重なのだ。
えそれよりも運送システムなんて便利なものがあるのに何故メモ書きなのかって?
それは母さんのポリシーだ。母さんは家庭の味のイメージを崩さないように今から100年ぐらい前の家庭様式を守っているのだ。まぁわざわざ不便にするわけも行かなく、時には今の時代のシステムも使うが。
「いただきます。」
この言葉も100年以上前から使われていたと思うと、歴史の深みを感じる。うん、上手い。
ちなみに真空ボックスの中身はパスタとその他おかずを二品と栄養が考えられたメニューだった。ありがたいな...。
飯を食い終わったあとは風呂に入って、トレーニングルームで日課の筋トレをした。VRMMOをやるには体力も必要なのだ。なんせ身体を壊す訳にはいかないからな!
その後シャワーで汗を流して、そのまま自分の部屋のベッドにダイブイン!はぁ、落ち着く。
さて、確か進化に一日かかるとか言ってたな。これってユッカの中のことか?それだったらだいたい夜の0:00に終わるんだが...まぁ一度INして直ぐに寝ることにするか。夜更かしは身体の調子を悪くするのだ。
それまで俺は夏休みの課題を少しでも終わらせようと真剣に取り組んだ(学校でもやっていたのでほとんど終わってるが)。
ーーーーー◇
よしそろそろいいかな?
そうして一通り課題を終えた俺がデジタル時計を見るとその時間は0:32。案外熱中してたな...。さてINしますか!
直ぐに寝れるようにトイレを済ませ、ベッドに入りバーチャライズを装着。さぁ行こうか...
「リンク!!」
その瞬間俺の意識はユッカへと落ちていった。
〈進化残り時間00:05:10。そのまましばらくお待ちください。〉
あー、終わってなかったのね。まぁあと5分ぐらいだし少し待つか。てか今の俺の目線てどうなってるんだ?これは見下ろしてるのか?
その目線は俺の分体の周りに広がる魔力から見ているようであった。
そして今見えてるその景色には白く光る靄のようなものが写り、周りの消化液に溶かされながらも必死に形を変えているようでもあった。
『相棒がどんなふうになるか楽しみだぜ!』
『ああ、俺もだ。ただ...進化した途端周りの消化液に溶かされそうで怖いが。』
『あ、確かに...,まぁ大丈夫だろう!俺様の勘もそう言っている!』
『勘って...まあいいや。取り敢えずあと三分ぐらいだし、気長に待つとしよう。それに記憶の限りでは消化耐性が5まで上がったはずだからそう死ぬことは無いだろう。』
ーーー三分後
ついにその白い靄は形を変え、一つの骸骨へと変貌を遂げた。ってあれ?なんも変化がないような?いや、頭がないのは変わってないし。うぉ?!
その変貌を見終えた瞬間俺の視界は以前と同様になり目の前には黄色い粘液が広がっている。正確に言えば周り全てにだが。
さて、進化した俺のステータスはどうなったかなーっと。ステータスオープン!
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【骨溶骸骨】(個体名:ネクト)
Lv.1 職業:未選択
所属:義遊魔王軍 功績35/100
障壁:231/250
魔液:200/200
力:71
守:65
精:160
敏:60
技:80
運:25
保有スキル
【魔力感知Ⅱ】【魔力操作Ⅱ】【魔液急流Ⅱ】
【魔力念話】【統率】
【移動速度上昇Lv.1】【鎌術Lv.3】【鑑定Lv.8】
【奇襲Lv.1】【粘液支配Lv.1】【溶骨操作Lv.1】
【頭変換Lv.1】【テイムLv.1】【骨爆弾】
耐性スキル
【消化無効】【粘液無効】
固有スキル
【首刈りの才Lv.1】【骨吸収】【首切衝動】
【溶解液Lv.1】【核溶硬化Lv.1】
《弱体化スキル》
【打撃脆弱】【光脆弱】
信仰スキル
【魔女神の祝福】
称号
【タラシボーン】
【世界旅者】
【スキルメイカー】
【進撃の攻略者】
【義遊魔王軍所属遊撃担当】
【美味ボーン】
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〈履歴にアナログ(アナウンスログ)が残っております。聞きますか?〉
ふむふむ、そこまでステータスに差はないかな?まぁゲーム上強くなりすぎたらバランスが崩壊するもんな。それはしょうがない。それと〈アナログ〉か...。消化液によってまぁ障壁は溶かされてるが本体には無効らしいからな。取り敢えず聞いておこう。
ーーはい
〈プレイヤーの許可を確認。これよりアナログを流します。〉
〈【骸骨】の進化完了を確認。
【骨溶骸骨】へと進化致しました。〉
〈進化に伴い【骨溶操作】が【溶骨操作】に変化。また弱体化スキル【核軟化】が消失。新たに【核溶硬化】【溶解液】を会得しました。〉
〈【粘液耐性】【消化耐性】がレベルMAXとなったためそれぞれ【粘液無効】【消化無効】に進化致しました。〉
〈【消化無効】を会得したため【骨爆弾】を会得。つんでしまった際これを使いリスポーンすることができます。〉
〈魔力の質の変化により【魔力感知】【魔力急流】が熟練度アップ。〉
〈以上でアナログを終了致します。〉
なんか色々変わったな...てか職業の欄が未定じゃなくて未選択になってる。選べるのか?
試しに職業を選択したいと念じてみると目の前にズラーッと現実でもよく聞く職業や、聞いたこともない職業も載ってるウィンドウがでてきた。
そこにはあのスラむがもってた職業の下位互換的なやつが...詳細をタップと。
【脇役】
脇役と侮ることなかれ。実はマスコットとなる可能性もあるのだ。目指せ名脇役!そしてそれを超えてゆくのだ!
[成長方向]
パーティを補助するスキルを取得できます。
また、魔液と守が上がりやすくなります。
説明文が必死だな!それと激昂の言葉も入ってるし。てかパーティ補助?いやいや、あのスラむの攻撃はこっちを殺しにかかってきたけど!?
はぁ、マスコットは別物になるのかな?まぁ自分は選ばねえし考えなくていっか。
そして俺は自分の琴線に触れる職業を探しているのだが、なかなかそうもいかない。剣士、弓士、墓守、騎士、魔術師。どれもピンとこない。なんて言えばいいか、そうロマンがないのだ!在り来りな職業なんてつまんないしな!まぁ面白い人もいると思うが私はロマンを追い求める男。妥協はしないぞ!
おっ、これはいいんじゃないか?詳細...!
【草刈り人】
草を刈り取る者。あらゆる草を全て刈って刈って刈りまくれ!そしてその先に己の刈りたい物を見出すのだ。
[成長方向]
刈り取りに特化したスキルを取得できます。
また、攻・敏・技が上がりやすくなります。
やばい...。ロマンの香りが漂ってくるぜ...!
まぁ鼻はないのだがな!!いや待て...もう1つこれは。
【死者】
職業までも死者となることを決めたのか。ならば見出すのだ。その先にいる己の姿を。さぁ足掻け、足掻くのだ!さすれば己の道が開かれよう...
[成長方向]
生存するためのスキルを取得できます。
また、力・守・精が上がりやすくなります。
もしかしてこれって死神になれたりして?
ちなみにユッカでは【魔物】は今就いている職業のレベルがMAXになったら次の職業につけるようになり、最大まで5つまでストックすることができる。ちなみに【無機物】も同じそうだ。
だがその点【人型】は最初から2つまで就くことができ、最大10個までストックすることができるそうだ。
(さっきの勉強の時間中に息抜きに見てた。)
まぁ最初は攻撃方法を増やすか。如何せん身を守るすべが少なすぎる。技がひとつでもあればスラむとの闘いでももう少し善戦できただろう。
よし選択っと。
ーー対象【自分】職業【鑑定】
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職業:草刈り人
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くぅ!やっとこれで真にニートから脱出だ!
そう俺は心の中でガッツポーズをし、しばらくその感動に浸っていた。
だがその感動も直ぐに薄れる事になる。何故ならば...いまだここは龍の腹の中だからだ。
とまぁ問題は山積みです。山積み!(大事なことだ...(略))
次にここから抜け出せるかは、作者次第!




