骨は旨みとなり食される
はたして主人公ネクトは無事に地上にたどり着くのであろうか...
作者は一応足のつく場所には下ろす予定ですよ?
なんだ?なんか視線を感じるような...
【魔翔】によって地上へと飛んでいる最中ずっと何か目線を感じていた。それは俺に絡みつき束縛するような、ねっとりとしたものであった。
ーーークワ...ギャ...。ガフガフ...
ん?何だこの声...鳥じゃ...ないよな?それとなんか嫌な予感が...
どこからともなく聞こえてきたその声に俺は不安を感じていた。
『相棒...?早く逃げた方がいいと思うぞ、てか逃げろ!早く逃げろ!さもなきゃ死ぬぞ!』
『奇遇だな、俺もかなりやばいと思ってたところだ。スピード上げるぞ?』
『ああ、そうしてくれ。っておいおいなんじゃありゃぁ。相棒下を見ろ!』
『下?って...?!』
ギャーーー!!ガァ!!ガファーー!
そう言われて下を見た俺はその光景に絶句してしまった。なぜならそこには翼を持つ鳥、いや怪鳥が無数にこちらに向かって飛んできていたのだ。その姿は千差万別で、炎を纏う鳥、水を纏う鳥、雷を纏う鳥など...そんな奴らが互いの身体をぶつけ合い、傷つけ合いながらも誰よりも先に獲るという気迫が見て取れた。
その目は全員が血走っており、一直線へと俺に...俺に?!
『うぁぁ!?やめろ来るなー!!』
『相棒、早く逃げろ!捕まったら食われるぞ!』
『そんなの分かってる!!魔翔を全力でええ!?』
【魔翔】フルバーストをイメージしてみたらものすごい速さで景色が流れていき、下にいた魔物達も豆粒となってだんだんと見えなくなった。
だがその影響で俺のMPが一瞬でからっけつとなってしまい、後は重力に任せるしかないようだ。それまで暇だしキチと話でもするか...
『なぁキチ、なんであんなにでっかい鳥が集まってきたんだろうな?俺なんもしてないと思うんだけど...』
『はぁ、相棒?さっき自分のした事をよく思い出してみろ。』
『さっき?さっきは【魔翔】を発動させただけだな。それがどうかしたか?』
『それだよ、相棒。ここからは俺様の推測なんだが...さっきの魔力はまき餌の役割をしたんだと思う。釣りの時に魚おびき寄せるのに使うだろ?あれと同じだ。』
『あー、そゆことか...ようするに俺はルアーとなったわけだ。それに食い つこうとするやつ...自然の摂理だな。』
『そういうこった。』
『あれ?今も【魔翔】を力一杯使ったから危ないんじゃないか?』
『たぶん、大丈夫だろう。その使った場所からもここはだいぶ離れている。それにリアルのまき餌と違って匂いがつく訳でもないしな!』
『それもそうだな...ははは!と言っても...ここからどうやって生き延びようかってわけなんだが...キチと話してる間は外での時間が4分の1になるが、それでもそろそろ手遅れになるぞ。』
『そうなんだよなー。下が海とか湖だとしても落ちた衝撃で死んじまうしな...。そこはリアルにしなくてもいいのにな...』
『最もだな。さっきしに戻ったばっかりなのにな。また死んじまうのか...』
考えてもMP空、Lv.1の俺にはなにもすることができるはずなく、潔くキチとの会話をやめて時間の感じ方を元に戻した。そのまま重力に身を任せ、下へ下へと落ちていった。
雲を突き抜け下はどんなかなーって見たら一面に蒼が広がっていた。
ーーおおー、海だ。透き通ってやがる!
『そうだな相棒。こりゃリアルでは見れない代物だ。』
キチも驚きのあまりか話しかけてきた。ただここで返事するのも無粋だろう。だから俺は頷くことで返事をした。
海ってことは助かるかって思ったが、やっぱり水面に叩きつけられた瞬間に死んじまうと考え直した。
ん?なんだあれ...何かの背びれ?魚っじゃないよな。高いところにいるせいか具体的な大きさはわからないけどとてつもなく大きい気がする。て、こっちの方に向かってきてないか?
『いや、その通りだと思うぞ相棒。』
『ですよねー。』
ただそれに気づいたところで俺には何もできない。もういっそ殺せ!と開きなおって抵抗せず海に落ちていった。
ザバン!!
そして、大きい音を立てて海からでてきたそいつはこちらに顔を向けてそのどデカい口をグパッと開けて俺を飲み込もうとしているようだった。
口を開けた途端白い湯気がでてきた。多分その煙は生臭いんだろうが今の俺には鼻がないし、魔力での匂いの感じ方がよく分からない。まぁ、そんなの感じても感じなくてもどっちでもいいけど...。
そしてその艶めかしく、赤い舌が見えるくちに落ちていき、
バクン...!!
俺はその龍に食われてしまった...。
そのまま俺は龍の舌を滑って暗く深い闇の中に落ちていき、ゴクンッという俺を飲み込む音が虚しく、静かに響き渡った。
〈【粘液耐性】がレベルアップしました。〉
その声も今はありがたいよ。普段は虚しくなるだけだがな!
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ご覧下さい!奥に見えますのはかの有名な酸風呂でございます!シュワーと溶ける音が聞こえ、ギャーっ!と悲鳴が聞こえるお風呂。いやー素敵ですね。とっても肌に良さそうで、ツルツルになりそうです!
『って、んなわけあるかー!』
『何やってんだ相棒、一人芝居なんかして。ダサいぞ?』
『うっせ、こうでもしねえと気が保ってられねえんだよ。あっちこっちから悲鳴が聞こえるし、気が狂いそうだ。』
『まぁそりゃ同感だがな。特にこの光景を見たら、な...』
今俺は多分この龍の胃の手前の方にいる。何故胃って分かるかって?ははは、2度言わせるつもりかい、そりゃないぜ...
てまぁ、冗談はそこら辺にして、目の前にあるのは湯気が立ちのぼる液体が満ちている場所。これだけだと風呂と思うかもしれんが...そんな訳ない。目の前では俺の何十倍も強そうな奴らが悲鳴を上げながら溶かされているんだ。もうジュワジュワと...それに液体はかなりの粘度を持っているようで中に入ったヤツらも抜け出せないでいた。
鑑定はしたかって?もちろんしたさ...その結果がこれよ...
【鑑定Lv.8】
何とか痛み我慢して数十匹鑑定した(でも死んでるやつにしたら痛みは発生しなかった)らレベルが3も上がった。ただし鑑定結果が見れたのはいかにも雑魚って感じのやつだけで他のでっかいのは名前までしかわからなかった。
ちなみに分かったのは
【バハムーギョ】【シーテンペスト】【ウルフヘッド】
【死苦夜露】【頭鎚魚】【猫魚】
【クリネムシア】【三頭魚】【オクタミナ】
なんとも強そうな奴らだ。それとバハムーギョって!ダブり防止のためか?!はぁ。
一応この龍の胃の壁に向かって魔力念話ごしに鑑定してみたんだが...
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【神海龍の肉壁】
ニルヴァーナで覇王と謳われる龍の肉壁。ただの肉壁と侮るなかれ。表面には攻撃魔法、弱体化魔法を反射する結界が張られ、その硬さもその弾力性で刃を通すこともなく、何者も傷つけることはできない。
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通りでさっきから液体に沈んでる奴らがなんか魔法っぽいものを放っても無事なわけだ。なんで自分で打ったやつが自分に当たってるんだと思ったがこれで納得いった。てか肉壁にやっても頭痛くなかったな...もしかして全体をイメージして鑑定してるからダメなのか?そうと決まれば...
ーー対象【バハムーギョ】のヒレ【鑑定】
一応魔力念話でひとつの対象に絞って鑑定してみた。
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【バハムーギョのヒレ】
地上のバハムートと対となる魚のヒレ。その振るわれる一撃は海を切り裂き、一度に数千の魔物を葬ると言われている。
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お、上手くいった!ステータスが見れないのは若干不便だがどんな素材が取れるのかはこれで分かるな。
他のも【鑑定】してみたいがそろそろ時間のようだ。もう足元にまで液体...いや消化液が迫ってきやがった。まだ触れてもいないのに身体が溶かされる感じがしやがる。あぁ、スライムに溶かされて、次は龍の腹の中で溶かされるって...俺は食われる運命にあるのか?
〈称号【美味ボネ】が与えられました。〉
そうですかい...。公式的に俺は美味しいのかよ!
って、称号手に入れたってことはさらに美味しくなってたりして...
ーー対象【美味ボネ】を【鑑定】
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【美味ボネ】
何度も食われてしまう骸骨はどれだけ美味しいのだろうか、その答えは捕食者のみぞ知るだろう。そして、この称号によりさらに匂い、旨みが引き締まることであろう。
《美味しさup♪》
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・・・美味しさアップ♪、じゃねえよ!美味しいのだろうか?知らんわ!捕食者のみぞ知るだろう?そうだね!俺ははた迷惑なんだがな!
はぁ、これゲームプレイヤーの設定にすれば無くなるのだろうか?いや、俺は命を感じたいタチだしな。しょうがねえ...
美味いなら 美味しく食べてもらおう 捕食者よ
だ!!
ギュルルルーーー
わぷ!いきなり増えやがった!て、ほんとに何も身動き取れねえ、身体に、身体にまとわりついてくる...!
〈【粘液耐性】がレベルアップしました。〉
〈【消化耐性】が2レベルアップしました。〉
いでででで?!この全身が溶かされる感触はさすがに辛い!リアルプレイヤーの設定でも現実の60%までの痛みだが...いったあ?!
〈【粘液耐性】がレベルアップしました。〉
〈【消化耐性】が2レベルアップしました。〉
もう、障壁も既に割れてるし。もうそろそろ全身が溶けそうだな。ああ、さらに粘液が絡みついて...
〈【粘液耐性】が2レベルアップしました。〉
〈【粘液耐性】、【消化耐性】が規定の条件に合ったためスキルが統合。【身体操作】を会得しました。〉
〈会得者の身体の条件にあわせ、
【身体操作】が【骨溶操作】に改ざんされました。〉
なんか...スキルを会得でも...したのか?やばい、もう意識が...無くなって...。
ガァ...
ん?なんか横に落ちてきて...そうだ...最後のてい...こうに...キチ!
『おうとも!相棒を助けられない俺様はと〜〜っても悔しいが、今はこんなことしかできねぇからな!』
『はや...』
『ああすまん!行くぜ、並列思考!』
それを使った瞬間、周囲の景色が意識下に映り、思考速度も格段にはねあがった。
『『よし、これならいける!【魔力操作】とはなんだ?それは魔力を変化させ、扱う能力。イメージ力があれば翼にも鎧にもなる。ならば何か武器にもなるんじゃないか?鎌...ダメだ粘液によって動かすことができない。ならば弓?引けない。銃...それならば!』』
ーー対象【ネクト】魔力量【鑑定】
魔力10/50
土壇場で一つの情報だけを見るよう試したのだが上手くいったようだ。時間が求められるこの状況で全てを見るのは無駄だ。
『『これならギリギリ行けるか?いや...いける、俺ならば行ける!』』
ーー想像【弾】変化【先端をネジ状に】
対象【目の前】点火【魔力によってバネを創造】
『あとは頑張れよ、相棒。そろそろ俺も限界に近い...並列思考解除!』
くっ...もういしき...が...。このイメージが...くずれる...まえに...!
ーー変化【回転】点火【射出】
そうして俺の土壇場で想像し、放った魔力の弾は目の前に沈んできた物体にめり込んだ。
グ!?ガアァ...
そして、弾は小さく回転し、消化されたことによって皮が柔らかくなっていたのか対象の体を無事に貫いた。それによって対象は力尽き、一瞬にして溶かされてしまった。
〈プレイヤーのレベルが上がりました。〉
〈レベル上限により余剰経験値は破棄されます。〉
〈レベルが上限に到達、これより進化を始めます。〉
〈注意:進化は任意で行うことができます。今の状況で行った場合進化先に多大な影響を受けることが予想されます。それでも進化しますか?〉
え...なに...進化?も...ういし...きもげんか...い、なんだよ...もう...どうにでも...なれ...。はいだ...
〈プレイヤーの許可を確認。これより進化を始めます。〉
〈進化によりプレイヤーの意識は強制的に現実世界へと引き戻されます。進化の所要時間は約1日。しばらくしたらINしてください。〉
もう...だめだ...
そして俺は以前にも感じた溶かされ何かに溶け込む感触をその身で感じながら意識を暗闇の中へと落としていった。だが奥深くには一筋の光が見えた。俺はその光へと手を伸ばし、リアルへと意識を戻していった。
ということでまた食われてしまった骨は一体どんな進化を遂げるのでしょうか。
ここで骸骨に、さらに色が追加されますよ。
特色物プレイとなるのか...!!
(2018/11/02)
自分のステータスを見る際に鑑定を使う理由を追記しました。
細かい理由としましては、
ステータスオープンだと全ての数値、スキルが開かれてしまうという設定のために、鑑定で細かいところを見れる。
度々修正してすいません!




