スインタクスと反乱軍
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「もし、貴族と市民達が君たちの武力蜂起を知ってなお、強硬姿勢を崩さなければどうする?本当にその時も君は3万人もの軍勢の鬱憤や怒りを抑えていられるのか?」
「そんなことにはなりもはん。貴族と市民達はおいら達の動きを知ってからでは何もできん。おいら達の要求を飲まざるをえんくなります。」
スインタクスの自信と決意は凄まじかった。それは弥太郎を正面から見据えるその力強い目からも痛々しいほど感じられた。
「俺は本当に君たちの味方だと思ってくれていい。この点ではクラッチさんと同じだ。けど、やり方に心配がある!もし、俺の言ったように貴族と市民達が君たちの要求に応えなかったらと考えるととても危ういように感じる!このことはクラッチさんも知っているのか?」
弥太郎の質問に少し目を細めたスインタクスはまたまっすぐ弥太郎を見ながら答える。
「知らせておりもはん!クラッチ様は貴族でごわす!もし、もし!このことをクラッチ様の耳へ入れておけばおいら達が失敗した時にその責任が全てクラッチ様にいってしまいます。それだけはできもはん!」
「じゃぁこの計画はクラッチさんは知らないのか‥‥。」
当然クラッチは知っていたと思っていた弥太郎は驚きを隠せなかった。スインタクスはクラッチを通して貴族の動向を探ってさえいなかったのだ。
その後、弥太郎はスインタクスの奴隷の扱いに対する不満を聞きながら、今後のことを考えているのか、心ここにあらずと言った表情をしていた。その時、話をしていた部屋を誰かが激しくノックしてきた。
「や、弥太郎さん!ここにいらっしゃいますか!!失礼します!」
声の主はクラッチであった。しかし、その慌てようは凄まじかった。
「や、弥太郎さん!大変です!き、貴族達が!執政官のサイモン殿が!!」
「サ、サイモン殿!?」
ノックの後すぐに入ってくるなりまくし立てるように話すクラッチに動揺する弥太郎。
「な、なんでここにスインタクスがいるのです?そ、それはいい!それよりも弥太郎さん!助けて下さい!このままではこのスインタクスも他の奴隷達も全員殺されてしまいます!」
「な、なんだって!!!ちょ、ちょっとクラッチさん!落ち着いて話を聞かせてくれよ!」
「じ、実はこの数日私が家に籠っている間に執政官の権限を使用し、鉱山で働く奴隷達に不穏な動きありとして、軍隊を編成しているんです!法に反発する彼らに国家転覆の罪をなしつけて、殺してしまう気なんです!ス、スインタクスもこの屋敷を出てはいけませんよ!」
早口で状況を伝えるクラッチによると貴族達がスインタクス達の蜂起を事前に知り、軍隊を組織したらしいのであった。
しかし、スインタクス達の行動を知らないクラッチは貴族達の動きを陰謀だと思っているようである。
そこクラッチに弥太郎が先ほどスインタクスから聞いた武力蜂起のことを伝える。




