アテラとディアボロとクロエ
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「うむ。構わぬ!入ってくれ!」
「は、はい!失礼します!」
クロエが小さな体に似合わず大きなお盆を持って急須とティーカップを持って現れた。
「ど、どうぞ。紅茶になります。」
恐る恐るクロエが紅茶を入れてくる。
「あら?これも魔王国の紅茶じゃない?」
「え、えぇ。ここマルセールは色んな国の物が集まってきますから。」
「うまいのぉ。これは香りが素晴らしい。」
「えぇ。アテラ様にお似合いです!」
「‥‥‥なにいってんの?あんた?‥‥それはそうとクロエさん。あなたいま時間あるかしら?聞きたいことがあるの。」
「な、なんですかぁ?」
ディアボロに詰め寄られ慌てるクロエ。
「まぁそんな難しいことを聞くわけではない。それに‥‥これは要らぬか?」
びっくりしているクロエにアテラがチーズがたっぷりのマリナーラを一切れ渡す。
「こ、こ、これ!マリナーラですか?う、うち大好物なんです!なんでも聞いてください!」
クロエは目を輝かしてマリナーラに飛びつき、リスのようにチマチマと食べている。
「ねぇ?クロエちゃん!あなたの主であるクラッチさんについて聞きたいの。」
「ク、クラッチ様についてですか?」
「うむ。そうじゃどんな人なのだ?」
クロエがマリナーラに食いついている所にディアボロとアテラが身を乗り出して質問している。その後ろでは静かに気を張ってコルネリウスが周りを警戒している。
「クラッチ様は‥‥と、とっても優しい方ですよ。昔、私が父と母を失って弟のスインタクスと路頭を迷っていた時、拾ってくれたのがクラッチ様でした。あのままだったらどんな奴隷商人に捕まっていたか‥‥う、うち、か、考えるだけで怖いです!」
クロエは右手にタコワシせんべいを力なく持ちながら話していく。
「で、でも今ではクラッチ様のおかげでうちは大好きな料理やこんな豊かな暮らしをさせてもらってます!お、弟のスインタクスもクラッチさんの鉱山で仕事をさせてもらってますし、本当に幸せです!‥‥‥で、でも‥‥‥。」
「でも、どうしたのじゃ?」
アテラが微笑みながら続きを促す。
「いま、クラッチ様は優しすぎてみんなを助けようとして、い、命を狙われてるんです。」
「そう、その命を狙われてるってのが分からないのよ。あたしたちもクラッチさんがいい人なのは分かるんだけどどうして命を狙われてるのかしら?」
「そ、それは‥‥」
クロエが俯いて黙り込んでしまう。
よろしくお願い申し上げます。




