アテラとディアボロ
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~クラッチ屋敷~
弥太郎とアウレリアが出ていった後、アテラはアネルタ王国の王である父に手紙を書いていた。
「よし、これでよかろう。コルネリウス、この手紙をすぐに王都へ届けてくれ。」
「はい。‥‥しかし、なんとお書きになったのですか?」
どこか心配そうにコルネリウスが尋ねる。
それもそのはずで恐らく突然飛び出して行った可愛い娘を王が探していないはずもなく、この手紙でも言葉を間違えれば軍隊を引き連れてマルセールに来ることも考えられるのである。
その際にはもちろんアテラを誑かした罪で弥太郎やアウレリア、コルネリウスも処罰され、魔王の孫娘であるディアボロに至ってはどうなるのか検討もつかない。
そのため、コルネリウスも神経質となっていた。
「大丈夫じゃ。父上には我の判断で遊学に出たのだから待っていてくれと言ってある。それにコルネリウスや弥太郎といった近衛兵も連れている事を書いてある。まぁディアのことは伏せてあるがな。」
これだけ言うとアテラは小さな背を精一杯伸ばし、手紙をコルネリウスに渡す。
「アテラ様がそれで良ければ大丈夫ですが‥‥。では、私は町の行者に頼んで参ります。目の前にあるようですのですぐ帰って参りますが、ディア殿はどちらに行かれたのでしょう?」
「うむ。頼んだぞ。確かに見えぬな。まぁすぐ帰ってこよう。」
コルネリウスはディアボロが居ないことを気にかけつつも、部屋から出ていく。
コルネリウスが出て行ってから数分後アテラが1人で待つ部屋の前に人の足音が聞こえてくる。その足音はどんどん部屋に近づき、突然何者かがドアを開けて入って来た。
「ただいま~。この街って珍しい食べ物いっぱいあるけど、タコワシが名物なのね。」
そこには相変わらず露出度の高い水着のような上着に下半身はパレオで長い足を隠しているディアボロが何かか平たい箱を持って立っている。
「ディアか。誰かと思ったぞ。そなたは何を持っているのだ?」
「そんなに驚かなくても大丈夫よ。これはアネルタ王国の主食であるパンの生地を伸ばして、魔王国の特産品のチーズをたっぷりかけて、さらにここの名物のタコワシの肉をのせて焼いたマリナーラって食べ物よ。あたしも初めて食べるわ!」
「ほぅ。それは美味そうじゃの。お主に言うのもなんじゃが、我はチーズを好いておるのだ。」
「あらっ、あたしはこのパン生地が好きなのよ。」
お互いの国の主食を褒め合う形となり2人とも笑ってしまう。
よろしくお願い申し上げます。




