三十七話
その日の深夜。エマは目覚めた。身支度をして、親にばれないように家を出る。
空には大きな月が浮かんでいて、見つめていると頭がくらくらする。
エマの足は学園に向かった。
学園の裏門の方に行くと、馬車があった。
馬車の前には男達がいる。
「おい、金髪じゃないけどいいのか」
「だけど上玉だな」
「このまま連れていこう」
エマは大人しく馬車に乗り込むと、そのまま馬車は走り去ってしまった。
がたごと、と馬車が揺れる。エマは虚ろな目で大人しく座席に座っている。
「こいつも素材に使うのか?」
「かわいそうに、自分がこれからどうなるかも知らずに…。」
男の一人が制服の上からエマの胸を揉む。
「結構あるな」
「おい、何やってんだ」
「いいだろ、女としての楽しみも知らずに死ぬのはかわいそうだ」
「まだ死ぬと決まった訳じゃないだろ。勝手に手を出すと処罰されるのはお前だぞ。」
「ちっ分かったよ。」
面白くなさそうに手を離す。
「しかしこんな何人も素材にして大丈夫か?」
「一応騒がれないようなのを使ってるはずだ」
「ほんとかなー、あの女、ただ自分が気に入らない奴を捧げてるだけじゃね?嫉妬深そうだもんな」
「だとしても、俺達は運ぶだけだ。後は知らねえ」
「はいはい…、おっ、着いたぞ」
がたん、と馬車が止まる。
「じゃあお嬢ちゃん、ついてきてもらおうか」
そこは小さな民家に見えた。月明かりの下、中に光がついている。男たちは扉に近づくとノックする。すると、中から声が聞こえてきた。
「なんでしょうかこんな深夜に。今は営業してませんよ。」
眠そうな声が男たちを咎める。
「…夜に女神の目は閉じる。」
男の一人がそう言うと、ドアが開いた。
「さて、今回はどんな子かね」




