材料保管庫
「今日の前半は、生成加速剤と生成中和剤を使った生成を行ってもらいます。これは通常の自主練では使えないので、次回使えるのはおそらく研修に入ってからになると思いますから、しっかりメモを取っておいてください。また生成安定剤も使います」
俺たちはレイさんから説明を受け、ユイから赤い瓶と黄色の瓶を配られた。
「赤い瓶が生成加速剤。10ml加えるごとに、生成完成時間が0・9倍に短縮になります。価格は10ml金貨200枚。よっぽど急ぎの時、上客から注文が入った場合以外は、赤字です。また、失敗率が高くなります」
俺は赤い瓶を眺めた。
「また、黄色い瓶は生成安定剤と生成加速剤を両方加える場合に使う生成中和剤です。生成安定剤と生成加速剤は本来、相性が悪いのです。中和剤を入れないと、どちらかが作用しなくなります。中和剤は多く入れた方と同じ分量加えます。価格は10ml金貨100枚。三種類の生成系薬品を加えますと非常にコストが高くなってしまいます。では、始めましょう」
俺達はレイに言われた通り、生成加速剤や、生成中和剤を使った生成を始めた。
授業の休み時間、俺は西館のレストランに戻る。
ミレイに話しかけた。
「俺達って随分高い材料を使わせてもらってるんだね。生成安定剤とか」
俺は失敗率が高く、最近は生成安定剤を多めに入れて生成を行うようにしている。
「一番高いのは棺おけですわ。一つあたり金貨300枚します」
「えっ!?」
「しかもあなた方が使われているので、魔力の弱い最下ランクのものです。人間以外など、魔力の高いものになってくると、必ず生成師側の保管庫にまわされます」
っと、いう事は、連続少年殺人の犯人たちは俺達の側の保管庫にまわされる可能性が高いのか!?
気の重い話だが、雨宮や石田先輩に話さなければ。
俺はあじさいの昼休みを待って、二人に報告した。




