自主練 初回
俺とコウヨウは寝起き早々に、自主練に向かった。
城の地下にあるプールの部屋に行く。
大丈夫だ、この前の見本を見ても、罪人の刻印を押された日から出荷されて使われるまで一週間ぐらいブランクがあった。
「えっと、生成安定剤は材料が三十二種類あり、定価は10ml金貨80枚です。これは初級生成に必要な最低量です。三年次に調合の仕方のテキストが配られますが、生成師を目指す者は、薬師として一級の資格を持ち、薬師として活動しているレイからの購入がおススメです。生成師になる時に準一級の資格を取得しますが、生成や設計に時間をかけるため、レイから購入しています」
コウヨウがこの前、リュウセン・パール・マーメイドを生成するときにも、10ml使った生成安定剤を眺めながらマニュアルを読む。
生成安定剤とは、主に生成の失敗率を下げるための薬品で、材料の編み上げミスなどにより起こる爆発等を妨げる効果があるらしい。
初級で10~30ml、中級で50ml前後、上級で100ml程度使うと効率的だそう。
また新種の魔物の開発実験は大量の生成安定剤を必要とする。
俺たちが使えるのは一日に100ml。
俺はコウヨウと共にしらばく自主練に参加することにした。
カエデと一緒なのは、うぐいす達から見たら不自然だろうから、別行動。
コウヨウには例の事件の犯人の話は報告済み。
他のメンバーには話していない。
続いて俺たちはプレートを見る。
紅い月の世界産になっており、刻印が押された日は一週間前。
俺が視線を上げるとコウヨウもプレートをじっと眺めていた。
今日は、リュウセン・パール・マーメイド、ワーウルフ、ゴーレムの生成を行う。
コウヨウも似たようなチョイスだった。
同じプールの部屋にアヤメとセツナがいるので、プレートがどうこうといった話はしない。
ゲーム終了後にあじさいの池の畔で三人集まり、色々と話し合う予定になっている。
自主練が終わってタブレットを見るとコインが増えている。
このコインは食費にもなる。
節約しないと、例の棺を避ける前に空腹で倒れてしまう。
内海先輩たちが事情聴取に連れていかれた後、廃工場や彼らの部屋から血染めのナイフが発見され、逮捕された。
原田も、内海先輩たちが前の被害者を殺害するところを目撃しているし、例の事件の犯人もう既に刻印は押されてしまったかもしれない。
だとすると、はやければ一週間で、内海先輩たちがここに材料としてやってくる……。
さっき確認してみたのだけれど、棺おけは厳重に釘をいくつも打ち込まれており、無理やりあけようとしなければ、開かないよう、つくられているようだ。
きっと誰かが知らないうちに使ってしまう。
そのはずだった……。




