芸術コレクション6
俺がじたばた暴れていると、
「おまえたちが連続少年殺人の犯人だったのか……」
カツカツと足音がして、季節外れのぶかぶかのコートを羽織った雨宮が姿を現す。
「雨宮……!?」
「おまえら、グルだったのか!? 俺達を調べやがったな!! そうでなければ、こんな場所、わかるはずがない!!」
「いや。白井のスマホにある仕込みをしておいたからな」
雨宮、おまえ本当にヤバいヒロインだな。
いや、それで状況が良くなるのかもしれないが……。
「で、おまえ一人か?」
「そうだ」
「内海、白井を押さえとけ。雨宮をぶっ殺すから!! 女なんかいらねーんだよ!!」
吉野先輩が俺から離れて、懐からナイフを取り出す。
どうするんだ、雨宮!?
おまえ、体育ダメだろう……。
吉野先輩は強そうだけど。
だが、ナイフの切っ先を向けて飛び掛かった吉野先輩に、雨宮はさっとコートを脱ぎ捨てると、消火器を手にしており、構えた。
そのまま白煙が吉野めがけて噴射される。
「うわっ!? 畜生!! 視界が!!」
次の瞬間、ごすっと激しい音がした。
たちこめていた白煙が沈下し始めたころ、内海先輩が俺を連れて部屋から出ようとしていると、雨宮に消火器で奴の頭を殴打した。
「死んでない?」
「知るか。正当防衛だ。どうせ、捕まっても死刑だ。さて、原田。百十番通報したが、正直に証言するだろうな?」
見ると、原田を捕まえていた男も、雨宮に倒されたらしく倒れている。
「お、俺がか!? 殺されるんじゃないのか!?」
「こいら、捕まったら死刑だ」
「そ、そうか……」
説得が上手いな、雨宮……。
俺はスマホを渡される。
「コウヨウにはおまえから報告のメッセージを送れ。あじさいの顔見知りが犯人なのを黙っていたら、恨まれかねん」
「分かった」
「それと、おまえも警察から事情聴取されるだろうからな」
そ、そんな!?
あんな事を報告しろと……。
屈辱だ……。
本当に酷いヒロインだな、雨宮……。
警察に通報するのが正攻法だろうが、ゲームのヒロインに恥をかかされるなんて!!
こっそり、外国に捨ててくるとか、気の利いたことはできないのか!?




