第3話 テレパシーは独身専用?
そろそろネタが…
九門クリストファー。21歳。日系2世。母親がアメリカ人で父親が日本人。
目が大きいのが特徴といえば特徴。ハーフらしい整った顔立ちは女性からそれなりに人気があるようだ。
彼には「能力」があった。
「能力」の名は『テレパシー』。超有名な能力である。
相手の心を読み取ることができる彼は、その「能力」を駆使し、てないんだろうなぁ。
きっと今回も。
「そんなことないですよ。」
今までも、みんなそうだったしなぁ…。
「だから、ちゃんと使ってますって。」
もう帰ろうか…、えっ?
-あ、あの、インタビュー良いですか?-
「どうぞ。」
-テレパシーを使っているのは本当ですか?-
「本当ですよ。」
-どのような場面で使ってみえるんでしょう?-
「大体普通の人が想像するとおりだと思いますよ。」
-というと、好きな子の心の中を覗いたりとか?-
「ああ、そんなことをしたこともありますね。」
-どんな感じに見えるんですか?-
「見える、というより聞こえる、といった感じですね。」
-ラジオが聞こえるみたいに?-
「そう、そんな感じですね。あれ、何で泣いてるんです?」
-は、初めて期待通りのインタビューができて、うれしくて…-
「よかったですね。」
-それで良かったことは何ですか?-
「彼女の機嫌を損ねないようにすることができました。」
-それは重要ですね!-
「ええ、その他には別れるのにも都合が良かったです。」
-えっ?-
「相手が嫌だな、と思ったことをすればいいんですから楽でしたよ。」
-あ、あの…何で別れるんですか?別れなきゃ良いのに。-
「ああ、ぼくは割とモテるんですよ。」
-さらっと嫌みなことを!どうせ自分はモテませんっ!!-
「殺意を向けないでくださいっ!怖いからっ!はっきり聞こえてますからっ!」
-あ、あれ?何でそんなに震えてるんです?-
「…すみません。ちょっと取り乱しました。」
-それで?-
「だから、ぼくは割とモテるんですよ。」
-このリア充め!-
「だから怖いですってば!」
-は?-
「だから別れるんですよっ!」
-へ?-
「良いなと思った女の子とつきあいますよね。」
-ええ。-
「たいていの場合、その子を良いな、と思っている男性も近くにはいるわけで。」
-それはそうかも。-
「そういう男性は、こちらを恨むわけで。」
-…でしょうねぇ。-
「実感込めないでください!怖いです!」
-は、つい本音がっ!-
「その本音がビンビン聞こえてくるんですよっ!」
-……あー。-
「可愛い子とやっと良い雰囲気になる度に、周りから殺意を向けられます!」
-それは、なんというか…-
「笑顔で『おめでとう』と言いながら『殺してやる…』と延々リフレインされる恐怖!」
-怖いな、それ…-
「女性の好意もストレートに伝わってくるから無碍にできないですし。」
-ま、まあ、そうかな。-
「結局、つきあって、すぐに嫌ってもらって振られるしかないんですよ。」
-別れる前提でのおつきあいですか。-
「そうじゃなきゃ、ストレスで胃に穴が空きますよ。」
-まあ、そこまで深刻に考えなくても…-
「テレパシーって、結構遠距離まで届くんですよね。」
-突然何を?-
「一度に何人もから殺意を聞かせ続けられるんですよ。」
-キツいわ、それ。-
「中には女性からもあったりして。」
-エグいでしょ、それ。-
「リアルで呪い殺されそうな感じです。」
-もう、テレパシー使うのやめたら?-
「パッシブ(受動)なんです。ずっとスイッチ入り放しなんですよ。」
-まあ、がんばれ。-
「もう、ぼくはこのまま独身で一生過ごすんでしょうか?」
-まあ、テレパシーは別名「読心能力」だけに?-
「誰がうまいこと言え、と言ったんですかー!」
その日、クリストファーの魂の叫びが夜空に響いたという。




