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SCR -Specific mutant Cells organism Rangers-   作者: none
#19 彼岸の未来
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334/342

#19-24 彼岸の未来・#19 → #20 次回予告


『りゅうと、さん。うみ、』


 ノイズ交じりの音声は次第にはっきりとしてくる。映像も問題なく見える。


『あーーー……はは、案外、ほんとに、何とかなるもんだ』


『おるたー?だっけ。すごいね、それ。こうして分離もできちゃうもん』


『生きてます、か』


『あーーい、生きてまーす』


『わたし、も』


 三人の会話だ。意識もはっきりしている。だがどいつも重症であることに間違いはない。助けが遅くなれば致命的だ。医療部に指示を出し、すぐに向かわせる。


 その時、異変は起きた。


『ぐぅ……ぁ、っく、あっ……』


『……海美?』


「なんだ、何が」


「長官!スパークの呼吸が、呼吸数がゼロに!!」


「何……!?」


 画面の中、上半身を起こし何とか会話をしていたスパークがその場でうなだれ、そのまま横に倒れてしまう。バイタルサインの呼吸数は2。徐々に数字は小さくなるばかりで、回復する兆しはない。


 心音が弱くなっていく。


『ドサッ』


『龍斗さん……?』


「龍斗さん……!長官、龍斗さんの血圧が上40、下……に、21です」


「~~~っ!」


 次に姿勢を崩し、動かなくなったのはストームだ。致死的な低血圧。これでは救急隊も間に合わない!!


 心音が弱くなっていく。


「救急部隊まだか!!」


「報告!!森林の中にオルガーが!!」


「なっ!?ザセルは死んだだろう!!」


「おそらく、優也くんがアポトーシスさせたときに何らかの突然変異で生き残った者と思われます。数は多くありませんし、ザセルの細胞らしき反応もありませんが、救急隊が近づくに近づけません!!」


「クソっ!!」


「長官、ゆ、優也くんの体温が!!」


 画面に視線を戻すとそこには随分小さくなった鳳凰がフレイムの肩に載り、戯れるようにフレイムの頬に頭部をすり寄せた後、眩い輝きの残滓を残して消えていった。


 それに気が付いてもいないのか、フレイムの目はうつろで、ぐらっと大きく体が揺れたかと思うとついにその場に崩れ落ち、伏せてしまって動かない。


 心音が弱くなっていく。


「体温62度!限界の54度を大きく超えています!!」


「~~~~~っ、おい、音声つないでいるか!?」


「つないでいます!!」


「聞こえるかフレイム、ストーム、スパーク!返事をしろ!!」


 ドローンから音声は届いているはずだ。けれど返事はない。誰一人も動く兆しもない。


 心音が弱くなっていく。


「ダメだ。起きろ!!お前たちの任務は生きて帰ることだ。諦めるな!!」


「海美ちゃんお願い戻って!!お願い!!!みんな一緒にまた鍋パーティーしよって、海美ちゃんが言ってくれたんでしょ!?」


「龍斗さん!!まだ、まだたくさん僕と話してくれるんでしょ!!年齢いじりだってもっと年取ったらつらいけど、嬉しいねって言ってたでしょ!!それにご家族が、お姉さんが待っているんです!!帰ってこないと、またひっぱたかれますよ!?」


 返事はない。

 心音が弱くなっていく。


「フレイム!フレイム!」


 返事はない。


「~~~~~孤虎優也!!!起きろ!!」


 心音が弱くなって、




 ピーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




「三名の、心拍停止……」



 止まって。



『特異生物の弱点は心臓が止まることだからね!』



 ついさっき聞いたはずのそのセリフは遠い昔の記憶の様だ。

 たどり着いた悲願の未来は、こんな形なのか?



 がくっと膝から力が抜けた。無駄に高い椅子に体は落ちて、呆然と画面に釘付けになる。



 ピーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



 動かない3人の姿と三人の死をつげる音声が、いやに頭にこびりついて離れなかった。
















 *****


 次回予告



「次回、第20話『change my future』」




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