#14-1 夕日が導く海の道
「うーみ。ほら、早く早く!」
「待ってよお姉ちゃん!」
夕方の海辺に沿った堤防の内側の広い道路。少女を高校の制服を着た女性が手を繋ぎに迎えに行く。すると少女はニコッと笑って姉に向かって腕を伸ばし、姉に抱っこを強請った。え〜?笑いながら眉を下げて困った顔に、さらに少女はお願い!とダメ押しをする。
「しょうがないなぁ」
「やった!お姉ちゃん大好き!!」
「もーそれ言えばなんでもすると思わないでよ〜?」
よいしょ、と姉が妹を前に抱える。
「わぁ!高い!」
堤防の先にはキラキラと光の道ができたように輝く海がどこまでも広がっている。
「おひさまきれい!キラキラの道きれい!さっきまで見えなかったけどみえた!」
「海美も大きくなったら普通に見えるよ」
「うみ、お姉ちゃんみたいにおっきくなる!」
「あはは、楽しみだなぁ」
「それだけじゃないよ。わたしお姉ちゃんみたいに頭もよくて、優しいお姉ちゃんになるの!」
「……そっか」
前にお父さんに呼ばれてお話してたの、知ってるからね!褒められてたんだよね!そう満面の笑みで話す妹に、
「海美はそうなってね」
姉は眉を下げ少し目を伏せて暗い表情で呟く。妹がその意味を理解できないことは知っていた。どういうこと?と素直に聞く妹に、なんでもないよ、と明るい調子で返す。
「よし、じゃああそこの電柱まで競争しよう!」
「勝負!?」
「そう!ほら降りた降りた!準備はいいかな?」
「走るの得意!」
「よーし位置について……よーいドン!」
2人は遠くの電柱まで走る。楽しげな笑い声が重なる中、夕日に照らされてできたその電柱の影を先に超えたのは小さな影だった。
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#12 Bravery in my heart
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