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凱旋パレード

今まで読んでくださった皆様、ブックマークやポイント評価をしてくださった皆様、本当にありがとうございました!(´°̥̥̥̥̥̥̥̥ω°̥̥̥̥̥̥̥̥`)

さて、今日は世界に平和をもたらした聖女としての凱旋パレードです。協力者として、ヴァイス様、レーグル、ノブル君、ミレアさん、フォルス、ティラン兄様ももちろん参加です。さらに、教皇様も一緒に参加されています。特別なお神輿?みたいな人力の乗り物に乗っての凱旋パレードです。この凱旋パレードでは、聖皇国のありとあらゆる場所を巡ります。


「聖女様万歳!」


「聖女様万歳!」


照れちゃいます。でもみんなに受け入れられて嬉しいです。お神輿の上からなるべく優雅に見えるように手を振って行進します。みんな熱狂的なまでに歓迎してくれます。


そういえば、騎士さん達から人気者になりました。是非聖女様の護衛騎士の枠をもっと増やして欲しいと要望が絶えないそうです。フォルスの負担を考えると、それもいいかもしれませんが、フォルス自身が嫌がっているのと、ティラン兄様が邪念を持って近づいてくるやつもいるかもしれないと警戒しているのでしばらくは増えないと思います。


平民さん達からも人気者になりました。黄金郷の百合姫でありながら、聖女でもあるというのは平民さん達からみて完璧な存在のようです。憧れの視線が痛いです。私そんな出来た人間じゃないので…期待に添えず申し訳ありません。


役人さんからも人気者になりました。今のこの私なら大いに政治的に利用価値があると踏んでいるようです。でもティラン兄様が徹底的にガードしてくれているので邪念を持って近づいてくる人は政治的に潰されています。


商人さんからも人気者になりました。今のトレンドはリンネアル王女殿下です!と熱い目線を送られます。なんでも私の身に付けるものが流行りになるとか。


貴族さん達からも人気者になりました。ただ、社交界の独特の雰囲気とかルールとかが面倒くさいので正直人気者になんてなれなくても良かったかもしれないです。


…ただ、まさかこんなにみんなから愛してもらえるようになるなんて、人生わからないなぁと思います。生まれたばかりの時は、ティラン兄様のクーデターのせいで怯えて暮らす毎日だったのに、今じゃこんなに溺愛されているし。


「リンネ、どうかしたのか?」


「王女殿下、どこか体調が悪いのですか?無理はしないでください」


「いえ、聖女様には申し訳ありませんが、凱旋パレードが終わるまでは我慢していただきます」


「なにそれ酷くない?リンネはこれまで闇の沼地の浄化のために頑張ってきたのに!」


「見せてください…大丈夫。体調不良ではないようです」


「えっ…ノブル、まさか君も光魔法を?」


「いや、私は闇属性だ」


「ああ、なるほどね。…いや、え、闇!?君すごいね!?」


「宮廷魔術師に褒められても嫌味にしか聞こえないんだが」


「でも、じゃあ、ぼーっとしてどうしたの?」


「良ければ私達が相談に乗りますよ」


「リンネ、俺の膝枕で寝ていろ。少しは楽になる」


「ティラン義兄上、申し訳ありませんがその役目は僕のものです」


「ほう。安い挑発だな?」


「もう!二人とも子供みたいな喧嘩しないでください!私ならもう大丈夫ですから!」


「リンネ、ごめんね」


「お前を取られるのが面白くないだけだ」


私が怒ったような顔をするとティラン兄様は頭を撫でてきて、ヴァイス様は頬を撫でてきます。


「でも、それなら何をぼーっとしていたんです?」


「ちょっと考え事」


「それじゃあわからないな。リンネ、教えて?」


ヴァイス様が手を握りながら至近距離で聞いてきます。


「あ、いえ、その…まさか私が聖女に選ばれて、その上こんなにみんなから受け入れられるなんてと思って…」


「もう!王女殿下は自己評価が低すぎます!」


「そうですよ、聖女様。もっとご自分に自信を持ってください。それこそが、ひいては民の安心に繋がるのです」


「…うう。はい」


「リンネ、そんなに気にすることないよ。リンネは素晴らしい人間なんだから、ただそれを受け入れればいいんだ」


「ヴァイス様…ありがとうございます」


「そうだぞリンネ」


「ティラン兄様…」


「お前は黄金郷の百合姫であり聖女だ。そして何より、この俺の妹だ。自己評価が低い方がおかしい。シンプルにまわりからの歓声を受け入れて感謝すれば良い」


「うん、ありがとう…」


「大丈夫です、聖女様。神様は必ず我々を見守ってくださっています。神様からの愛を受け入れて、自然と輝くのが聖女というもの。民からの歓声をどうか受け取ってください」


「はい、教皇様…」


「あーもー、みんなしてリンネにプレッシャーかけすぎ!リンネ、別に気にしなくていいよ。俺たちはリンネの仲間で、友達で、何があっても絶対の味方だから!なんかあったらまた手伝うしさ!だから絶対大丈夫!」


「レーグル…ありがとう」


「王女殿下」


「フォルス」


「俺が王女殿下をお守りします。俺、出来る限り、肉体面だけでなくて精神面だって、守りたいです」


「うん」


「この世に使命ってやつがあって、王女殿下のそれが黄金郷の百合姫と聖女だっていうなら、俺の使命は貴女を…王女殿下をお守りすることだ。このまま大人になっても、きっとそれは変わらない。俺は、王女殿下のためだけに存在する」


「…ふふ、ありがとう」


「だから!」


フォルスがいきなり私の手を両手で包む。


「俺をもっと頼ってください!俺は、貴女のためにある!」


…なんだかまるで、プロポーズみたい。


「はい、フォルス。熱くなりすぎ」


ノブル君がフォルスにストップをかけます。


「あっ。すみません」


「いいよ。ありがとう、フォルス」


「はい」


「リンネ様」


「ノブル君」


「きっと、これから先…悩み事が出来ることもあるでしょう」


「え、あ、うん」


多分?


「リンネ様の謙虚なところは、美徳です。でも、たまには周りに頼ってください。私では、足りませんか?」


「そんなことないよ!」


「なら、これからはなにか悩み事が出来たら、私に愚痴ってください。ね?」


「は、はい」


なんでだろう。今のノブル君には逆らえない迫力がある。


「皆さま、狡いですわ!私だって王女殿下をお慕いしているのに!王女殿下を少しでも慰めたいのに!」


「ミレアさん」


「王女殿下。王女殿下はありのままですごく素敵な方ですわ。ええ、こんな凡庸な言葉では足りないほどに。どうか、自分の価値を見誤らないでくださいませ」


「うん。…ありがとう」


私がお礼を言うと、ミレアさんは心底嬉しそうに笑う。


ティラン兄様。ヴァイス様。ノブル君。レーグル。フォルス。ミレアさん。


私は、今、こんなにも素敵な方々に囲まれて、愛されて信用されて、期待されている。


だから、私はそれにふさわしい人間でありたい。


だから。


「皆様!」


「リンネ?」


「聖女様、立っては危ないです。どうぞおかけください」


「私はまだまだ未熟な聖女です!」


「聖女様!」


「仲間がいなかったら、闇の沼地の浄化を出来ていたかすらわかりません!」


教皇様が慌てている。でも、私を止めようと慌てる教皇様をみんなが止めてくれている。


「でも、だからこそ!私はもっと自分を磨きます!そして、聖女としてふさわしい人間になってみせます!私の大好きな、みんなに誓って!だから、皆様、どうか私を見守っていてください!必ずそれに報いてみせます!」


言いたいことは言った。あー、すっきりした!教皇様は困り顔で、しかしそれでも私を叱らずに座らせてくれる。


「…聖女様!そんな風に言える聖女様は、もう立派な聖女様です!」


「そうです!聖女様は素晴らしい方です!」


あらまあ、余計に聖女様コールが激しくなった。なんでだ。


「ふ。まあ、頑張れよ、リンネ」


「うん、ティラン兄様!」


「僕が隣で支えるからね」


「はい、ヴァイス様!」


「ならば私は後ろから支えましょう」


「うん、ノブル君!」


「じゃあ俺はリンネのもう片方の隣で」


「うん、レーグル!」


「じゃあ俺はリンネ様の前を守ります」


「うん、フォルス!」


「なら、私は縁の下で支えますわ!」


「うん、ミレアさん!」


「みんな、本当にありがとう!大好き!」


これからも、この人達と共に、黄金郷の百合姫として、聖女として頑張っていこう!

もしよろしければブックマークやポイント評価をよろしくお願い申し上げます・:*+.\((*´-`))/.:+


もし気に入っていただけましたらぜひこちらもよろしくお願いします!・:*+.\(( °ω° ))/.:+


『主人公気質なわけでもなく恋愛フラグもなければ死亡フラグに満ち溢れているわけでもない至って普通のネグレクト系脇役お姫様に転生したようなので物語の主人公である姉姫さまから主役の座を奪い取りにいきます』

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『私の婚約者が完璧過ぎて私にばかり批判が来る件について』

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『色々な愛の形、色々な恋の形』

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『悪役王女に転生しました。でも、パパは何故か私を溺愛してきます。』

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