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元暗部の英雄、再び暗躍する ~娘のために正体を隠して無双していたら有名になっちゃいました~  作者: 出雲大吉
第3章

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第099話 いらな-い


 チラチラと後ろを見ていると、シャーリーは慣れた手つきで鳥を捌いていた。

 はっきり言って教えることがないどころか俺よりも上手い。

 そして、あっという間に鳥を解体してしまった。


「終わったかー?」

「はい。ホロホロ鳥ですから焼くだけでも美味しいですよ」


 鳥の種類も詳しいというね。


「じゃあ、そろそろ休憩にするか」


 そう言うと、何もしてないのにラシェルが道の端に寄り、足を止めた。


「ご飯だぜー」

「座っているだけというのも疲れるね」

「これでメアリーのお尻守るくんがなかったらもっとだと思う」


 3人が馬車から降りたので俺とアンジェラも降りる。


「カトリーナとシャーリーは昼食の準備な。アンジェラ、火を起こしてやれ」

「了解」


 アンジェラが頷き、2人と共に準備をする。


「メアリー、ラシェルに水をやれ」

「はいはーい」


 メアリーは馬車からバケツを取り出し、魔法で水を入れると、ラシェルのもとに向かった。

 4人がそれぞれ行動に移したので俺も馬車をチェックしていく。


「問題なさそうだな……」


 メンテナンスをしていただけあって、おかしいところは見当たらない。


 すべてのチェックをし終えると、良い匂いがしだしたので見てみる。

 すると、シャーリーが鶏肉を網で焼いていた。


 ラシェルに水をやり終えたメアリーもこちらにやってきたので皆で焚火を囲む。


「美味しそー。せっかくだし、干し肉と食べ比べてみよー」

「やめた方がいいわよ」


 アンジェラが止める。


「なんで?」

「獲れたてのホロホロ鳥の方が美味しいに決まっているから」


 そりゃそうだ。


「わかんないじゃん。ものは試し」


 鳥肉が焼けたので皆で食べる。

 塩だけの味付けだが、脂が乗って非常に美味しい。


「外でこうやって食べるのも美味しいねー」

「うん。こういうのは滅多にないもんね」

「いつもはパンだからね」


 メアリー達も美味しそうに食べているが、3人共、次に干し肉を取り出した。


「やめときゃいいのに……」


 アンジェラは呆れながら2つめの鳥肉を食べる。


「わかんないじゃん」


 メアリーがそう言うと、カトリーナとシャーリーと共に干し肉を食べだす。


「固っ……」

「嚙み切れないね……」

「というか、塩辛い……」


 3人のテンションが目に見えて下がってる。

 気持ちはわかる。

 非日常だし、せっかく買った携帯食料を食べてみたいのだろう。

 だが、携帯食料とは味を度外視し、保存能力と栄養に偏った食べ物だ。

 味わうものじゃない。


「ドライフルーツは美味いと思うぞ。そっちを食え」


 そう言うと、3人は水で干し肉を流し込み、ドライフルーツを食べる。


「おっ、甘い!」

「水分を奪われますが、これは美味しいですね」

「高かっただけはあるね」


 ドライフルーツは普段食としても人気だからな。


「うん、美味しいわね」


 アンジェラは3つめの鶏肉を食べている。

 3人もまた、鳥肉に手を伸ばし、頬張った。


「これだね」

「うん、こっち」

「美味しいな……」


 そりゃそうだ。


 俺達は昼食を食べ終えると、ちゃんと火を消し、出発した。

 午後からも見張りを3人に任せ、進んでいく。


「何も出ないねー」

「魔除けの石があればこんなもんでしょ」

「私らは稼ぎにならないから持たないしな」


 しかし、こいつら、よくしゃべるわ。

 別に悪いことじゃないが……


「つまんないね。魔物が出てほしい」


 この発言はマイナス。

 依頼主の前で言うな。


「平和でいいでしょ。こうやって自然を感じながら瞑想するのも良いことだよ」


 いや、護衛が瞑想すんな。


「王都に着いてからのことを考えようよ。私、城を見たい」


 ホント、雑談が多いな、こいつら……


「アン、明日は頼むな」

「ええ。御者とかやらせるわ」

「そうしてくれ」


 その後もひたすら進んでいくと、徐々に辺りが暗くなり始めた。

 まだ16時くらいだが、元々が暗い森は日が沈むのが早いと考えた方が良い。


「そろそろか?」

「ええ。夕食も新鮮なお肉が良い」


 アンジェラにそう言われたので昼と同じようにナイフと糸を取り出し、鳥を探す。

 そして、ちょっと大きめの鳥を仕留めると、鳥の処理をシャーリーに任せた。


「ラシェル、今日はこれくらいにしよう」


 そう言うと、ラシェルが道の端に寄り、足を止めた。

 そして、昼と同じようにアンジェラ、カトリーナ、シャーリーの3人に焚火と夕食を任せると、ラシェルの馬具を外し、メアリーと共にラシェルの世話をする。


「ラシェル、疲れたねー。でも、それは人参じゃなくて、スカートだよー。こっちを食べてー」


 ラシェルはいつものようにメアリーにちょっかいをかけていたが、すぐに人参やリンゴといった好物を食べていく。


「俺達よりこいつの食費の方が高いな」

「そりゃずっと引っ張ってくれているんだからそうでしょ。ありがとうねー」


 メアリーがラシェルの首筋を撫でる。


「エリックー、メアリー、もう焼けるわよー」


 アンジェラが呼んできたのでメアリーと共に焚火の方に行く。

 すでにテントが2つ設置されており、準備は大丈夫のようだ。


「食べるか」


 俺達は昼と同じように焼いた鳥肉を食べていく。

 もっとも、3人はさすがにもう干し肉は食べなかった。


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― 新着の感想 ―
干し肉の食べ方としては、そのままだと保存の関係で塩っ気が強いから、スープに入れて出汁の代わりにするとかがいいのかな?
>メアリーは馬車からバケツを取り出し、魔法で水を入れると、ラシェルのもとに向かった。 ラシェルの所まで行ってから水を入れた方が楽なのに不思議。
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