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元暗部の英雄、再び暗躍する ~娘のために正体を隠して無双していたら有名になっちゃいました~  作者: 出雲大吉
第3章

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第094話 穿いてる


 翌日、この日もアンジェラと仕事をしていく。


「エリック、王都に着いた後の予定は考えてる?」

「王都ではメアリー達とは別行動になるだろうな。そっちの方がメアリーはともかく、カトリーナとシャーリーは良いだろ」

「それはそうね。あの子達はあの子達で楽しんだら良いと思うわ」


 ずっと楽しみにしてたわけだしな。


「まあ、宿は一緒だし、日によっては行動を共にすることもあるだろう。なんかコーデするんだろ?」


 俺は行かないけどな。


「そうね。まあ、その辺は着いてからでいいか。スピアリング商会には行くのよね?」

「ああ。ランドルさんがああ言ってくれていたし、話があるそうだからな。それには付き合ってくれ。まあ、最初に訪ねて、宿屋を紹介してもらうつもりだ」


 話は後日かな?

 一応、来週に行くという手紙は送ってあるが、あの人も忙しいだろうし。


「了解。ローレンスさんは?」


 いれば会うことになるだろうが……


「ついてくるか?」

「うーん……その時に考える」


 来る可能性があるのか。

 昨日、メアリーと盛り上がってたし、ヴィオラの件を聞く気かな?


「そうか……それとは別にチャラチャラアクセサリーでも買いに行こうぜ」

「指輪が欲しい」

「はいはい……ん?」


 客が来た……いや、客か?


「よう、エリック、久しぶりだな」


 店に来たのは冒険者ギルドのギルマスであるロジャーだ。


「お前がウチに来るなんて珍しいな」

「ははっ、ちょっと用があってな」

「ギルマスが用?」


 アンジェラの方を見る。


「え? 私? ついに降格?」


 あんまり仕事をしてないからなー。


「ちげーよ。確かに仕事は月一ペースだが、お前が兼業なのはわかっているし、この前の緊急依頼だって受けてくれただろ。降格はねーよ」

「じゃあ、何よ? 指名依頼でもあった?」

「ないない。そもそもお前のことで来たわけじゃない。メアリーのことだ」


 メアリー?


「問題でも起こしたか?」


 うるさいって苦情でも来た?


「いや、逆だ。あいつは優秀だな。とても優秀だ」


 ちょっと鼻が高いね。


「それがどうした?」

「エリックよー、あいつをどうしたい?」


 んー?


「知らん。あいつはなりたくて冒険者になった。好きにすればいいと思っている」

「店は? 一応、一人娘だろ」

「別に今だって手伝ってくれている。冒険者は長く続ける職業じゃないし、辞めた時にウチで働いても良いし、別の職業に就いてもいい。俺はあいつの意思を尊重する」


 好きにしたらいい。

 できたら危ない仕事はやめてほしいが。


「そうか……あいつ、昨日、オークを倒しやがったぞ」

「昨日、聞いたな。まあ、それくらいはできるんじゃないか?」

「お前の基準で考えるな。メアリーは魔法使いだし、できないことはない。でもよ、あいつはちょっと前に冒険者になったばかりのルーキーだぞ。しかも、魔法じゃなくて、剣でオークを倒しやがった。はっきり言えば有望株にもほどがある」


 そうかぁ?


「オークで?」

「オークは強敵だ。まず一般人では倒せない」


 それはわかるが……


「そこまでのことか?」

「ああ。メアリーはな、度胸もあるし、腕も立つ。それでいて、魔法使いだ。すげーよ。うるさいし、バカみたいな言動だが、仕事は真面目にする。それに聞く耳も持ってるから成長もすごい。ありゃマジでAランクにもなれるぞ」


 伝説になっちゃうの?


「メアリーがねー……」

「今日来たのはお前に判断してもらいたいことがあるからだ。ギルドとしてはあいつをCランクにしても良いと思っている」


 Cランク……アンと一緒だ。


「早くないか?」

「早い。ウチのギルドでは最年少で最速だ。でも、あいつはそれだけの実力があるし、実績もある。大きいのは例の緊急依頼で最高の功績を出したことだな。あいつがいなかったら誰かしらが死んでいた。俺はあいつに第一功をつけた」


 うーん……


「それでCランクね。アンジェラ、どう思う?」


 アンジェラに聞いてみる。


「早いか遅いかでしょ。いずれはなると思っていたし、それがちょっと早いだけ。ギルドとしても有能な人間を昇格させ、実力に見合った仕事をしてもらいたいのよ」

「そうだ。本来ならアンジェラにも働いてもらいたいがな。お前こそBランクなり、さっさとAランクになってもらわなければならない」


 アンジェラの魔法はそれだけのものがあるからな。


「無理。私、魔道具屋の副店長だし、姓が変わるの。さよならフォレット」


 アンジェラのフルネームはアンジェラ・フォレットだ。


「そうか……まあ、お前はいい。エリック、どうする? ランクを上げてもいいか? 懸念があるのはあいつがルーキーなことと若すぎることだ。Cランクはもう一人前を通り越して、信頼される冒険者になる。もう少し様子を見るという意見もある」

「周りはどう思う? やっかみもあるだろ」


 出る杭は打たれる。


「それはない。皆、メアリーのことをうるさいガキと思っているが、実力は認めているし、あいつが普通じゃないこともわかっている。何よりも特権階級の魔法使いだ」


 魔法使いは貴重だからな。


「じゃあ、Cランクに上げても良いと思う。ギルドがそう判断したならそれでいい」

「あいつ、王都に行くらしいが、そのまま王都に移籍するかもしれんぞ。引き抜きっていうのもある」


 うーん……


「もし、メアリーがそっちが良いと思ったらそれで良いと思う…………いや、ないな」

「ないない。あのバカを王都に住まわせるのはないわ。断固反対すべきよ」


 アンもそう思うらしい。


「ロジャー、その辺はウチの問題だし、ウチで話し合う。ランクについてはそっちの判断で決めてくれればいい」

「じゃあ、Cランクに上げるぞ?」

「ああ。そうしてくれ」


 メアリーがCランクね……

 ローレンスに追いつきそうだな。


「わかった。じゃあ、そのように処理する。それとメアリーが王都に移籍するのは俺も反対だ。町の戦力が減るのを避けたいというのもあるが、あいつはどうも心配だ」


 誰しもがそう思うだろう。

 可愛いし、明るい。

 それでいて、強いし、魔法も使える。

 さらには器用だから何でもそつなくこなせる。

 でも、バカだもん。


「それは俺が一番わかっているよ」

「そうだな。じゃあ、そういうことだから」

「ああ。わざわざありがとうよ」

「それが仕事だ」


 ロジャーはそう言うと、帰っていった。


「ギルマスが出てくるレベルか」


 Dランクになる時はヴィオラだった。

 でも、今回はギルマスであるロジャーが来た。

 それだけのことということだろう。


「メアリーは優秀だからね」

「俺はカトリーナとシャーリーが心配だよ」


 あいつらはまだEランクだ。

 この差をどう思うか……


「まあね……」

「皆のお姉ちゃん、頼むわ」

「話してはみる」


 どうなることやら……


「今日の晩飯は俺が作る」

「フライドチキン?」

「そうなる」


 お祝いだ。


「良いわね。メアリーも喜ぶと思うわ」

「王都でえっちぃ……いや、シルバーでじゃらじゃらしたアクセを買ってもらえよ」

「そうする。エリックは指輪ね。綺麗なやつ」


 はいはい。


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― 新着の感想 ―
エリックじゃない! 神さま(某作者)がヨコシマなんだよwww
指輪贈ったらもう完全に売約済みですね 早く式上げちゃえよ〜!
穿いてるってエッチな下着のことか!!
感想一覧
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