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令和ギャル、転生だかタイムリープだかして伯爵令嬢だか極妻だかになって大正時代を無双する……とかしないとか  作者: 真夜航洋
最終章 輪廻転生

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エピローグ

半年間の連載がこのエピローグで完結!!必読


このエピソードで大どんでん返しがあるかも?


「……で、あなたが書いた小説『あーしの輪廻転生』なんだけども。バズってる、って言うの?ベストセラーらしいわね」

「あざっす。読者の皆様。印税ゴチっす」


 大和撫子に質問するのは、トーク番組「テツ子のHEY!YA!」の司会者・コロ柳テツ子。本名は小柳哲子だが、コロコロした体型とあのレジェンドにあやかった芸名だ。


「あなたはこの小説で、何が言いたかったのかしら?」

「いや。まあ何つーか、命と愛の尊さ?とかっすかね。愛は命あってのものだけど、命もまた愛によってつながっていくものだ、的な?」

「あっそう。ところでこの小説、実話をもとにして書かれたって、あなたは主張してるらしいんだけど、こんなこと実際に起きるわけないわよね?ウソよね?」


 レジェンド並みに舌鋒鋭い。


「いや、コロ柳さん。ホントなんすって。実際にあーしが体験した…」

「あーし、って言い方はよくないわね。私って言い直してくれる?」

「わたくしが体験したことをっすね……」




 テレビを切る。


(こんな本書いて。結局承認欲求は、今も垂れ流しじゃねえか)


 鬼束小百合が大和撫子著の「あーしの輪廻転生」を手に取る。

 警視庁刑事部捜査四課組織対策係の部屋の中だ。


(でもって、小説も書ける令和ギャルとして再デビューか?よくやるぜ)


 あれから数か月が経っていた。

 撫子が書いた本に自分のことが変な風に書かれていないか気になって読んでみた。

 ドS女刑事。

 狂犬。

 やはり変な風に書かれてあった。


「ああ、クソ。ヤクザ殴りてえ!」


 警棒を振り回して、物騒なことを公然と叫ぶ。

 だが同僚たちは慣れているのか、聞こえないふりをしてやり過ごしている。


 撫子の受け子としての犯罪は、未成年という理由で起訴が見送られた。

 本人も反省をしていることだし、当分おとなしくしているものと思ったらこれだ。


(それにしても、…輪廻転生か。なぜこのタイトルなんだ?)


 大和坤寧宮で、祖母の大和美和に「おまえらのは転生ぢゃなく、時空を超えた憑依だ」と完全否定されたはずだ。

 なのに、なぜまた輪廻転生をタイトルに掲げたのか?


 令和に戻ってから、天童星児と清流院凛音について徹底的に調べてみた。

 戸籍、不動産記録、犯罪記録などどれを見ても二人の名前は出てこなかった。

 まるで、そんな人物は存在しなかったかのように。


(まあ、関東大震災の混乱のせいなんだろうが。本人たちが令和に現れて、自分たちのことが一切記録されてないと知ったらどう思うかな?)


 想像する。

 自分たちが生まれてすらこなかったかのように扱われている、と。

 ハッとした。


(承認欲求、だ)


 時空を超えた憑依。

 撫子が凛音に生まれ変わったケースは、確かにそうだ。


(だが、逆だったらどうだ?)


 実は清流院凛音の方が「輪廻転生」して大和撫子に生まれ変わった、としたら?

 大正時代に行ったことで、自分が転生したことを思い出したとしたら?


 あの最後の夜、撫子が呟いた言葉―あーしは、あの子だったことがあるんだよ。


(あれは、自分の前世を確認した、という意味だったのか?)


 令和に戻って、自分と愛しい夫の存在を世間に知らしめたくなったとしたら?


(だから、この小説のタイトルはこうでなければならなかった?)


 すべてがするりと腑に落ちた。

 スマホが鳴る。

 発信者の名前は「大和撫子」だ。

 深呼吸をしてから通話する。


「はい。鬼束ドS小百合。通称・マッドドッグだが、なにか?」

「…アハ。小百合ちゃんもあーしの小説読んでくれたんだ?印税ゴチっす」

「要件は何だ?承認欲求モンスターのバカギャル」

「くう。言葉責めもバイオレンスう」

「世間話なら切るぞ。清流院凛音の生まれ変わり」


 不意を突いた。

 向こうが黙る。


「生まれてから死ぬまで、窮屈な生活を送って来た華族令嬢。そら生まれ変わるんなら、自由奔放な令和ギャルとかに憧れるよな」


 受話器の向こうの空気が伝わる。

 刑事の勘。

 図星ビンゴ


「‥‥あらあら。腕っぷしだけじゃない、本当に名刑事でいらっしゃるのね。そこまで突き止められたのなら、お話は早いですわね」


 声と口調が、凛音のそれに変っている。


「ねえ、小百合さん。わたくしと一緒に、また旅をしてくださらない?」

「旅?」

「ええ。今度は昭和時代になりますわね。わたくしと星児さんの娘がピンチですの」

「お、おい。また俺を便利使いしようってのか?」


「何をおっしゃるの?わたくしたちはバディじゃありませんか。どちらかのピンチには駆けつけるのが責務ですわよ」

「何なんだよ。その華族の『言うこと聞いて当然でしょ』感は!」

「神様の方にはもう話はついてます。あの方、今ではすっかり娘のファンなので」

「あの美少女フェチめ」


 外堀は埋められている。

 きっと抗えないのだろう。


「この通話が終わると同時に、小百合さんは仮死状態に陥ります」

「な」

「そしてあなたは、昭和のヤクザの組長に……」

「また、ヤクザかよ!」

「憑依‥‥ドン!」


 プツ…ツーツー。


 鬼束小百合の視界が、ブラックアウトした。


                       

          

   

 完





読了お疲れ様でした。

そして、ありがとうございました。


新作「令和最初で最後のスケバン、タイムリープだか憑依だかして昭和の極妻になって全国を制覇する…とかしないとか」を公開中です。


リンク

https://ncode.syosetu.com/n2647mj/


本作の続編となるかどうかは、読んでからのお楽しみです。


今後とも、よろしくお願いします!






☆5を付けてくださった、ごく少数の読者さま。

本当にありがとうございました!

特におすすめレビューまで書いてくださった方、大感謝!!


ただ暇つぶしに読んで感想も何も沸かず、これからもダラダラ生きて人生を無為に過ごすのであろうタダ読み読者ども。

まぁ、ありがとな。


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