『アダルティークエスト 中編』
「今回は、いつもより遠くに行った。越えたことのない山を初めて跨ぎ、僕は、やはり、そこには街があり人がいて様々な生活をしているのを見た。比較的、大きい街に入り、そこで観光がてら、仕事も探したんだ。
観光は、まぁ楽しかったが、何か特に大きな衝撃もなく、よく行く大きな街を、コジンマリさせたような感じで2、3日で観光には飽きる。
で、遠くまで来たんだから、何か、やはり仕事をやろう!と、いつものように、何かの募集広告や、その街の人とコンタクトを取ったが、それが、さっぱり今回は仕事にアリツケナカッタ。僕は、焦るほどではないが、やはり、はるばる、やってきた、という気持ちが強く、何か稼げないか、と再度、街の人に様々に聞きに回ると、ある『コミュニティ』の話を聞いたんだ。
その街から、そう遠くない密林に、あるグループが、ほぼ単独で生活を成しているという。僕は、街の人から、『アナタが、そこに行きたいのなら、止めはしないが、やはり行くなら昼に行った方が良い』みたいなことを言われ、僕は決心して、その街を出て、街の人が、そう忠告してくれた上で、そのコミュニティを尋ねたんだ。
何かキャンプ場ではないが、そこは、そのくらいの広さがあり、レンガ作りの大きな建物が一つ、妙に際立っていたが、僕は、そこに着いたんだ。
すると、そこから大きな男が二人、出てきて、
『お前は、何者だ?』みたいなことを言われ、僕は、シドロモドロになりながらも、正直に全部、話して、『何か仕事は、ないですか?』と告げた。
すると、その大男二人は、優しい顔になって、『とにかく、おまえ、ここで少し過ごしてみろ』と言われ、僕は、その流れで、そのコミュニティにオジャマすることになった。」
「俺は、何か、そういう話を聞くとき、いつも思うんだが、おまえ、よく、怖くないな…そういうの」
「ハハ、こんな『何でも屋』やってるぐらいだからね。してね、何か、その大男達と僕は、シンパシーが合ったんだよ。何か向こうは僕が自分達と同じニオイがする、みたいに思ったんだろう。
で、まぁ、とにかく、そのコミュニティに少しだけでも、ある期間いたんだよ。そんな古くさい生活ではないが、街から離れて住んでるだけあって、古風なんだ。
そこの人は来てる服もインディアンっぽかったり、エキゾチックだったりで、何か、いつも燃えている薪を見たような……で、まぁ、みんな、何をしてるわけでもないというか男女若い人達が多くて、イキイキとはしているんだ。
したら、『今から大行列するから、お前も加われ!』と、いきなり言われ、何か手に打楽器風なものを持たせられ、急に始まった歌って踊る行列に加えられてさ。
僕は、とにかく、手に持った楽器を鳴らし、みんなで列を為して歩いたんだ。それが、しばらく続き、どこか集会場みたいな場に行列は行き着いて、椅子が沢山あったが、その沢山の椅子が、もう、ほぼ埋まっていて、僕は、やっと空いている席に座ると、隣に来て座った男が、『どうしたら、あの楽器で、あんな音が出るんだ!?』と真剣に聞かれたりして、僕は、『適当に、やってました♪』みたいに答えていると、集会場の壇上に、いつしか若い男が立った。
本当に若い男で二十歳くらいに見えたよ。
隣の男が、『あの人が、ここの長だ』と教えてくれ、僕は、しばらく彼が壇上で話すのを聞いていた」




