23/34
オンリーガイ
忘れれらないシーンがある。
「何が創世王だ!バカ!!役立たず!!!」
誰もいない廃墟の街で、男は、そう言って泣き叫ぶ。
時が流れて、やさくれた男は、とある、はしゃぐ遠い街角でファストフードの店で、一人ブツブツ言いながら食べる。
「老若男女、愛していたんだ…!」
ギャルっぽい女性陣の笑い声が聞こえ、男はピキーンとなり、ケッ!と店を出ると、
「もう少しスマートになれば、男は寄ってくるだろうよ…でも、それが旨いものが溢れている、この国では、無理だろうがな…」
と、店を出ると、
たまたま小一くらいの女の子が足早に彼の前を笑顔で掛けていき、
大きくなっても、そうあってほしい!と男は突発的に、そう思う。
家族と合流した、その女の子がゆく道を逆方向に男は歩き出すと、
眼鏡を掛けた少年が、ただ真っ直ぐに、男の脇を抜けて行く。
思わず振り向く男は、
(この街は、…この街は、まさか!?)
と、辺りをグルリと見回すと…
男は、走り出した。
色んな人達がいる。
確かに、そこに彼らは、いた。