モリシャス・イール・テンペルドのお茶会
『私は悪役令嬢になる、はずだったんだけど……』一万PV突破御礼投稿第八弾!
投稿直後はクールに去るぜ
最終話は全員登場! キャラの書き分けが出来ているかは不安ですが、どうぞお祭り気分でお楽しみください!
「皆様、良くぞお集まり頂きました」
私は主催者として、丁寧に挨拶を行う。
「どうぞごゆっくりとお楽しみください」
席を見回す。
ハンス・アーム・カインドネス第一王子
ネスティ・イルズ・テンペルド公爵家嫡男
アウグス・リー・アーリー伯爵家令嬢
ジーン・ニー・アッシュ子爵家末弟
マイン・ド・カウ・ワードリー男爵家令嬢
ヴィオ・レイ・エンス侯爵家嫡男
そして可愛いウィニー・プリティア!
……改めて見ると凄い。国の一つや二つ、動かせそうな気がしてくる。入学前と違ってそんな気は無いけど。
「マイン、大丈夫? 初めての人も多いから……」
「だ、大丈夫です、アーリー様……」
「アウグスと呼んでって言ってるでしょ?」
「じゃー僕も呼ぶー。アウはお菓子何好きー?」
「なっ……! いきなりあだ名!?」
「がっはっは! こりゃ良い! 俺様もヴィオで良い。様は要らん。自分で付けてるからな! がっはっは!」
「うるさいぞヴィオ。声を落とせ」
「地声だネスティ。努力はする」
「……話も聞かず、暴力を振るう男と聞いていたけれど……、噂とは当てになりませんね」
「殿下。ヴィオ先輩は、悪ぶってはいますけど、皆の事を考えて行動できる、立派な方です」
「貴女がそう言うなら信じられますね、ウィニー」
「あ、ありがとうございます!」
お、ハンス一歩リード。
「ウィニー、この馬鹿が迷惑をかける様なら俺に言え。……まぁお前なら大丈夫だろうが」
「ありがとうございますお兄さ……、あ、すみません、ネスティ、様……」
「……好きに呼べ」
あら、お兄様もウィニーも真っ赤。
「ねー! このお菓子美味しいよー!」
「ありがとうジーン君。ん、美味しい」
「でしょー?」
「他の人にもあげて来てね」
「分かったー! 暗いおねーちゃん、どうぞー」
「ど、どうも」
むむむ、ジーンも侮れない。
「暗い嬢ちゃん、ほれ」
「わっ、掌から、花が……!」
「保護者の嬢ちゃんにも、ほれ」
「まぁ、ありがとうございます!」
「ウィニーとモリシャスには、花の雨だ」
「……素敵……」
「ヴィオ先輩は、手品もお得意なのですね」
「俺様は身体が大きいからな。タネを隠し放題だ! がっはっは!」
恐るべし、ヴィオ先輩。
ウィニーのお相手候補を一堂に介して、やり取りを見ているけど、やっぱり絞れない。お兄様や先輩は卒業もあるから、早めにウィニーの気持ちを知りたいのだけど。
「楽しいですね、モリシャス様」
……どうでも良くなったわ。この会を可愛いウィニーと存分に楽しもう!
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
正月に投稿して、恐ろしい勢いでPVが増え、嬉しくも怯えた、
『私は悪役令嬢になる、はずだったんだけど……』
なんだかんだで登場人物に愛着も湧いていたので、蛇足とは思いましたがPV一万達成を契機に、特別編という形で投稿させていただきました。
皆様のご愛顧に少しでもお礼が出来たなら幸いです。
ちなみに全てのタイトルが、ある法則で統一されているのにお気付きになりましたか? 気付いていない方はもう一周(笑)。
ではまた次回作でお会いしましょう。