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すみません、続き書き終わりました。

再投稿します。


後半から隼人視点。

不安が的中してしまった。

ウィンズはパスが通らず、ずっと自陣に封じ込められている。

ピッチとの距離が近い分、選手たちの苛立ちがダイレクトに伝わってくる。

華穂様も雛ちゃんものほほんとした隼人のお母さんでさえ不安そうな顔をしている。


「隼人くん、楽しくなさそう・・・・・」


いつも試合中、隼人は真剣だけれどもどこか楽しそうにボールを蹴っていた。

それが周りにも伝わって全員楽しく一体になってパスがつながる。

それが今日は一切ない。

みんな力技でチグハグで、一体感というものが何もない。


「そうねぇ。あの子は何の為にボールを蹴ってるのかしらぁ。」


そんなお母さんの呟きが聞こえるはずもなく、選手たちは苦しげにボールを追い掛け回して前半は終わった。


ハーフタイムに入り疲労困憊で下がっていく選手たち。

前半はギリギリ無失点でしのいだが、正直後半もこの調子だと苦しい。

下がっていく隼人に雛ちゃんの声はまたしても届かなかった。


ハーフタイムが終わっても立て直せないようなら・・・・・・










※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※



バアァァァーーーンッ



思わず殴りつけたロッカーがものすごい音を立てる。


「クソッ!!」


なんでパスが通らない!!??

いつも通りにやってる筈なのに!!!!

大事な最終節、勝ったって優勝できるかわからないのに、相手から攻められっぱなしなんて!!!


監督がミーティングしてるけど上手く頭に入ってこない。

後半は・・・・後半こそ上手くやらなきゃ。

でないと、勝てない。


ミーティングが終わり、ピッチに向かいながら考える。


どうやったら上手くいく?


どうやったら勝てる?


パスが通らないならいっそひとりで・・・・・・


!!!!!!!!


突然コメカミに走った痛みにびくりとする。


驚いた時に声が聞こえてきた。


「「「「「お兄ちゃん!!!!!」」」」」


声のする方に顔を向ける。


雛・・・、それに華穂さん。勇人も唯さんも・・・・ああ、そっか今日はみんな来てもらって・・・・


「隼人くん、笑顔!!サッカーは楽しく!!!ボールは友だち!!!」


華穂さん、なんでそんな当たり前のこと・・・・


「あっ・・・」


俺、前半楽しかったっけ?

なんか苦しかったことしか覚えてない。

前半だけじゃなくて、この間も、その前も。


俺、最近いつ楽しくボール蹴ったんだっけ?


“ボールは友だち”


それは俺がサッカーを始めたきっかけになった漫画の言葉。

遊園地にいった時に華穂さんと話した俺の好きな言葉。


「おい、隼人。何ぼーっとしてんだ。早く行くぞ。」


「あっ、はい!」


足が止まってしまっていた。

チームメイトに押されるようにして前に一歩出る。


ピッチに出る前にもう一度、雛たちの方を見る。

みんな不安そうな顔をしていた。

あぁ、そっか。俺、心配かけてたんだ。

スタンドを見る。

お客さんたちも苦しそうな祈るような必死な顔をしていた。


もう大丈夫。


そう言いたくて、俺は俺たちを観ていてくれる人たちに手を振った。





ピッチに入る前に円陣を組む。


「キャプテン、声かけ前に少し話してもいいですか?」


「隼人がそんなこと言うなんて珍しいな。時間ないから手短にな。」


「はい。」


ここで流れを変えるんだ。

このまま後半に入ったらさっきの二の舞だ。


「俺、ここ最近の試合楽しくないんです。

この間は負けたから当然だけど、勝った試合だってなんだか苦しかった。

で、さっき気づいたんです。

俺たちだけじゃなくってお客さんも苦しそうだ・・・って。

俺、ボール蹴るの好きだからサッカー選手になりました。

お客さんに俺のプレーを見て楽しんで貰えたらすごく嬉しくて、負けたときでも全力を尽くした試合では優しい声をかけてくれて。

どうせ勝ったって優勝できるかどうかはわかんないんです。

だったら俺はっ、大好きなサッカーをもっと楽しく、お客さんを魅せるプレーがしたいッス!!」


バシイィッ


「げほっ!!」


思いっきり背中叩かれた。


「いつもきょどってばっかりのお前がよく言った!!勝っても負けてもリーグ戦は今日で終わりだ。

どんな結果になろうと楽しく締めるぞ!!」


キャプテンがニヤリと笑う。





「行くぞ!!!!!」




「「「「「「「「「「おぉ----!!!」」」」」」」」」」











『ボールは友だち』


Wデートの時に話したことになっておりますが、本編にそのシーンの記載はございません。

書かれていなかった世間話だと思ってください。

作者の気が向いたら、小噺もしくは 拍手御礼話で書くかもしれません。


ブックマークありがとうございます!

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