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【 】内の会話は全て英語だと思ってください。
(英語力が足りないため日本語表記で申し訳ありません)
華穂様と出会って早数ヶ月。
ゲーム時間でいうともう少しで折り返しに入るところだ。
そろそろあの人に動きがあってもおかしくない。
注意して見ておかなければ・・・・・・。
「華穂様、そろそろ秀介様がおみえになるお時間です。」
「うん、準備するね。」
2週間に1度の秀介の往診に合わせたお茶会だ。
秀介は庭師のお爺さんの診察をした後、必ず華穂様の所に顔を見せてくれて、英会話のレッスンに付き合ってくれる。
決まった時間に約束しているわけではないのだが、毎回ほぼ同じ時間帯で、秀介の診察が終わるとお手伝いさんが華穂様呼びに来てくれる。
「・・・・・・・・・?呼びに来ないね。今日は秀介さん来てないのかな??」
「秀介様でしたらもし来られなくなった場合、連絡をくださると思うのですが・・・・。」
いつもの時間からすでに30分が過ぎていた。
今日はこの後の予定はないので待つ分には問題ないのだが、几帳面そうな秀介が何の連絡もなしに来ないのが気にかかる。
「ちょっと庭師の所まで様子を見に・・・・」
私が様子を見に扉に向かおうとしたのと同時にノック音とともに秀介の来訪を告げるお手伝いさんの声が聞こえた。
【こんにちは、秀介さん。】
華穂様が嬉しそうに秀介の待つ応接室に入っていく。
【こんにちは、華穂さん。いつもより遅くなってすみません。】
【・・・・・・・・いえ、今までそんなことなかったから・・・・・ちょっと心配しましたけど、何もなくてよかったです。】
基本、秀介と会う時は最初から最後まで英語で会話するようにしている。
英語の苦手な華穂様は言いたいことを英文に脳内変換して話すのに時間がかかるので、ちょっと間の空いたテンポの悪い会話になる。
【心配してくれたんですか?それは嬉しいですね。もう少し遅れてくればよかった。】
【・・・・・・・秀介さんったらまたそんなこと言って。
お仕事、忙しいんですか?】
【仕事はそんなに忙しくないんだけど、診察の後に電話がかかってきまして、少し話し込んでしまったんです。】
「・・・・・・・・悪い話だったんですか?」
「え?」
「だって、秀介さん真っ青ですよ?」
まどろっこしくなったのか華穂様が日本語に切り替えた。
にこやかに話してはいるが、今日の秀介の顔は最初から紙のように白い。
「それともやっぱり疲れてます?時間あるなら、ゆっくり客間で寝てもらって・・・・・。
あ、病院の方がいいのかな?送りますよ?」
「いえ、本当に大丈夫ですので、お構いなく。
・・・・・・ちょっと悩んでることがあって寝不足なだけなんで。」
「それ、全然大丈夫じゃないですよ!やっぱり寝てください!」
「それが横になっても寝付けなくて。
華穂さんとの会話はいい気分転換になるんですよ。」
ふんわりと笑いながら言う秀介にこちらに気を使って言っている様子はない。
その様子を感じ取った華穂様も大人しく引き下がった。
「心配してくれて嬉しいです。すみませんが、今日は僕の気分転換に付き合ってくださいね。」
「そんなのいくらだって付き合います!秀介さんにはいつもいっぱい付き合ってもらってるんですから!」
「ありがとうございます。」
そこからは華穂様最近あった面白いことを話し、秀介がそれに相槌打つという形でゆったりとした時間が流れていった。
気がつくと日はずいぶん傾いていた。
「華穂さんのおかげで今日はゆっくり過ごせました。」
「お役に立てたなら嬉しいです。」
「最後に1つ聞いていいですか?」
「はい。」
「・・・・・・・・長く続く少しの人の不幸と大勢の平穏。
少しの人の平穏と大勢の人の短い期間の不幸。
あなたならどちらをとりますか?」
「・・・・・・・・・・それはどちらかを選ぶしかないんですか?」
「はい。」
「・・・・・・不幸の程度や期間によりますけど、たぶんどうしても選ばなきゃいけないなら、わたしだったら沢山の人の平穏を選ぶと思います。
でも、ギリギリまで全員平穏でいられる道を探したいです。」
「・・・・・・そうですか。ありがとうございます。」
「・・・・・・・・それが秀介さんの悩みですか?」
「そうですね。・・・・・・なかなか決められなくて。」
「期限が決まっていないならギリギリまで悩んでいいと思います。でも、体調だけは気をつけてください。本当はわたしも一緒に解決策を考えられたらいいんですけど、守秘義務とかいろいろあると思いますし・・・・・。」
「いえ、質問に答えてくれただけで十分です。」
『そろそろ帰ります。』と秀介がたちあがる。
「僕、しばらくは毎週こちらに来ることになったんです。またお茶してくれますか?」
「はい!秀介さんさえよければぜひ!!」
華穂様の笑顔を眩しそうに見ながら秀介は帰っていった。




