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「いい天気だねー!!」


降り注ぐ日差しにまぶしそうに目を細める。

華穂様が快復してから1週間。

久々の外出は以前から約束していたWデートだった。


行き先は国内最大のテーマパーク。夢の国だ。

エントランスでは目立つということでパーク内のカフェでの待ち合わせになった。

1日目一杯遊び倒すという約束でパーク開園と同時に中に入り目的のカフェを目指す。

一弥と隼人はまだ来ていなかった。

すぐにくるだろうとカフェの入り口で待つ。


「可愛いお嬢さん、俺たちとデートしてくれませんか?」


いつの時代のナンパだ。と思いたくなるような声かけに顔を向けると


「いっ〓∇☆◉⁂!?」


思わず大声を出しそうになった華穂様の口を相手が大きな手で塞ぐ。


「大声出したら、せっかくカフェで待ち合わせた意味なくなっちゃうから静かにね。」


華穂様が頷いたのを確認してから手を外す。


「いつもと全然違うからびっくりしちゃって・・・・」


「俺、なーんでも似合っちゃうからね。」


目の前にいるのはもちろん一弥と隼人だが、いつもと全く格好が違った。


一弥は有名スポーツブランドのメッシュキャップにポロシャツ、ハーフパンツにスニーカーと爽やか活動系コーディネート。

隼人はシャープなサングラスと黒いTシャツに皮のリストバンド、カーゴパンツにスニーカーとポイントポイントで別の色は入っているもののほぼ全身真っ黒。

まるでふたりの服装が入れ替わったような状態だった。


「おはようございます。華穂さん、唯さん。」


隼人の方は着慣れてないのかちょっと恥ずかしそうである。


「ほら隼人、ちゃんと胸張らないとおかしいでしょ。

しっかり俺がコーディネートしてやったんだから自信持てって。」


「は、はい!いち「ストーップ。」」


「今日の俺は『いっくん』だってこっち来る前に言ったでしょ。華穂ちゃんも唯ちゃんも『いっくん』って呼んでね♡」


・・・・・・・・バカップルっぽいから物凄く断りたい。

が、華穂様がいい笑顔で『わかりました!』と返事をしている手前、断れない。


「じゃあ、合流完了ってことで早くいこ。

最初はファストパス取って回るんだよね-。」


一弥に誘導され歩き出す。

どの乗り物をどう回るかは決めてあったので迷わず目的地に歩いていく。


「うーん、ふたりとも会うたびに違う魅力が出てていいねぇ。」


こら、どこかの変態オヤジのように華穂様をジロジロ見るな。


「えへへ、唯さん綺麗でしょ?今回も頑張りました!」


華穂様は一弥のライブ以来 私のファッションコーディネートに目覚めてしまったらしく私服で出かける時は必ず服を選んでくださる。


今日の格好はデニムのショートパンツにクリームイエローのTシャツ(借り物)

ざっくり編まれすぎてほぼシースルーの白い袖なしカーディガン(借り物)とウェッジソールのサンダル。

髪の毛は華穂様自ら結ってくださり、後頭部からゆるく編み込みされた三つ編みを左肩に流している。


「脚線美が眩しいねぇ。もうすぐ夏だって感じるよ。」


そんな夏の感じ方嫌だ。


「華穂ちゃんは俺とお揃いな感じだねぇ。」


華穂様はスポーツMIXだ。

一弥と同じ有名スポーツメーカーのロゴが入ったTシャツに紺のキュロットスカート。

ストライプ柄のシャツを腰巻きにして、同じデザインのスニーカーを履いている。

肩からかけたスパンコールのついたミニポシェットがアンバランスで可愛らしい。

髪型はポニーテールで毛先が動きに合わせて元気良く揺れている。


ちなみにコーディネートしたのは私だ。

隼人の私服をイメージして選んだのに裏目に出た。


「こんな可愛い子とデートできるなんて最高だねぇ。なぁ、隼人!」


「は、はい・・・・。」


サングラスをかけているのでわかりにくいが照れているのかほんのり頬が赤い。

・・・・・格好自体は似合っているのだが、仕草との違和感が半端ない。

洋服の選択ミスじゃないだろうか。

言ったら選んだ一弥ではなく隼人の方が傷つきそうなので言わないが。


「シューティングスターのパスは取ったから次はインディアナリバーだね。ほら、行こう。」


地図を見ていた一弥が方角を確認し、自然な仕草で私の手を握る。


!!!????


な、なんで突然手繋いでんの?しかもこれっていわゆるカップル繋ぎ・・・・


「ちょっと一弥っ」


振りほどこうとするが逆に強く握りしめられる。


「『いっくん』でしょ。」


「どうでもいいから手 離してっ」


「デートなんだし手くらい繋いだっていいじゃん。それとも腰抱いて歩く?」


どんな2択だ!

一弥は私の手を離すと本当に腰に腕を回してきた。

ぴたりと密着されて、一弥の息が耳にかかる。


「ほんといい加減にっ」


「じゃあ大事な華穂ちゃんと手 繋いでもいいの?」


後ろのふたりにも聞こえない位小さな声で囁きかけられる。

思わず抵抗していた動きが止まる。


「今回のデートの目的は隼人の女の子への上がり症の荒療治。

これくらい出来るようにならなきゃ治療にならないでしょ。

目の前で『女の子とはこんな風に付き合うんだよ』っていう手本を見せてあげなきゃ。」


手本!!??


「別に隼人様は女好きは目指してないと思うけど。」


「隼人の性格じゃぁ無理でしょ。

でも、こーんな感じで・・・・・・」


腰を撫でる手にゾクっとする。


「イチャイチャしてたら『俺も好きな子としてみたいなー』って思うかもしれないでしょ。

本人がそう思うってのは大事な一歩だからねぇ。

唯ちゃんが協力してくれないなら、華穂ちゃんとするしかないんだけど・・・・・・。」


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!


ドンッ


思わず一弥を突き飛ばしてしまった。

羞恥心の限界だ。あんなにくっついて撫でられて囁かれるとかもー無理!!

が、恥ずかしくて離れたくて突き飛ばしたはずなのに、離れていない。

というかこれは・・・・・・・・・・・


!!!!!!!!!!!!!!


目の前に驚いた表情のの一弥の顔がある。

私の手も足も身体全部が一弥と密着していて・・・・・・。

予想以上に腰をしっかり掴まれていたため、突き飛ばした拍子に一弥と一緒に一弥の上に倒れてしまった。

一弥と顔の距離が数cm・・・・・・・・


自分でも真っ赤になっているのがわかる。

・・・・・・・・・・・・・・・・もうどうしたらいいかわからない。

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