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ぼっち・ダンジョン  作者: 内藤ゲオルグ


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まだまだ成長途中?

 第二階層どころか、まさかの第三階層を見つけてしまった。

 これまでずっと第二階層を発見できなかったのに、私ったらもう第三階層まで発見してしまったわ。

 ちょっとどころじゃなく、もう絶対すごいよね。


 将来有望な新人ハンターらしい、とんでもない成果を上げてしまったわ!

 がははっ、やっぱ私すげーわ。


 まだ時間は全然あるし、ちょっと見に行ってみるかな。


「誰も見たこともない階層だもんね、気になるわ」


 ダンジョンは結構不思議で、階層によっていきなり環境が変わることもあるからね。次はお花畑が広がるあったかくて優しい階層かもしれない。未知の階層は楽しみだ。


 うん、きっとそうだよ。こんなきっつい階層を乗り越えたんだからね、たぶん次はめっちゃ楽しい感じに違いないわ。

 よっしゃ、楽しみ楽しみ。


「ほいほいほいっと」


 たったか階段を下っていって――ダンジョンは甘くないって思い知ったね。優しくないわ。


「うへー、なんだこれ」


 お花畑はちょっとないとしてもさ。これはないわ。

 真っ暗な荒野で、風が強くて空気が薄くて寒い。前と同じ!


 ただ、モンスターがいっぱいいる。それも、さっき倒したやつがいっぱいいる。


 黒いモヤモヤをまとって、頭が骸骨の青鬼くん。あれがそこら中にいっぱいいる。

 全然楽しくないわ。なんだよ、これ。超つまんね。

 こんなのだったら、もういいや。


「帰るかー」


 第二階層に引き返して、さらに第一階層に続く階段の近くに移動。そこで転送陣設置キットを取り出した。

 めっちゃお高い道具らしいけど、こういうのって今後も滅多に使う機会はないと思う。面白いね。

 使い方は教わったし、ごちゃごちゃ細かい注意はされたけど、変な使い方さえしなければ大丈夫。たぶん。


「よっしゃ、これでいいんだよね」


 なかなかでっかい魔石を地面に何個も配置して、さらに小さい杭みたいなものを平らな地面に突き刺せばそれでオッケーなはず。

 ずぶっと刺したら、勝手に魔法陣みたなもんが地面に広がって、魔石のエネルギーを食いながらそのまま定着したっぽい。

 うおっと。魔法陣が光ったよ。


 転送陣の中にいたから、勝手に転送されてしまった!

 気がつけばダンジョンの入り口近くに戻っているわ。帰るつもりだったから別にいいけど。


「永倉? 転送陣を使ったのか」

「どういうことだ。この時間では、そこまで遠くには行けていないはずだ。たいした益もないのに使えば弁償だぞ」

「帰りが楽にはなりますけど、そういう用途で使うものではないですね……」


 びっくりした感じの刑務官たちが集まってきた。

 そりゃまあびっくりもするかな。もったいぶらずに教えてあげようね。


「がははっ、聞いておくれよ! なんと私ったらさ、第二階層を見つけちゃったわ!」


 これで出所は決まったからね。ムショとはもう、おさらばだよ。


「それどころか、第三階層まで見つけちゃったんだよね! すごくね?」


 ほめたたえておくれよ。このものすっごい成果をさあ!


「いやー、さっさと出所したいからさ。ちゃちゃっと出しておくれ」


 よくわからんけど、手続きみたいなものがあるよね。そいつをサクッとやってほしいよね。


「なにを言っている。第二階層に、第三階層? 馬鹿なことを言うな」

「沖島ダンジョンは、これまで数々の失敗を繰り返してきた歴史がある。冗談でも笑えない」


 キミたちこそなにを言ってんのかね。ウソなんかついてどうすんだよ。


「ホントだって。行ってみればわかるよね?」


 まったくもう。つまらんことを聞くなよな。


「それはそうだが……まさか本当に……?」

「待て。さすがに信じられない」

「ですが嘘をついても意味がありません。永倉さん、本当なんですよね?」

「だから言ってるじゃん。行ってみればよくね? それですぐわかるよね?」


 ぐだぐだ言わずに見に行けばいいんだよ。転送先は階段のすぐ横なんだから、1秒でわかるわ。


「……いや、新たな発見をした場合には、その後の取り決めがある。まずは詳しい話を聞かせてもらおう。聴取の準備をするから、しばらく待て」

「私は上に報告してきます」


 え、すぐ出所できるんじゃないのか。まだなんだかんだありそうだね。

 まあもうちょっとだけなら、別にいいけどさ。


「永倉、第二階層の発見はお前が思っている以上におおごとだ。聴取には我々だけではなく、多くの人が立ち合うことになる。その後に準備を整えてから、ハンターの協力を取り付けて現場の検証に入る。すべてが終わるまで、それなりの期間を要するはずだ」


 マジかよ、ちゃちゃっとやってくれんかね。


「もし嘘をついているのなら、いまここで白状しろ。おおごとになってからでは遅い」

「ホントだって。ちょろっと第二階層に行ってみればよくね? 検証とかはあとでやってよ。話だけなら聞かせてあげるからさ」

「検証結果が出るまで出所は認められない。なに、本当のことなら手続きに則って無事に出所できる」

「きちんとした結果が出て、それを書面にまとめて、細かい手続きをいくつも経てからですね。当然の流れです」


 ういー、そんなもんか。


「先に言っておくが、聴取はカメラを回しながら行う。質問にはすべて正確に答えるように」

「わかったよ。別にウソなんかつかないし。ほんで、いつまで待ったらいいの?」

「しばらくだ。まずは着替えて、装備や道具の返却を済ませておけ」

「ほいほいっと」


 お着替えしますかね。


 更衣室に移動して、オレンジ色の死ぬほどダサい作業着にお着替え完了!

 どうするかな。しばらく待てとか言われたから、たぶん結構時間あるよね。


「昼寝でもするかな。あ、そういやそうだ」


 あの青鬼くん倒して経験値がっぽり入ったりしてないかね。どうだろ。

 これまで低い階層のモンスターは、どんなに強くても全然経験値がもらえなかった。今回もどうせそうだろうけど、一応はチェックしてみよう。どれどれ。身分証をチェック!



■星魂の記憶

名前:永倉葵スカーレット

レベル:24(レベル上昇に必要な経験値:392,378)

クラス:はぐれ山賊

サブクラス:しゃにむに悪鬼

生命力:171(+1,920)

精神力:171(+4,200)

攻撃力:171(+4,080)

防御力:171(+2,280)

魔法力:171(+2,640)

抵抗力:171(+2,400)

運命力:715

スキル:ウルトラハードモード(試練を与える。ダンジョン難易度の上昇、難易度に応じた報酬獲得率アップ、成長率が難易度相応に変化)

:ソロダンジョン(専用のダンジョンに入ることができる)

:武魂共鳴(装備品が使用者と結びつき、レベルに応じて成長する)

:毒攻撃(攻撃時に毒ダメージを与える)

:星の糸紡ぎ(星魂紋の詳細が可視化される)

:状態異常耐性(状態異常への耐性を得る)

:カチカチアーマー(カチカチしたシールドを召喚する)

:ギラギラハンマー(ギラギラするハンマーが追加攻撃する)

:生命力吸収(攻撃時のダメージに応じて、対象から少しだけ生命力を吸収する)

:念動力(念じることより物体に干渉する)

:健康体(病気知らず)

:メラメラハンマー(メラメラするハンマーが追加攻撃する)

:ヒエヒエハンマー(叩きつけた場所を冷却する)

:だいだら・初(ダンジョンに道を拓く)

クラススキル:拘束具破壊(拘束具を簡単に破壊できる)

:威嚇(威嚇対象に恐怖感を与える)

:荒野の生存者(過酷な環境への耐性を得る)

:黒縄(焼けた縄を召喚する)

加護:弁財天の加護(魅力・芸術能力・財運アップ。五頭龍をソロ討伐し弁財天に認められた証)

:厄病神の加護(災厄を返し悪因悪果を与える。疱瘡悪神をソロ討伐し厄病神に認められた証)

:瀬織津姫の加護(精神力増強、攻撃力増強、スキル威力増強。戦闘技術を磨き瀬織津姫に認められた証)

:座頭法師の加護(演奏能力・呪いへの耐性アップ。暗闇での視界が利くようになる。座頭法師に認められた証)



「んー? たぶん経験値もらえてないよね? もらってたとしても、ちょっとだけっぽいよね」


 なんだよ、しょぼいわ。苦労に見合ってないわ。

 あれ? ちょっと待てよ。なんか変わってね?



 :ギラギラハンマー(ギラギラするハンマーが追加攻撃する)



「うおっ、マジかよ『キラキラハンマー』が『ギラギラハンマー』になってるわ。なんで?」


 レベルアップもしてないのに、スキルが進化しちゃったよ。進化だよね、これ。

 青鬼くんを倒したら進化したってこと?


「どういうこっちゃ」


 まあいいとして、どのくらいギラギラしてんのか気になるね。

 キラキラじゃなくてギラギラだからね。とにかく、なんかすごそう!


 やべー、早く使ってみたいわ。

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― 新着の感想 ―
ギラギラ( ゜□゜)
最初の一体目だけか3階層のやつでもスキル強化されるかでダンジョンの価値大分変わるな
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