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ぼっち・ダンジョン  作者: 内藤ゲオルグ


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ドクロの青鬼

 でっかい剣を避けて、ハンマーでドン!

 だけどやっぱ微妙だわ。


 青鬼くんはだいぶ強そうだから、普通に戦って力比べをしたかったのに、それができない。

 がんばって戦っても風が強すぎるし、空気も薄いしで、いまいち対戦のやりがいがない。この環境だと、まともに戦えないね。

 ちょろっと戦えば、わかってしまうわ。なんかなー。


「ういー。でも、こういうパターンがいつかまたあるかもしれんよね。うーん、もうちょいやっとくか」


 時間はあるし、あきらめるには早いかな。

 そういや青鬼くんは重いからか、風の影響があんまりなさそう。よろけたり全然しそうにないわ。それに暗闇でも普通に見えてるよね? なんか、ひょっとしたら風に負けない特別なスキルとか使ってんのかな。


 あ、よく考えたら。こんな場所にずっと突っ立てる時点で、だいぶ頭おかしいしね。いくらモンスターでも、やっぱおかしいわ。よくわからんけど、特殊な能力はあるよね。やっぱ。


「なんだよ、ずるいわ」


 私はこんなに息苦しいし、風もきついのに。

 特に風の流れが安定しないのが嫌な感じだ。急に風向きが変わるからめっちゃやりにくい。


「どっしり構えてやるのもムリだよね。だったらもう、風に任せてみるかな」


 風に流されまいとすると、思うように動けない。そもそも急な突風で、大事な場面で体勢を崩されたら結構やばい。

 動き回る戦い方はここじゃムズイし、風任せの戦法を試してみるかね。ここじゃなきゃ試せないし、そういうのも面白いわ。


 青鬼くんはハンマーを構えた私にゆっくりと近づく。

 そして剣を振り上げる動作から、とんでもない威力での振り下ろし!


 あれを受けるのはムリだから、避けるしかない。体の力を抜くと風の吹く方向に体が動く。その流れに合わせて力を入れた。

 斜め後ろに下がって避けたら、剣に向かってハンマーを叩きつける。この武器怖いんだよ、ぶっ壊せないかな?


 跳ね返る勢いを使って回転しながら移動、そのまま風に押されて今度は青鬼くんの懐に潜り込む位置に移動する。移動の途中でハンマーを振ってぶっとい脚に一発、さらに近づいて今度はお腹を蹴っ飛ばした。


 このまままとわりついてボコボコにしてやろうと思ったら、強い横風に押しやられて、いったん距離を取らされた。


 横なぎにぶん回す剣がきたけど、風に逆らわずに移動したお陰で簡単に避けられたね。

 と思ったら、お次は急に前のめりになる突風だ。青鬼くんが切り返した剣を避けるのはムリかな。弾き返すにもあの威力に対して、こっちの体勢が悪すぎる。ムリだね。


「仕方ない、『カチカチアーマー』!」


 カクカクした半透明のシールドで防ぐ。ガキィンッみたいなすごい音がした。


「うお、マジかよ」


 シールドがひび割れてるじゃん。こんなの初めて見たんだけど。青鬼くんの攻撃力、だいぶやばくね?


 びっくりしている間にも、私はちゃんと攻撃する。

 風に流されるままに『念動力』で制御したハンマーを振り回し、ブーツの蹴りをお見舞いした。この一発一発だって、相当なもんだと思うけどね。青鬼くん、マジでタフだわ。


 ホントに効いてるよね? 効いたと思った瞬間には回復とかしてないよね?


 なんかだんだん自信なくなってきたわ。

 うん、力比べとか言ってる場合じゃないわ。もしホントに効いてないなら、いくらがんばっても勝てないからね。

 やれることは全部やって、ひねりつぶすつもりでやってやるかな。


「よっしゃ、さっそく『カチカチアーマー』からの『キラキラハンマー』!」


 避けずに防御して、すぐに反撃。風に合わせて動くから、思うようにはいかないけど、それでも着実にやれてる感じはある。この調子でいこう。

 防御、反撃、防御、反撃、反撃! スキルの『毒攻撃』も発動しながら殴った。


 はあっ、はあっ……やっべー、息が苦しいわ。

 環境がひどすぎて、疲れるのも早いね。そんなたいした時間もたってないのに、もうめっちゃ疲れてしまったわ。

 そうだよ、いつものスキルリンクでのサポートもないからね、ひとりはやっぱキツイわ。


「どりゃーっ! くらえ『メラメラハンマー』からの『キラキラハンマー』じゃい!」


 ちょっとちょっと。全部もろに叩き込んだのに。青鬼くん、ケロッとしてない? マジでタフすぎるんだよ。

 もうちょっと攻撃が効いてる感がないと、私だってつらいわ。星のほこらの巨人も強かったけど、あれはダメージ与えると変身していったから、ちゃんと進んでる感があった。でもこいつにはなにもない。なんにもねーよ!


「ぐへー、ホントのマジで効いてんの?」


 でも手応えとか感触としては、ちゃんと攻撃は効いてると思うんだけどね。おらよっと!

 またドカンと脚に一発! 血も出ないし、少しは痛そうにしておくれよ。脚を引きずるとか、そのくらいはしておくれよ。なんなんだよ。


「こんにゃろー!」


 腹立つわねー。また防御からの『メラメラハンマー』をお腹にぶちこんでやった。さらにちょうどいい風が吹いたから、背後に回り込みながら蹴って殴ってを繰り返す。


「おらおらおらおらおらおらおらおらおらーっ!!」


 また風が吹いて、いったん大きく離れることにした。でもちょうどよかったわ。疲れたー。

 はあっ、はあっ……やっべー、ホントのマジで息が苦しい!

 いまのでケロッとされちまったら、もうやりがいないわ。やってられなくね?


「うへー、どうすっかな」


 まだまだやれるし、やられる感じはしないけどね。倒せる感じもしない。なんだよこいつ。


「え、あれ?」


 私にやられてもずっとケロッとしていた青鬼くんが、初めて動きを止めている。

 なになに、ついに第二段階に入ったとか? 変身とかしちゃう?

 ちょっとだけ、わくわく感が高まってきたわ。


「おおっ」


 青鬼くんがでっかい剣を地面に突き刺して、私のほうをじっと見ている。

 緊張しちゃうね。なにをすんのかな?



 ――風が、冷たくなった気がした。



 吹きつける強い風。たぶん山賊のクラススキル『荒野の生存者』がなかったら、目を開けられないくらいの激しい風だ。

 ただでさえ寒かったのに、その風にこれまでよりずっと強い冷たさが混じり始めた気がする。


「うお、寒っ! めっちゃ寒くなってんだけど!」


 間違いないわ。動きまくってちょっとあったかくなっていたのに、一気に冷やされてしまった。マジで寒い。

 こんなのもうムリじゃね? 防寒対策を突き抜けてくるわ。


 あー、これはまともに戦うとかもうムリっす。でも逃げて帰るのは嫌だよね。


「やっちまおう」


 もう問答無用にやっちまうぞ。そっちがこんなことしたんだからね、仕方ないわ。

 私はもっとちゃんと戦いたかったのに。


「おんどりゃーっ、寒いんだよもう! こうなったら『黒縄』じゃい!」


 最強悪鬼のクラススキルを発動した。

 魔法の焼けた鎖が地面からドバッと飛び出して、青鬼くんを縛り上げる。


「え、めちゃくちゃ効いてね?」


 ずっとケロッとしていた青鬼くんが、もうあからさまに苦しみまくってる。もがき苦しみながら、野太い悲鳴を上げているわ。これまで声なんか全然出さなかったのに。マジかよ。

 青鬼くんは苦しみもがきながらも、そんなに暴れる力も出ないらしい。魔法の鎖に焼かれて、すごいダメージを受け続けている。このままで倒せるっぽくね?


 いやいや、油断はよくないよね。一気にたたみかけるかな。


「がははっ、これは勝てるわ!」


 身動きのできないモンスターをしばき倒しまくるぞ。


「おんどりゃーっ、連続ダブルハンマーをくらえーい!」


 スキル『キラキラハンマー』と『メラメラハンマー』の複合技をぶち込んだ。

 これでもかこれでもかとぶち込みまくる。光に変わって消えるまで、このままやっちまうぞ!


 どんどこ殴って、そして。


「ういー、勝ったー」


 疲れたー。なんだったんだよ、最初から『黒縄』使っとけばよかったわ。

 ホントに疲れたね。


 光の粒子に変わった青鬼くんの場所には魔石が残されて、


「うおっと。マジかよ」


 近くに階段が現れた。ぽっかりと口を開けた、下に続く大階段。ホントにマジかよ。


「……え、第三階層だよね? まだ続きがあるんだね」


 こんなの見つけちまったら、先が気になるわ。

 でもキリがないね。どうすっかな。

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― 新着の感想 ―
葵の性格と戦い方いいね ダンジョンのこう言う未知の展開するのも凄くイイ! ワクワクです
青鬼がいるなら次は…。 ベリハになってるはずだから普通の青鬼なら第二形態なかったりするのかな。
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