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八重する企みと囚人たち Lv.4(十五話)

 突然、いなくなったかと思えば、また突然、現れた。


 キャリーは幸たちがいる牢の鉄格子にくっついてシャーフから聞いた話をそのまま話す。


 身元を調べ、何事もなければ釈放になるが、必ずアシュメ看守長が関わるのでただでは済まない。

「らしい……」


 キャリーは申し訳なさそうに俯く。


 チラリと幸の方を見ると青ざめた顔で天井を見上げていた。

 人生が終わったのだと思い込んでしまっている。

 みかねたリードは立ち上がり、思いっきしゲンコツをお見舞いした。


「いた!」


「ちょっと」


 アンがきつい目でリードを見る。だが、彼女は関係ないと目をそらす。


「で? お前はどうするんだ」


 リードは幸をじっと見下ろして尋ねる。


(どうって……どうすればいいの?)


 おとなしく正体を明かしても、黙っていてもあのイカれた看守長に殺される。

 自分の人生は永遠に暗闇のままだった。


「このまま何もせずに見つかって、あのビッチのおもちゃにされたいか?」


 幸は強く首を横に振る。


 彼女の様子を見てリードはニヤリと笑った。


「なら、脱獄するしかないな」


 リードは子供が新しいイタズラを考えた時の様な笑顔で幸を見る。


「脱獄⁉︎」


 背後から声が響く。


 キャリーが面白そうな話を聞いて、思わず言ってしまったのだ。

 彼女のせいで、嫌な予感がしたリードはキャリーの顔を殴り鉄格子から落とす。


 突然の事にアンが遅れて文句を言おうとした。その時、ドタドタと足音が聞こえてくる。

 現れたのはノアルアだった。


「誰だ! 脱獄を企てている奴は!」


 腰に刺したレイピアを抜き牢越しからでも突く勢いだ。

 リードは慌てて誤魔化す。


「な、何のことかな? 俺たちはこの間、犠牲になった奴らの話をしてただけだぜ。あれだろ? 脱獄しようとして捕まって酷い目にあったってだろ? 俺らもああはなりたくないよなぁて。なぁ」


 アンの方に視線を送る。


 慌てて合わせる。


「そうそう、模範的に過ごしたほうがいいなって。私には待っててくれる人がいるし」


 とベッドに置いてあったテディーベアの両手を可愛く動かした。


「……」


 訝しむ視線を送るがやがて目線を逸らす。


「そうだな……」


 彼はそう言って、巡回に戻って行った。


 暑苦しい奴だと思っていたが、すり抜けられて良かったと安堵する。


 リードはくるりと向きを変えて鉄格子の窓に近づいた。

 そこには小さな手で壁に張り付いてるキャリーがいる。

 リードは、目を見開いて彼女を睨みつけた。


「うっ……ごめんなさい」


「お前、マジでふざけんなよ」


 もう一度はたき落とそうと思っているリードをアンは何とか宥めようとしていた。


 彼女たちの様子を少し離れた枯れ木の枝からジッと見つめるものがいる。

 両足をふらふらと揺らしながらニンマリと微笑む。短くて黒い髪をした少女だった。

 彼女はいい事を聞けたと呟く。


「これでカニンチェン様のお役に……」


 次の瞬間、少女は倒れる様に背中から落っこちる。しかし、地面に降って来たのは数枚の羽だけだった。

あやしいものじゃないよ、あやかしだよ。

どうも、あやかしの濫です。

刑務所、囚人と来たら脱獄でしょ!

幸ちゃんを逃がすための脱獄計画がついに始まるのだ!


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