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三秒前と、お別れしよう  作者: 優衣羽
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近況と伝えたい事と


こんな時だから楽しい話しようぜ



僕らは多分、どこかで自分だけは大丈夫だと思っていて。自分の大切な人は絶対死なないと思っていて。そんな事有り得ないのに、世界から見れば命は等しく平等だから、奪われる時も等しく平等なのに。それでも当たり前の日常に、ありがちな人生に安堵して変化が訪れないと思っている。数十年前も同じ事があったから、そんな事があったから大丈夫だとか誰かは言う。でも絶対なんてどこにもない。


この世界のどこにも、絶対は存在しなくて。永遠なんて絵空事でしかなくて。想いも願いも、破れ去る時は一瞬で。希望はあっけなく絶望に変わる。気づけないのは、経験した事がないからだ。大切な人が目の前から消えた事がないから、明日が当たり前に来ると思っているから。だから僕らは全てを軽く見てこうなってしまった。


失ってから気付く事なんてざらだ。僕らは大切なものの価値を、失ってからようやく知る。手に入れている時はその価値に気付けない。人間ってそういう生き物ですよ。



だから、僕に出来る事をしようと思って。


トルコでシリアの映像を見た時、去年の秋に難民が亡くなった事件を知った時、そして今。僕に出来る事は何かをずっと考え続けている。例え綺麗事と言われようと、その綺麗事が現実になってしまえばいいと思った。そしたら二度と、綺麗事なんて言われないでしょう。


僕に出来る事は何かを考えた時、やっぱり書く事しかなくて。むしろそれ以外の武器が見つからなくて、思いついて提案して、そしたら形になりました。僕一人では多分、企画倒れになっていたので皆の、プロのおかげですありがとうございました。


僕らはきっと、何でも出来るよ。


何にでもなれる、何でも出来る、どこでも行ける、けれど君という人間から変わる事は出来ない。人生は自分の物語だから、どれだけ嫌気が差しても自分という主人公を脚色しなければならない。幸せな台本を描くために苦悩して、傑作を生みだすために選択しなければならない。


だから今、少しだけの勇気を出して。少しだけの我慢をして。この夜が明けるのを待とう。明けない夜はないんだって、僕が証明してやるから。夜明けまでに出来る事をしよう。何度だって自分を見つめなおして、何度だって未来を描こう。目先の快楽に溺れてしまわぬように。


世の中は自分だけ幸せであればいいって思ってる人がほとんどを占めていますが、自分だけが生きていればいいと思ってる人も沢山いらっしゃいますが、それはどこの世界でも変わりませんが。僕らはそうはならないようにしよう。きっともう分かっているはずだ。結局人間は一人で死ぬけれど、長い人生の中で一人になる事は出来ない。孤独とは真の孤独ではない。本当の孤独はきっと、世界でたった一人しか生きていないとか、そんな状況の事だ。


世界は広いよ。

これが収まったら、広い世界でも見に行くべきだ。固定概念を払拭して、目を肥やしに行くべきだ。一つの視点からしか物事を見れない人間が、誰かの気持ちを汲み取って描く事など出来ないって僕は思っているから、人生経験を積むべきだよ。



色々話したい事があって。まだあるんですけどね、続けて良いかな?


最近色々な方と関わる機会が増えて、僕は基本人が好きじゃないから何とも言えない気分になるのですが、でもまあ好きでいてくれる人に対しては真摯に向き合っていたいと思っていました。頂いた言葉は全て目を通すし、反応もする。遅れてしまう事もあるけれど、僕は向き合う事くらいしか応援してくれる人に返せないから、向き合っていい作品を出すしか出来ないと思ってます。そんなヒトモドキです。


ここからが本題なんだけど、僕は再三皆さんに言ってきました。盲信するなと。僕は神でもヒーローでも教祖でも何でもない、ただのその辺にいる人の皮を被ったヒトモドキです。隣にいても気付かないような、そんな存在です。大それた事は出来ません。ただ、人よりも才がある事は自覚してます。


これ言うとさ、結局世の中才能かよって言う人もいると思うんだ。でもそれは事実だ。正解ではないけれど。同じ期間を同じように努力しても、芽が出ず死んでいく人は腐るほどいる。特別な人間なんてほぼいない。自分だけはなれると思うのは、先述したようにありがちな毎日に安堵して、無駄な期待を抱いているからだ。


なりたかった職業にはなれないし、全てを捨てて目指すと言っても叶わない時は叶わないよ。残念だけど、それが現実だ。だからこそ僕らは空想をするんだろう。夢を見て、希望を描くのだ。ただ、自分の立ち位置をしっかり理解した方がいい。理想論じゃ人は生きられない。


簡単に全てを捨てるとか言わない方がいい。だって簡単に捨てられないから。捨てたつもりでも絶対に、いつかはまた拾ってしまうから。意志が弱いとかそんな事じゃない。人ってそういうものなんだよ。本気なら尚更、全てをこなせるだけの力を得るべきだ。


まあそんな事は置いといて。


そう盲信。盲目的に信じるなの略。僕の好きなアーティストが言っていました。作品だけ見てくれればいい。別に本人を見てくれなくていい。盲信しないで欲しい。そんな大それた存在じゃないって。それを聞いた時の僕はまだ有名でも何でもない、本を出す前の一般人でした。だからその意味が何も分からなかった。別に盲目的に信じていなかったけれど、これを言えるのはその立場を得たからだろって思っていた。


でもね、今僕は同じ事を言います。盲信するな。作品だけ見とけ。本人なんて見なくていいって。君の人生は君の物だ。誰の物でもない。僕を盲信して、僕になりたがって同じ道を歩もうと、模倣しようとしても僕にはなれないんだ。そんなの君の価値を殺すだけだ。


僕は今もまだ、自分が小説家である自覚はほとんどない。本が出ても嬉しいけど、何だか実感がない。新刊が出るというのにそう思ってる。この立場を利用する事はあっても、僕は僕のままで変わらない。


けれど僕が思っている以上に、僕の存在は大きくなっていた。誰かが勝手にイメージを抱いて、僕を大きくさせていく。それがどうしても嫌になった。性別の件もそうだ。どちらでも、僕の価値は変わらないというのに周りはそう思わなかった。少しずつ、僕と応援してくれる人たちとのすれ違いを感じ始めてしまった。全員じゃないけどね。多くの人がいれば、一部の人がそうなるのはもう読めていた事だ。



若気の至りとか、そんな言葉で片づける気はさらさらないからここでもう一度言わせて欲しい。


僕は誰も贔屓しないよ。友人でも同士でもファンの皆でも、一緒に書いてくれる人でも、誰一人として贔屓しないし同じ視点で皆を見ている。だからこそ全部に反応を返すんだ。そうじゃなかったら仲のいい人とだけ喋って他の人は無視してますって。皆大切で、皆ありがたい存在です。ただ、それが伝わらず結果的に巻き込んでしまった人がいる事、傷つけてしまった人がいる事、とても悲しく思うし反省しています。


僕の読者さんたちは皆若い人が多いので、まだ視点が定まっていない子が沢山いるのは理解しています。これから何にでもなれる未来を持っていて、何でも出来る力を養える、未来ある人たちだと充分に理解しているから、僕もそんな人たちの成長を見られる事がとても嬉しいです。でもね、だからこそ真っ直ぐ過ぎて見えていないものがある事も事実なんだ。今回はそれが原因で起きてしまった事だと思ってる。


君の考えが、全ての人にとっての正解ではないよ。世の中色んな人がいて、色んな考えがあって、いろんな視点がある。それを理解して学んで欲しい。もう怒ってないですけど、これ以上何か言ったり誰かを傷つけようものなら黙っていないのでよろしくお願いします。僕は僕のせいで大切な人が傷つけられる瞬間が何よりも嫌いなので、次はないと思っていてください。まあやらないと思うけど。


この一件で僕は皆との関わり方を僕は今一度考えるべきだなあと思いました。これまでのようにしていても駄目なら、距離を置いたり色々考えてみようと思います。何も起こらないのが一番だけどね。


そんな感じです。後陰湿な奴も嫌なので文句があれば直接どうぞ。ちゃんと応対します。ただあまりにもしつこいと、メンヘラかよ!!ってツッコむと思います。それくらいは許してください。こんな事ばかり言ってるから刺々しいとか好戦的とか、フォロワー減るとか言われるんですけど、でもこれで嫌いになられるのであればそれまでだと思ってます。作品だけ愛してください。僕は愛さなくていいです。




最後に。


新刊が出ます。最近暗いニュースばかりでしたが、少しでもこの一報が誰かを喜ばせている事を願います。そしてまさかの角川文庫です。僕は子供の頃、確か角川の小説を読んだりしていました。あの会社から出るフィクションを愛していましたが、まさか自分が出すとは思わなかったよワトソン君。というより僕以外の人も誰一人として想像していなかったのではないでしょうか。僕は未だに理解出来ません。


ですが今回も自由に書かせていただきました。僕の担当さんたちは僕の作品が好きでわざわざ声をかけてくれるような人ばかりなので、僕の色を第一に、僕の書きたい事を最優先に、大事にして頂きました。さながら大事に飼われている猫のように、自由気ままにやらせて頂きました。本当に感謝です。


そして、また違う僕の一面を皆さんに見せるため頑張ってみました。前回とは打って変わり、新しい風を吹かせようと思います。僕は色々な話を書けるんだってアピールしてやります。謙虚に貪欲に、努力の影など一つも見せず、今回もこっそりと書き続けてきました。


一言で言うなら、複雑骨折型成長恋愛です。足の骨が複雑骨折して、戻るのには時間がかかるけれど、それでも時間は進んでいくから骨は少しずつ元に戻り、心は成長して最後には完治する。そんな恋愛の形です。登場人物が複雑に絡み合って、最後には皆成長して一つの足になる。そんな感じです。僕にとってはそんな感じです。何言ってるか分からなくてもそんな感じです。


多分、読み終わったら、


「ああ。うん?わ、分からなくもない」


っていう感じになると思います。よろしくお願いします。


角川文庫より「紅い糸のその先で、」4/24に発売です。


注目して欲しいポイントは三点。


登場人物の名前をしっかり見て、つながりを感じて見てください。

最初は普通に読むだろうけれど、よくよく見てみたら、あれ?ってなると思います。そんな思いを込めて作りました。終わった後もちょっとだけ考えて消化する事が出来ると思います。


最初にファンサービスあります。

気付く人は気付くであろう、ちょっとしたファンサービスです。気付いてくれたら嬉しいです。きっと昔から応援して下さってる人は分かるのではないでしょうか。そんな、少しの遊び心を込めました。


タイトルの「、」の重要度。

この「、」私的にはとても大事です。読み終わった後、どうして句読点を入れたのか、その理由が伝わっていればいいと思います。読み終わった後も沢山楽しめるような要素を三点ほど隠してみたので、良かったら終わった後も楽しんでください。


そして、反響がありましたら、365のようにその後の話を少しだけ書こうと思います。


どうか、紅糸が多くの人に愛される作品になりますように。


今から一ヶ月。沢山大変な事はあると思いますが、どうか生きてもう一度笑い合いましょう。一年も待たせてしまった新作を読んで、少しでもその顔に笑みが零れますように。僕はそう願っています。だから、今少しだけ頑張ろう。


きっと今年も、皆に物語を届けるから。

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